三題噺のお部屋

ヤドナシ

エピソードの総文字数=1,420文字

【ペンネーム】 ヤドナシ
2018/02/15 17:23

yomogi

よし、ついに完成したぞ!
2018/02/15 17:24
博士、今度はいったい何を作ったんですか?
2018/02/15 17:25
見てわからないのか? タイムマシンだ!
2018/02/15 17:25
タイムマシン……この箱がですか?
2018/02/15 17:26
そのとおり、俺はとうとう時空の扉を開けることに成功したのだ!
2018/02/15 17:26
時空の扉……つまり、過去にも未来にもいけると?
2018/02/15 17:27
ああ……この箱に入ったものは十年前だろうと百年先だろうと好きな時間に移動できる。
2018/02/15 17:28
でもこれ、人が乗るには小さすぎません? 手足をバラして詰めたとしても、人一人入りませんよ?
2018/02/15 17:29
怖いこと言うな……予算の都合上、これ以上大きくできなかったのだ。
2018/02/15 17:30
うーん……本当にタイムマシンなんですか? ちょっと信じられないんですけど。
2018/02/15 17:30
くっくっくっ……そう言うと思って今日はとっておきの実験を用意しておいた。
2018/02/15 17:33
ニャー
2018/02/15 17:34

yomogi

おや……猫?
2018/02/15 17:35
こいつを箱の中に入れ、過去か未来へ飛ばす実験を行ってみようと思う。
2018/02/15 17:35
ニャー
2018/02/15 17:36

yomogi

……安全性は確保されてるんですよね?
2018/02/15 17:37
はっはっはっ……分からないから実験するのだろう?
2018/02/15 17:39
あんたも怖いよ……
2018/02/15 17:40
さあ、助手くん。タイムマシンの蓋を開いてその猫を入れてくれたまえ!
2018/02/15 17:41
こんな怪しい箱に大人しく入ってくれますかね?
2018/02/15 17:42
ニャー
2018/02/15 17:43

yomogi

じっ、自分から入った……!?
2018/02/15 17:44
はっはっはっ……実験に協力的な姿勢は素晴らしい! 蓋を閉めるのだ、さっそくスイッチを押すぞ!
2018/02/15 17:45
ガチャリ
2018/02/15 17:46

yomogi

いくぞー、スイッチ・オン!
2018/02/15 17:47
シーン
2018/02/15 17:47

yomogi

博士、何も起きませんよ? ってか、いきなりスイッチ押しましたけど、どの時間に猫を送るつもりだったんですか?
2018/02/15 17:48
手始めに昨日のこの時間に送ってみた。外からは分からないが、すでに箱の時間は昨日に巻き戻っている!
2018/02/15 17:49
昨日のこの時間……ということは、まだタイムマシンはできていない。猫もこの箱に入っていないときですね。
2018/02/15 17:50
ああ、そうだ! すなわち、昨日の時間に巻き戻った箱の中身は、猫が存在していないことになる!
2018/02/15 17:51
確かに……さっきから猫の声が聞こえません。
2018/02/15 17:52
どれ、軽く揺すってみよう。
2018/02/15 17:53
ガサゴソ……
2018/02/15 17:54

yomogi

うむ、やはり鳴き声がしないな。成功だ! タイムマシンは完成したのだ!
2018/02/15 17:54
いえいえ、ちょっと待ってください博士……鳴き声がしないからと言って、本当に箱の中身が昨日の時間に巻き戻っているとは言えません。実際に猫がいないかどうか、箱を開けて確かめてみましょうよ。
2018/02/15 17:55
それは無理だ。時間移行中に蓋を開けると、この世界に時空の歪みができて大変なことになってしまう。
2018/02/15 17:56
つまり……実験が終了するまで中を見ることはできないと?
2018/02/15 17:57
そういうことになるな。
2018/02/15 17:58
じゃあ、この箱の中に猫が息を潜めて存在しているのか、時間を遡っていなくなったのか分からないということですね?
2018/02/15 17:58
うむ……まあ、そのとおりだ。実際のところ、あの猫が箱の中に存在しているかどうかは分からない。
2018/02/15 18:00
それなら極端なことを言うと、博士の作ったタイムマシンはタイムマシンでなくて、実はワープホールだったって可能性も考えられますね。
2018/02/15 18:01
まあな……箱のスイッチを押した瞬間、猫は時間を移動したのではなく、ただ単にそのへんの路地へ瞬間移動した可能性もあるわけだ。
2018/02/15 18:02
つまり、この箱の中は今、何も起こってなくて猫がただ息をひそめて存在している状態と、過去に遡って猫の存在が消えてしまった状態と、猫がその辺の路地に瞬間移動してしまった状態が同時に考えられるわけですね。
2018/02/15 18:03
箱を開けるまで事実を知ることはできないが、箱を開ければ事故が起きてしまう可能性もある。なんというパラドクスだ!
2018/02/15 18:03
ニャー
2018/02/15 18:04

yomogi

あっ……
2018/02/15 18:04
むっ……
2018/02/15 18:05
ガリガリガリ……
2018/02/15 18:05

yomogi

助手くん……箱を開けたまえ。
2018/02/15 18:05
はい、博士。
2018/02/15 18:06

  • ツイート
  • ツイート
  • シェア
  • LINEで送る

ページトップへ