クラフトラフト!

第十一話 答えは保留

エピソードの総文字数=1,510文字

少女は、後ろに下がりながらステッキを振りかざし、「フリージング」を撃つ。

だが、暴走クラフトルの転がる速度が遅くなるだけで、凍ることはなかった。

これは……いったい……。
少女が困っているのを感知したルリチルは、即座に状況を解析した。

解析。完了。

暴走クラフトルの刀状の物体に超音波振動を確認。

凍結後、振動の摩擦熱により融解。

現在のフリージング能力では凍結不可能。


第二形態への移行を推奨します。

第二形態……どうするの?

クラフトラフトエクストリーム」と叫んでください。

それだけでいいのね。


クラフトラフトエクストリーム」!
……承認。

リミッター解除。

少女の体が激しく輝き、オーロラのような羽衣をまとう。

そして、それらが少女の体に収束し、新たな形態を作り出した。


青く輝き、冷気をまとったその姿は、まるで妖精のようだった。



(イコライジングの効果は継続しているみたい……)

ものすごい冷気を感じる……!

その形態……名付けるなら……。


極氷の魔剣士

十分な冷気が剣に内包されています。

あとは、攻撃対象に向かって剣を振るってください。

衝撃波が飛びますので、近づく必要はありません。

わかった……。
…………………………………………………………………………………………………………
2018/02/13 11:26
暴走クラフトルは、回転しながら複数の刃で地面を切り裂き、近づいてくる。

それを待ち受けるかのように、少女は立ちはだかり、剣を振るった。

これで……終わり……。
剣から衝撃波が放たれる。

衝撃波は白く輝き、回転する暴走クラフトルを分断する。

そして、衝撃波が切り裂いた箇所から無数のつららが突き出し、暴走クラフトルの動きを止めた。


次の瞬間、暴走クラフトルの黒い刃は崩れ落ち、コアが露出。

露出したコアは、すでに真っ二つの状態だった。

割れたコアは目も眩むような激しい光を放ち、崩壊していく。

(あのクラスを一撃……だなんて……いったいどうなってるんだ……)

風の音、鳥の鳴き声、動き出した街の音が聞こえ始める。イコライジングの効果は、消失していた。


巧人は耳栓を外し、少女はイヤーマフを外す。

よくわからないけど、助かった。ありがとう。

わたしは竜胆菖蒲

俺は、守本巧人クラフトル管理局員をしている。
あなたの告白を断ったことはなしにして保留することにします。かわりに、今の状況を説明してください。
(さ、さっきの告白のことか……)

詳しいことは、その青い鳥に聞くといいよ。

変身を終えて元に戻ったルリチルが、ひょこっと現れ、菖蒲の指の上に乗る。
ルリチル。よろしく。ルリチル。よろしく。
そう……わかりました。そうします。


それと……あなたの告白はボイスレコーダーに取っておきました。

大事に保管しておきますので、そのつもりで。


なぜかものすごく眠いのでここで仮眠します。襲わないでくださいね。

では、おやすみなさい。

菖蒲はそう言うと、イヤーマフを付け、東屋の椅子に座ってテーブルに寄りかかり、すやすやと寝てしまった。


その後、ルリチルはすやすやと眠る菖蒲の周りをゆっくりと飛行する。

飛行のできるストラクチャーユニットならではの警戒行動である。

大丈夫、襲ったりしないから……。

(保管って……。ひとまず、ルリチルが一緒なら大丈夫か……)
こうして巧人は、またもや強力なクラフトル数値をもつ少女にクラフターストライカーの能力を与えてしまった。


巧人は考える。

なぜこんなにも強力なクラフトル数値を持った少女が存在するのか。


そして、今まで遭遇したことのない強力な暴走クラフトル

なぜ、そんなものが出現するのか。


もっと情報を集めなければならない。

巧人は、菖蒲ルリチルに任せて公園を離れ、調査を再開するのであった。

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