【ユーザー参加企画★リレー小説】イブに初デートしたらヤバい世界に飛ばされた件

【ギン03】 碧るいじ

エピソードの総文字数=1,479文字

【ギン02】doubutulordさんの続き(碧るいじ)




――ゴォン、ゴォン。




2017/12/17 01:55

midori64

大きな鐘の音(?)が響く。

どこから聞こえてくるのかは分からない。

まるで世界全体に響き渡っているような不思議な感覚。

2017/12/17 01:56
「おや、今年もギリギリの到着ですね」
2017/12/17 01:59

駐車する鎧さんに最初に声をかけた街の住人は大きな熊さんだった。


――生き物居るじゃん! って思うでしょ?


でもよく見ると熊さんの目はプラスチックのボタンみたいで、毛皮も作りものっぽくモコモコしていた。

2017/12/17 01:59

「稀に一人で動けないのに街の外に放り出されて途方に暮れている同胞が居るからね。

注意深く声なき声に、耳なき耳を傾けながら移動してたら遅くなってしまった」

2017/12/17 02:00
「さすがナイス(ガイ)。メイドインジャパンの称号は伊達じゃないですね」
2017/12/17 02:01
「どうやら連れとはぐれたらしい」
2017/12/17 02:03
そう言って鎧さんは僕を熊さんに紹介した。
2017/12/17 02:03

「熊さんはフェンという指輪を知りませんか?

僕に似た金色の指輪で……」

2017/12/17 02:04
「くまさん? ワタクシのことですか?」
2017/12/17 02:05
「ああ、熊さんというのは生物としての呼び方で……」
2017/12/17 02:05

「おかしなことをおっしゃる。生物が存在したのは我々を創造した神の時代。

みんなにはテディと呼ばれています。神が真名を授けてくれるまでの仮名ですけど。

種族で分けるならば彼らと同じヌイグルミ族ですよ」

2017/12/17 02:05

そう言って熊さん改めテディさんは、道行く手足の生えたニンジンや、ヘッドライトが目になっている柔らかそうな車を指差した。

やっぱり生物として比喩される習慣がないみたい。


僕はフェンの事をただ色んなものに変身できる指輪として説明した。

2017/12/17 02:08

「なるほど、連れのフェンという方は自力で動けるのですね。

ワタクシは知りませんが、今日は我々にとって特別な日。

必ずこの街を目指すはずですよ」

2017/12/17 02:09
「特別な日?」
2017/12/17 02:11
「神判の日です。鐘の音が聞こえたでしょう?」
2017/12/17 02:12
「何のことだか……。そもそもどうして自分がここに居るのかも分かってないし……」
2017/12/17 02:12
「どうやら私達とは出自が異なるようだ」
2017/12/17 02:13
ふむ、と小首をかしげた熊さんは事情を察して奇妙な流れ者である僕に、彼らにとって”当たり前”のことを説明してくれた。
2017/12/17 02:13

「今日は一年に一度、神が同胞の中から神にお仕えする者を選別する日なのです。

この街に集まるのは、神に見つけてもらいやすくするためですよ」

2017/12/17 02:14
「神に選ばれるとどうなるんですか?」
2017/12/17 02:15
「天国に行けます」
2017/12/17 02:15
「…………」
2017/12/17 02:15

みんな死にたいのかな……。

いや、生き物じゃないから壊れるってこと?

2017/12/17 02:16
「……フェンはそういうタイプじゃないと思うけどなぁ」
2017/12/17 02:17
「神に選ばれるのは光栄なことだよ。作られた意味が見つかるのだから」
2017/12/17 02:17
「しかし対となる大事なパートナーなら急いで探した方がいいかもしれないませんね。

もし神に選ばれたら別々の天国に連れていかれる可能性が高い」

2017/12/17 02:18
「それは困るよ! 僕達はいつも一緒なんだから!」
2017/12/17 02:19




――ゴォン、ゴォン。




2017/12/17 02:20

midori64

僕の悲痛な訴えを遮るように例の音が響く。

今度はハッキリ頭上から聞こえた気がする。

2017/12/17 02:20
「おや? おめでとうございます。選ばれたようですよ」
2017/12/17 02:21

光に包まれて鎧さんの身体が浮いてゆく、僕を手のひらに乗せたまま。


遥か上空に大きな円盤のようなものが霞んで見えた。

どうやら不思議な力でソレに引き寄せられてるみたい。

2017/12/17 02:21
「ナイスさん、ギンさん、お達者で~」
2017/12/17 02:22
手を振るテディさんがみるみる小さくなっていく。
2017/12/17 02:23

「うわぁぁぁ!

鎧さん、僕はまだそっちに行くわけには! 投げ飛ばしてください!」

2017/12/17 02:23
「すまない。まるで巨大な手で鷲掴みにされているように身動きが出来ない」
2017/12/17 02:24
「そんな! 神様にさらわれるぅぅぅ!!


助けて、フェェェェン!!」

2017/12/17 02:25
僕は鎧さんと共に神様にアブダクションされた。
2017/12/17 02:26



【ギン03】おしまい
2017/12/17 02:26

midori64

2018/01/08 20:27

CHIHIRO_F

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