【ユーザー参加企画★リレー小説】イブに初デートしたらヤバい世界に飛ばされた件

【フェン04】 碧るいじ

エピソードの総文字数=2,955文字

「あの……わたしのことペルトガって言ったよね?

どうしてペルトガであるわたしをお持ち帰……家に招待してくれたの?」

2017/12/17 02:39

食事が終わった後、それとなく彼に尋ねてみた。


悪い人ではなさそう。

人間の女の子としてではなく、ペルトガとして接してくれたはずだけど……。


もしペルトガでないことが分かり、人間でないことも証明出来なければ間違いが起こってしまうかもしれない。

何が目的か確かめておかないと……。

2017/12/17 02:42

midori64

「ペルトガだって扱い方を間違えればエラーを起こす。

人間が病気になるのと同じだよ。

困ってたら助けるのに、他に理由がいるかな?」

2017/12/17 02:45
「わたしがバグってると思ったから?」
2017/12/17 02:46
「寒いと思ってるのなら変身すればいいのに凍えてるなんて……戻れないんでしょ?

僕の手で治せるかと思ったけど、あまりに人間に近いから人間と同じ治療法を試したつもりだけど……」

2017/12/17 02:47
「じゃあ本当にただ助けたかっただけ?」
2017/12/17 02:56
「う~ん、正直興味が湧いたからってのもあるけどね」
2017/12/17 02:58
うわー、やっぱり!
2017/12/17 02:58

midori64

「サンタに憧れるペルトガなんて、酔狂だなぁと」
2017/12/17 02:59
「あぁ、この恰好……」
2017/12/17 02:59
上着を羽織ってはいるものの、下はサンタビキニのまま。

すぐ箱に詰められたからよく覚えてないけど、たぶん新しい持ち主の趣味が反映されたんだと思う。


まったく、とんだドスケベに買われたものね。

しかもギンと離れ離れにするなんて絶対に許せない!

2017/12/17 03:00

midori64

「人とペルトガの争いのキッカケもクリスマスだったと言う。

今や地下組織がひっそりと隠れて祝うようなものだ。

管理局に見つかったらただじゃ済まないよ」

2017/12/17 03:11
クリスマス……、一体おまえ何をした……
2017/12/17 03:14

midori64

「じゃあわたしを匿ったらまずいんじゃ?」
2017/12/17 03:15
もしも君のご主人様が僕の予想通りの人なら、届けて欲しいものがあったんだ。
2017/12/17 03:16
運送会社に勤めてる社会人には見えなかったような……
2017/12/17 03:23

あの恰好、君のご主人様の趣味じゃないの?

2017/12/17 03:28
も、もちろんよ!

わたしにこういう趣味はないわ!

2017/12/17 03:51
やっぱりそうか。

なら、君にプレゼントしたいものがあるんだ。


引き換えに僕のお願いを聞いてくれると嬉しいんだけど……。

2017/12/17 03:52
危うく真冬にビキニの露出狂と思われるとこだった……けど、おかしな方向に話が転がった気がする。


彼は薄暗い部屋にわたしを案内し、ポツンと置かれた人が一人座れる程度の箱状の物体を指差した。

2017/12/17 03:54

midori64

「何これ?」
2017/12/17 04:03
「タイムマシン」
2017/12/17 04:04
異次元な答えが返って来た。
2017/12/17 04:04

midori64

「一見ソリのようだけど……」
2017/12/17 04:04
そう言われたらもう犬橇用のソリにしか見えなくなってきた。
2017/12/17 04:05

midori64

「神隠しに遭ったとあるカップルが居て、男の方は戻って来たんだけど恋人は行方不明のまま。

彼は老いた後も恋人を焦がれるあまり、クローンを作ってまで待ち続けることにしたんだ」

2017/12/17 04:06
「凄い執念だけど、唐突に何を言い出すの……」
2017/12/17 04:07

「しかし恋人には会えず、きっと使用上の注意をきちんと守らなかったバチが当たったんだと悔やんだらしい。

でも冷静なその子孫はある結論に至った。恋人は過去に飛んだのだと……。

ただ人工的に時空を超えるには人の身では不可能。そこで自我を持つ道具、ペルトガを発明したのさ」

2017/12/17 04:07

ドン引きするわたしを無視し、説明を続ける彼。

どうやら積極的を通り越して強引なところがあるらしいとわたしは今、彼を理解した。
2017/12/17 04:09

midori64

「後は知っての通り、雑に扱われたペルトガの恨みとニートの逆恨みが募り、戦争が起きた」

2017/12/17 04:10
「間をすっ飛ばして壮大で悲惨な展開に……!」
2017/12/17 04:11
「つまり……僕の願いはその男に失った恋人を届けてあげること。


一族の童貞の呪縛、君に断ち切って欲しい」

2017/12/17 04:13

「真面目な顔でそんなこと言われてもツッコミが追い付かない!

