クラフトラフト!

第四話 もう一つの力

エピソードの総文字数=1,299文字

巧人紅葉は、巨大暴走クラフトルが作り出したドームに覆われ、完全な闇に包まれた。

だが、新しい力を手にした紅葉は、怯まなかった。


紅葉は、手にした剣を巨大暴走クラフトルの壁に向かって力いっぱい振り抜く。

ええーい!
グ……グゴゴゴ……
紅葉は、ドームを真っ二つに切り裂き、巨大暴走クラフトルの半分を吹き飛ばした。
やった! これで出られる!
まだだ、気を抜いては駄目だ! どこかに赤く光るコアがあるはずだ! それを壊さないと、すぐに復活するぞ!
コア……もしかして、これかな。

ええーい!

グ……グゴゴゴ……
紅葉は、赤く光る塊を見つけ、剣で切りかかった。

だが、それはあまりにも固く、何度切りつけても、はじき返されてしまう。

こんなの、固くて切れないよー……。
まずい、やつは収束を始めている!

一度、距離を取るんだ!

力いっぱい殴ってるのにっ!

(なんだか悔しい!)

紅葉が吹き飛ばした黒い塊は、赤く光るコアに付着し、スライム状に変化した。

本来の姿を取り戻した巨大暴走クラフトルは、体を数か所触手状に伸ばし、鞭のようにしならせて攻撃を始めた。


幸い、巨大暴走クラフトルの攻撃は単調だったため、紅葉は冷静に対処していた。落ち着いた剣と盾さばきで触手の攻撃を防いでいる。


相手の攻撃に慣れてきた紅葉は、時折踏み込んでスライム状の塊を吹き飛ばし、コアを露出させる。そして、追加攻撃でコアを叩くのだが、やはり、コアは固く破壊するのは困難だった。

ケ・ケ・ケ・ケ・ケ・ケ…………
わたしの力じゃダメなのかな……。
(こうなったら……奥の手を使うしかない!)

紅葉さん! よく聞いて!

やつのコアを露出させたら、「クラフトラフトエクストリーム」と叫ぶんだ!


そうすれば、今より強い形態になることができるかもしれない!

いや、君ならできるはずだ!


ただし、かなりの体力を消費する!

チャンスは一度だ! 一撃で決めてくれ!

ええー……。

(でも、考えてる場合じゃなさそう)

ケ・ケ・ケ・ケ・ケ・ケ…………
こうなったら、それに賭けてみる!


ええーい!

紅葉は、萎えかけた心をもう一度奮い立たせ、巨大暴走クラフトルに攻撃を仕掛けた。

巨大暴走クラフトルは、紅葉の攻撃で体の半分が吹き飛ぶ。その瞬間、赤く光るコアが露出した。


グ……グゴゴゴ……
今だ!
クラフトラフトエクストリーム」!
……承認!

リミッター解除!

紅葉の体が激しく輝き、オーロラのような羽衣をまとう。

そして、それらが紅葉の体に収束し、新たな形態を作り出した。


赤い翼に赤い槍。攻撃に特化されたようなメカメカしいその姿は、まるで神話に出てくる女神のようだった。

すごく体が軽い!

(でも、ちょっとはずかしい……)

ものすごい力を感じる……!

その形態……名付けるなら……。


暁のヴァルキリー


さあ、急いでやつのコアを! 

今度こそ!

ええーい!

グ……グゴゴゴ……!?
暁のヴァルキリーへと変身した紅葉は、コアめがけて一直線に槍を突き立てた。

槍は、コアにザックリと突き刺さる!

ウゴガガガガガー!
その瞬間、コアは目も眩むような激しい光を放ち、塵と化す。

巨大暴走クラフトルの体は、それと同時に蒸発し、虹のような輝きを放ちながら周囲へと拡散していった。

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