「この本はどうして売れなかったのか」探偵団

依頼人 黒名ユウ「一冊しか売れていない本」

エピソードの総文字数=3,475文字

こんにちは~! はじめまして!
いらっしゃいませ! 売れない作家の方ですね!
ちょっ……! 違います! いや、売れっ子作家ではないですけど……
だって、本が売れてないんでしょう?
誤解されるからやめて下さい! 「売れない本」があるので来ましたが、全部の本が売れてないわけじゃありません!
まあまあ、落着くアル。お茶でも飲むヨロシ。
あ、どうも。あなたは……?
助手のワト子です。
そして私が所長のほむ子よ。「この本はどうして売れなかったのか探偵団」へようこそ!
そう、その「どうしてこの本は売れなかった」って奴ですよ。それについてお尋ねしたくて。
私にお尋ねされても困りますけどね!
ええっ!? なんでですか! 探偵なんでしょう?
いいえ、私はただの所長ですよ! 探偵ではありません。
それに、ほむ子はそもそも本読まないダモーン!
うん! 本読むとか意味わかんなーい! まして買うなんて!
だから、探偵になって推理するのはまずあなた自身。私はそのお手伝いをするだけ!
あと、もしかしてひょっとして探偵団の他の人たちが、気が向いたら知恵を貸してくれるかもしれないというシステムになっておりますのよ、オホホホホ!
ちょっと気になったんですが、ワト子さん、キャラ定まってないですよね?
ほっとくじゃん!
そんなことより、本題に入りましょ! その「売れなかったご本」について、お聞かせ願えるかしら。これ読んでる方も私たち二人のことなんかより、そっちの方にご興味があるでしょうから。
わかりました。
念のために確認しておきますが、この探偵団であつかえるのは「セルフパブリッシングされた自著」についてだけです!
他人様の本や、その本を売ろうと頑張っている出版社様の本を「売れてない」と勝手に断定して公の場所で話題にするのは色々と問題が起きやすいですからね。その点は大丈夫ですか?
ほむ子は本は読まないけど常識はあるのにゃ!
大丈夫です。バリバリの自著です。セルフパブリッシングです。売ろうとしているのは私本人なので、何を言っても言われても他所様に迷惑はかかりません。
わかりました。では伺いましょう。まず、実際にオンラインショップに掲載している「書影」「作品紹介」を見せて下さい。
はい。これです……
書影

kurona

イマージュ: あなたを一番愛しているのは私 (High Nest)

作品紹介


ちょっとエッチでハイセンスな大人のセクシー・ショートショート11篇。
おとぎ話、ラブコメ、サスペンス、ライトノベル、ラブレターなど。「性と愛」を巡る様々な題材に、笑って、泣いて、
感動して、ほのぼのとして……鏡のように読者の心を映し出す、不思議で愛しい珠玉の短編集。


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――これらの作品はあなたの想像力を以て完成される。

CONTENTS
1.オトコ心は唇で 2.目隠し 3.アルジャーノンを花束に 4.あなたが一番愛しているのは私
5.貴女と同じくらいに 6.ビンカン魔王と女勇者 7.おちんちんみせて 8.催眠ごっこ
9.ゆるふわ上司と俺様部下 10.マリーとアントワネット 11.そこにいるから
解説:ももは/『先生、早く縛って』(一迅社メリッサ刊)著者

この作品は小説投稿サイト<無料で読める大人のケータイ官能小説>で公開したものを、
ダイレクト・パブリッシング版として、加筆修正及び一部作品を入れ替えて収録しています。

