黄昏のクレイドリア

20-1

エピソードの総文字数=1,167文字

<ロージア 正門入り口付近>

さて……

何日かぶりのロージアね。

なーなー、町の中くらい

フード外していいんじゃねーの?

俺たちの顔、

別に割れてないんだろ?

それはまぁ、

そうなんだけど……

あの時襲撃してきた

青髪の暗殺者が……

どこの差し金かまだわかっていない。

用心に越したことはないだろう。

はいはい、

わーったよ。

やや不満げに、セシルは

外そうと手をかけていた

フードから手を離した。

………………。


…………ニルス、

元気かしら。

あっ!

そうだよ、そのニルスってやつ?

魔巧具パクったのオレだし、

会うの気まずいから

どっか行っててもいい?

よくない。

ちゃんと謝っときなさい。

ぎ、ギルドにチクられて

捕まったらどーすんだよ!!

そうならないように

口添えしてあげるから。

…………わかった。
じゃあ俺は…………

あんたも来るの!

どーして二人して逃げようとするの


魔巧具の使い手が

どんな奴か知ってるほうが、

ニルスも今後やり易いでしょ。

……一理あるな。

<顎髭を蓄えた男>

おい、なにぼさっと

突っ立ってんだ!

道を開けろ坊主ども!

わわっ、

慌てて脇にそれて道を開けると、

蹄が小気味良く音をたてながら、

馬車は通りすぎていった。

なんだなんだ?

なんか前に来たときより

賑わってんじゃん。

豊穣のなんとかって

終わったんじゃねーのか?

<旅の装いをした青年>

なんだ、あんた達は

知らないのか。

<旅の装いをした青年>

闘技大会だよ、闘技大会!

ロージアから西へ行ったところに

闘技場があるんだが、

もうすぐ大会が開かれるんだ。


その興行準備で、

商人や見物客がこぞってロージアを

中継してやって来るわけだな。

おおっ!

滅茶苦茶面白そうじゃん!

<旅の装いをした青年>

ま、かくいう俺も、

大会目当てで

ロージアに来た口だからなー。

てなわけで、おのぼりさんを

狙ったスリには気を付けろよ!

お、おう!

サンキューな!!

親切に闘技大会について

説明してくれた青年へ、

ぎこちない笑みを浮かべながら

去っていく背中を見送った。

………………。

なー、カノ

ダメ。
駄目だ。

まだ何も言ってねーだろ!?

てかハモるな!!

魔巧具もらったら

闘技大会を観に行きたいって

いうんでしょ?

何の用もないのに

行くわけにはいかないわ。

ぐぬ……じゃ、じゃあ、

大会にアーティファクトが

景品にあるとかいう情報が

あれば行くかもしんないんだな!?

そんな都合よく

あるわけないでしょ……。

それにだな……、

俺とカノンの首には

暗殺者の間で賞金がかかってる。

人が集まり……熱狂するような場所は、

できれば避けたい。

は?

人が多い方が

暗殺されづらいだろ。

暗殺は……誰が殺したか

わからなければ、

暗殺になるんだよ。

(マジなのか冗談なのかわからねぇ)

とにかく……、バカ言ってないで

さっさとニルスの家に向かうわよ。

ちぇっ、

絶対面白いのに……。

賑やかな街の喧騒を尻目に、

一行はニルスの家のある路地へと

足を踏み入れていった。

◆作者をワンクリックで応援!

1人が応援しました。

◆コメント欄は未記入でもOK! 公開されないのでお気軽に。

ページトップへ