いかに主は導きたまうか。

3.1 Invasion 丸まると太った...。

エピソードの総文字数=2,017文字

抜粋:『I AM THAT』( Chap. 30)By Nisargadatta Maharaj

ボク:
「状況において、私は何が起こっているかは完全にわかっていますが、それをどうこうすることは全くできないのです...」。

マハラジ:
『起こっていることは、実は、あなたの心の投影によるものなのだ。あなたの心は弱いので、それ自身の投影を制御することはできまい』。

ボク:
「おそらく、いつかは、自分の心を制御できるようになるかも知れなません。しかし、世界の混乱に対しても関与することができるようにはなるでしょうか?」

マハラジ:
『あなたの心がつくりだす混乱以外に、世界の混乱というものは何もない。それは自己が、他人とは異なり、特別だ、独立してあるものだという誤った考えを根本原因として自分で創造しているだけなのだ。』 

*(強改訳:ByMe)
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  父なき後、母は経営体制をどうするかで逡巡があった。これは大変短い、ほんのいっときの話である。父の代用として、ボクではあまりに頼りなく『ダメ』だと判断される。かと言って、社内の人たちを頼ることはあり得ず、社外に信頼のおける旧知の人材もいなかった。結果として、これまでに彼女が[大切なお金の運用]においてお世話になってきた証券会社の担当者を頼ってしまう。「浅はかなことだ...」。

  母の人に対する典型的なパターンに「初めは夢中になって崇拝/依存するが、時とともに失望/批判/罵倒に、それは落ち変わって行く」がある。肩書き/権威に弱く、力/カリスマに本能的に依存してしまう。つまりは外面に騙されやすいのだ。彼女の本質は[初心(ウブ)なお嬢ちゃん]でしかない。こういった人間を扱うことにかけては、とある証券会社の担当者は、見事な当たり役となる存在だった。あまりに悪い意味で相性が良すぎた。母は、”彼”のN証券、京都駅前支店長時代(1985〜94)に出会っている...。

  浅川和彦なる人物がいる。企業年金詐欺で有名なAIJ事件の首謀者である。今年(2018)で66歳になる。日経の記事によると「被告は2009年2月~12年1月、東京や長野などの17の年金基金に虚偽の運用実績を示し、計約248億円をだまし取った」とある(日経2013/12/18付)。 「否!、被害はそんなもんではあるまい」。

少し詳細も抜粋しておこう:
証券取引等監視委員会は23日午前、AIJ投資顧問とアイティーエム証券への検査結果を公表した。企業年金資金は主にデリバティブ(金融派生商品)で運用し、2003年3月期から11年3月期までの累計で1092億円の損失を出した。AIJが顧客から運用受託した資金(元本)は1458億円。同社は11年3月期の資産額を2090億円と公表しており、600億円以上を水増ししていた。顧客に確実に返還できる残余資産は現預金81億円にとどまる。(後略)日経(2012/3/23付)

  ボクは、この人物と面識がある。彼が48歳、ボクが37の時だ。何度も会議の席で会い、オフ時にも一緒したこと、夫婦揃って食事をしたこともある。それもそのはず、母が頼りとして会社に連れ込んだのは、この人物だったのだから。

  彼の計画は、うちの会社を上場させることにあった。その上で、まずはIPO(新規株式公開)によるキャピタルゲインのいくらかを自分の懐に流し込むこと。そして同時に会社を乗っ取ることであった。

  まず手始めに、彼は先に社内の調整役として、既に存在していた同じく証券畑出の〈大○氏〉を社外へ追い出してしまう。手切れ金として、大そうな金額を支払ったことに母が愚痴を言っていた。彼は、これを「それぐらいが相場である」などと言って宥めているのを側で聞いていた。すべてはボクの与り知らないところで進行していく。

  取締役会があれば、東京からボクは呼ばれる。いつの間にか、彼の配下の人間達がその場に揃うようになっていた。四名だ。皆、金融関係の人間であった。そこでは、熱に浮かされたように上場計画の実行をアナウンスする母の姿があった。

ボクは、ただ不安に思っている。

語られる話には、ただただ「そんなに甘いものなのか?」との思いなのだ。

ことの進展が早すぎる...。


補記:

 マハラジ:

     『知識が力を与える』。

     『その修練はとてもシンプルなものだ』。

     『自己を制するために、自己を知りなさい』。



蛇足:

2016年、最高裁は上告を棄却し、浅川被告には懲役15年の判決が確定する。本件では、多くの被害者は泣き寝入りを強いられることになった。さらには国の厚生年金基金制度の崩壊という結果まで招いてしまう。

母ちゃんは肥えすぎてた...。

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