紙の本の長さ:210ページ

kurona

ふむふむ。
売れへんかったんや?
ええ。びっくりするぐらい……っていうか、もともとセルフパブリッシングはそうそう簡単に売れるものじゃないということは知っていたので、びっくりはしませんでしたけど、面白いほど売れなかったですね。
何冊売れたんですか? ゼロ?
発売から二か月で2冊です……。そのうち一冊は、解説を寄せて下さった方が(献本しているにもかかわらず)ご厚意で買って下さったものなので、実質は1冊です。
それはまた、見事なぐらい売れませんでしたね!
……です。
これはセルフパブリッシングを試した二冊目の本なんです。一冊目に出したものは細々とではあっても継続的に売れているので、この差はいったいどういうこだろうと。
もう少し詳しく聞いてみたいニョロ!
そうね。それでは掘り下げて質問させて頂きましょうか! ワトちゃんお願い!
おいきたガッテンでぃ!
まずは、どんなサービスで販売をしようとしたんでい? そいつを教えてくんねえ。
(ホントにキャラめちゃくちゃだな……)ええと、アマゾンキンドルと、ブックウォーカーです。一冊目のときは楽天コボも試したのですが、キンドル、ブックウォーカーと比べると売り上げが良くなかったので、二冊目ではこの2サービスに絞りました。
ちなみに一冊目はどんな本だったのかね?
一冊目は「催眠ごっこ」というタイトルの、男性向け催眠ものエロラノベです。
価格は300円に設定して、18禁カテゴリで申請しました。ドカンと売れることはないですが、ちょろちょろ売れ続けて今、半年目で売り上げが4000円超えたぐらいですかね。売れた数はキンドルとブックウォーカーで半々ですね。
二冊目の『イマージュ: あなたを一番愛しているのは私』との違いは? 値段は一緒なのかしら?
価格は同じです。ページ数は『イマージュ: あなたを一番愛しているのは私』の方が二倍近く多いですけど……。
内容はどうなのかしら?
それは読んで頂ければ……
ううん、読まないわ!
読まないんですか!
だって、本を買う人は読んでから買ってるわけではないでしょう? もちろん、内容を知った上でファンだから買う、何度も読み返したいから買うという人もいるでしょうけれど、そういう理由で売れる売れないを語るのなら、「ファンを増やそ」「面白い作品を書こ」で終わっちゃいますから!
内容を知らない人が、その本と出合った時に読んでみたいと思うかどうか、買いたいと思うかどうかを考えたいのよね!
だから、探偵団のみんなもこの本を買ったり読んだりしなくていいわよ~!
ぐはっ!
フン……依頼を装いつつ、あわよくば買って読んでもらおうという魂胆じゃったか……
い、いや……そんなことはないですけど、でも思わなかったと言えば嘘になるかな……
正直でよろしい! それが著者心ってものよね!
ほむ子は、本は読まないけど人の気持ちがわかる子なのだ!
主旨はわかりましたけど、じゃあなんで内容について尋ねたんですか。内容紹介に書いてある通りですよ。
それもそうね。ごめんなさい!
ほむ子は本は読まないけど、自分の間違いを謝れる子なの!
言い方が悪かったわね。うーんと……そう、どんな人に面白がって読んで貰えると思って書いた本なの?
なるほど。そうですね……女性をターゲットにしました。
恋愛モノってことかしら?
いいえ、そうではなくて、性と愛について……自分は男性なのですが、女の人の考える「性と愛」について興味があって、それをテーマにして作ったショートショートの物語です。ああ、だからターゲットは「大人の女性」ですね。20代~て感じです。
「解説」というのは?
同じ投稿小説サイトで活動している方で、とてもこの作品を気に入って下さった女性作家さんがいらして、その方にお願いしました。そこに書いてあるのは、書籍化されているその方の著書のタイトルです。
ふむふむ。なるほど。
あとは――そう、これはもともとWEBで公開されていたのね。
はい。今でも公開されていますし、一部はこのトークメーカーてもトーク化して読めるようになっています。

あなたが一番愛しているのは私 / そこにいるから
マリーとアントワネット
ふーん。参考になったわ。読まないし、私が推理するわけでもないけど!
ヒドイ……でも、ヒドすぎで逆に笑えてきます。
聞クベキコトハ、ザットコンナトコロデショウカ★
そうね。あ、最後にひとつだけ。売れた1冊というのは、いつ頃売れたのかしら?
発売から一ヶ月半後にブックウォーカーで売れました。ちょうどお正月の……1月3日頃だったと思います。
販促活動はしているんですかね?
いえ、特には……発売日にツイッターで呟いたり、サイトのニュースで告知はしましたが。でも、それは一冊目も同じです。
ハイ、そこまで! それじゃあ、これらの情報を手掛かりに、「この本はどうして売れなかったのか」推理をするのよ!

自分で……ですよね。
そっ! 自分で努力をしようとして初めて、他の誰かも助けてあげようって気になるものでしょ!
ほむ子は本は読まないけど正論が得意なのダ!

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