そもそもわたしはギンを探さなくちゃいけないの!」

2017/12/17 04:15
「ギン?」
2017/12/17 04:16
「わたしと対をなす銀色の指輪。大事なパートナーなの」
2017/12/17 04:16

「このタイムマシンには探し物をナビしてくれる機能がある。そのために作ったからね。

きっと時空を超えて見つけることが出来るよ」

2017/12/17 04:17
「ほ、ほんと?」
2017/12/17 04:17

「たぶん……。

別次元に存在する者は違った形に見えるから、もしかしたら君の知っているギンの姿ではないかもしれない。

でも高度な変身能力を持つ君ならきっと見つけられると思う」

2017/12/17 04:17
「それが本当の目的だったのね」
2017/12/17 04:18

「ごめん。道具のような扱いをされて怒った?」

2017/12/17 04:19

「むしろ人間に頼み事をしているような態度だったけど?


道具は人間の役に立つために作られた物。

指輪は特に願いや誓いを込められるのが仕事のようなものだし、悪い気はしないわ。

それにわたしにとってもメリットあるし。


でもその一族って貴方のことよね?

歴史を変えちゃったら貴方はどうなっちゃうの?」

2017/12/17 04:21

「世界は一つじゃないんだよ。いろんな可能性があってこっちはこっちで続くと思う。

でも彷徨っているご先祖様とその恋人には、ハッピーエンドな世界も用意してあげたいんだ」

2017/12/17 04:21

結局自分自身のことより困っている人のためになってるじゃない。

そういう人間に使われるのなら悪くないかも。

2017/12/17 04:22

midori64

「仕方ない、ギンを探すついでにそのカップルも救ってあげるわ」

2017/12/17 04:22

「ありがとう、フェン!


これは君が寝ている間にノアが作ってくれたサンタ・クロス。

危ない目に遭っても守ってくれる高性能防護服だよ」

2017/12/17 04:23
「え……危ない目に遭うの?」
2017/12/17 04:24

ビキニの上から赤いダッフルジャケットをかけるような形になる。


スカートがないせいで変態性が増したような気もしなくはない。

ただ不思議なことに全身がポカポカとしてきた。

2017/12/17 04:24

midori64

「可能性の話だよ。ノアとフェレットもお供につけてあげるから大丈夫。


しっかりフェンをサポートしてあげるんだよ」

2017/12/17 04:28
「きゅっきゅぅぅ!」
2017/12/17 04:31
「~♪」
2017/12/17 04:33
白いモフモフが胸の上に乗っかり、妖精さんが背中のフードにすっぽり収まる。

なんと聞き分けのいい子達だろう。


そしてわたしは促されるまま、ソリの座席にバイクのように跨った。

2017/12/17 04:34

midori64

「まずは動力とナビを兼ねるペルトガをタイムマシンに接続する必要がある。

そのペルトガは異次元に存在するから現地で拾ってね。ちなみに二体で一組と相場が決まってるらしい。

僕が出来るのはそこまでの跳躍だけ」

2017/12/17 04:41

「え? 拾うって?? 相場って何っ!?」

2017/12/17 04:42

「言ってなかったっけ?

オリジナルのペルトガは物の怪と言われる類だって。

今のペルトガは人工的に作られたコンピュータの物の怪だよ」

2017/12/17 04:42
「聞いてないし!」
2017/12/17 04:43
「詳しく話したいところだけど、そろそろ管理局に見つかりそうだ」
2017/12/17 04:43

部屋の片隅に設置されたモニターを見つめながら呟く彼。

強引になってきたのは時間的な余裕がなかったからなのかも。

2017/12/17 04:43

midori64

「フェン、ご先祖様に会ったらよろしく!」
2017/12/17 04:44

言いながら彼は何かの装置を操作した。

正面の扉が開き、薄暗い部屋が外界の光に照らされていく。

その先には廊下……いや、滑走路のようなものが続いていた。


嫌な予感がする……。

2017/12/17 04:45

midori64

「ちょっと待って、まだ聞きたいことが沢山……! そもそも名前すら……!」

2017/12/17 04:46
「僕の名はタクロー! 君のパートナーにも再会できることを祈ってるよ!」
2017/12/17 04:47

「それも聞いてなかったけど、貴方の名前を聞いても探しようがな……きゃあああああああ!!?」

2017/12/17 04:48

ジェットコースターのようにわたしを乗せたソリが加速していく。

ちょこんと顔の横からノアが「出発進行!」と言わんばかりに笑顔で正面を指差す。

2017/12/17 04:48

midori64

「やっぱり強引過ぎるぅぅぅぅ!!」
2017/12/17 04:49
わたしは滑走路を飛び出し星になった。
2017/12/17 04:49

midori64

「あ、そうそう。君のご主人様のソロモン王は後にサンタクロ……あれ、もう行っちゃったか。


まぁこれは言わない方がいいよね」

2017/12/17 04:49




【フェン04】おしまい
2017/12/17 04:55

midori64

2017/12/19 20:04

izuru_s

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