17歳の牧師だけど何か質問ある?

この門をくぐるものは、全ての希望をすてよ・・・

エピソードの総文字数=2,004文字

放課後、また教会に葉一、さくら、ゆりさんが遊びにくることになった。
「ダリアさんによしゅあが不埒なことをしていないか調査する!」
といいつつ、本当は暇なんだろ?
もう、来週には夏休みがはじまるから、短縮授業で早く帰れるし、明日は土曜日だ。

葉一は結局、
夏の青春の一ページを共にしてくれる女の子を見つけられなかったし、
さくらも旅行は八月だっけ?
俺も特に予定はないしな・・・
    
四人で連れ立って、教会のまえに来ると、女の子が一人、立っていた。
「あ、よしゅあさん・・・おかえりなさい。」
この田舎のどこにそんな服が売ってるの?という黒のゴテゴテのワンピースを
着たかわいい女の子。
中学生・山田 ひまわりちゃんだ。
この暑いのに装飾品の多いワンピース、服装にあってるかわからないツインテール、おまけにしょっているカバンには、アニメのキャラのバッジがびっしりついている。
葉一たちが、“うわぁ・・・”という顔をしたが、大目にみてあげてほしい。
・・俺たちにも、中二時代というものがあったのだから・・・!
      
ひまわりちゃんは毎朝、早天祈祷にきている山田カンナおばさんの一人娘で、
一応クリスチャン。お家が代々クリスチャンのクリスチャン四世で、
よほどホーリーな生活をしてるかと思いきや、その実はゴスロリ・アニオタだ。
(その恰好で堂々と礼拝にでるあたり、むしろ、『こんな私を100%、神様は受け入れてくださってるの!』という信仰告白なのかもしれない)
  
「ママが、よしゅあさんとダリアさんに、どうぞって、ケーキを焼いたから、もってきたんですけど・・・・」
そう言って、ゴテゴテした装飾の籠をもちあげた。
なんで、骸骨がラッピングされてるの??
「教会から、異臭というか、暗黒のかおりがしまして・・」
 ??
たしかに、教会から、えもいえぬ臭いがただよってくる・・・
「お、おい、ダリアさん、大丈夫なのかよ?」
みんなで、慌てて玄関扉をあけると、
ぼこっ、ぼこっ、という、魔女の鍋のようなあやしい音と、
強烈な、異臭がした。
     
「ダ、ダリアー・・・?大丈夫か―?
「ハーイ、オカエリナサーイ!」
玄関から正面に位置する、“牧師館”の台所から、ダリアが姿を現した。
「無事か、、ってか、この臭いは?」
「ミナサン、オソロイでー、アソビにキテクレマシタ?
 ヨロシケレバ、ゴイッショにディナーをゼヒ!」
「ちょっと!このヘンな臭い、なにかの料理じゃないのー!?」
「か、カレーのような、すっぱいような、甘い臭いがする・・!」
「濃厚な瘴気が、魔界のようです・・!」
葉一がおそるおそる台所を覗き込む。
お前、勇者だな。
仕方ないので、俺も恐る恐る台所にはいると、、、、、

教会の、カレー用鍋いっぱいに、
ぼこっ、、ぼこっ、、、とマグマのように煮立った、紫いろの、
物体Xがあった・・・・!

「「「「「ふぁあああああ・・・・!!!!!」」」」」

あ・・・ありのまま 今起こったことを話すぜ・・
俺は、台所に入ったと思ったらいつのまにか、 ハデスに降りていた・・・・!
な・・・何を言っているのかわからねーと思うが、
俺も 何をされたのか わからなかった…!
さくらの手料理の、錬成とか、クリーチャ―とか、
そんなチャチなもんじゃあ断じてねえ、、、
もっと恐ろしいものの 片鱗を味わったぜ・・・!
  
「よーしゅあちゃーん!ダリアちゃーん、あそびにきたよー!
 うわ、くさっ!なに、これ?なにか腐ってないー?」
ぼたんちゃんの、陽気な声が屍と化した俺たちの上に響いたのだった・・

     
ダリアの造った、“夏野菜のスタミナカレー”は、勇敢にも二重マスクと、二重手袋を装着したぼたんちゃん、ゆりさん、俺、で無事に片づけられた。
落ち込んでいるダリアは、包丁で指もさっくり切ってて、さくらが手当をしていた。
「うん、お料理って、本当に難しいのよねー!わかるわかる!」
「アリガト、ゴザイマス・・・ナスを皮ゴト、イレタら、ドンドンムラサキ色にナって・・・あと、ヨジカン、ニコンダラ、スッパイニオイがシタケド、
コーイウモノかとオモッテ・・・」
「ナスを使うお料理って、難しいのよねー!
 ・・私も、ナスをそのままいれて、紫色のお味噌汁つくったことあるし!」
・・お前がつくったのはそれだけじゃないだろ・・・。
「サクラ、さん・・・!」
ガシっ、と、固い握手がかわされた。
「さくら、でいいって!私も、ダリアって呼んでいい?」
・・・料理下手同志、友情が芽生えたようだった・・!
「ねぇ、よしゅあちゃん、これもカレーにいれちゃってたのかな・・?」
と、ぼたんちゃんがドン引きしながら指差した、
レッドブルの缶と、スポーツドリンクのペットボトルは、
見なかったふりをした・・・・

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