三題噺のお部屋

偽教授

エピソードの総文字数=462文字

石が泣く。しくしくと、石が泣く。


遠江国掛川、小夜の中山。同地に伝わる伝説がある。夜泣き石の伝説だ。


かつてこの峠道を、身重の身で旅していた女がいた。時代が時代のこととはいえど、不憫であり、また無謀なことであった。


女はにわかに急激な腹痛に襲われた。陣痛である。医者も産婆も、都合よくこんな場所にいるわけはない。と、そこに一人の侍が通りかかった。


男ははじめのうち、女を看護していた。しかし、女に情欲を感じたためとも言い、また或いは女が持っていた金子に目が眩んだためだとも言われるのだが、とにかく、侍は他に人目がないのをいいことに、事を済ませて女を口封じのために斬った。


その時、石は血を浴びた。無論、子も助からなかった。以来、夜泣き石は泣くのだ。しくしくと。しくしくと。


冬になれば、その石の上に雪が降り積もる。掛川はそう雪の厚い地ではない。ただしんしんと、しんしんと、わずかばかりの雪が、年に数たび降りかかる。

2018/01/22 01:37
フッ
2018/01/22 01:44

tantankyukyu

怖かった?
2018/01/22 01:44
それは怪談じゃなくて民話って言うんじゃないかな、どっちかって言うと
2018/01/22 01:44

そうだね。じゃ次は猥談で

2018/01/22 01:45
拒否。
2018/01/22 01:46
執筆:偽教授
2018/01/22 01:46

tantankyukyu

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