ドカベン魔法使いとの金汚い冒険

第29話「(やめとけ! やめとけ! やめとけ!)」

エピソードの総文字数=2,523文字

~前回までのあらすじ~

遺跡の魔法について師匠が解説してくれるらしい。

話し手がボケを挟まない師匠なので真面目回になる可能性大。

書いておいてなんですが、別に読み飛ばしてもいいと思います。

直接見たわけじゃないけど、

遺跡周辺の魔法についてはおよそ検討がついている。

ある1点を除けばだいたいこの子の言うとおりだ

ある1点?
「遺跡の魔法」ではないかな?
ほー……
??
「遺跡全体にかけられた魔法」と表現してるけど、それが違うんだよ。

遺跡自体は何の関係もない

ちゃうんや。「遺跡にかけられた永続魔法」みたいなんかと
高等すぎるかな。あんまり出来る人いないと思うよ
そうなん? この家も永続魔法やから割と簡単なんかと
この家が永続魔法? それは知らなかった
え?
(え?)
なにかあった?
えっ……と……師匠、この家って透明なってたりするやん?
そうだね。知覚のやつ
アレって永続魔法で透明にしたりしてんちゃうん?
違うよ。現在進行形でかけ続けてるだけ。MPは今も減ってるよ
……それはさ、もしかせんでも7年以上魔法を使い続けてない?
そうだよ
……寝てる時は?
? ……寝てても魔法って使えるものじゃない?
い、いや……
……
……
……まさか、そんな魔法の使い方してると思わんやん……。

もしかして永続魔法って使うのめっちゃ難しい感じ?

そもそも俺は永続魔法ってのを聞いたことない

なるほどね。師匠の本に腐るほど載ってたし、ウチも使えるからさ。

一般的にも普及してるもんかと……使い手少ないんや?

そうなんじゃないか?
勘違いしてたわ。せやったら永続ちゃうくて普通の魔法っぽいな。

いやごめんごめん。こっちで何か自己解決しててさ

永続魔法が簡単に使えるモンだと思ってたから、

先にそっちを疑ったってことだろ?

そう! ウチの説明が間違ってたわ。許してつかあせえ
こういうミスを防ぐために師匠さんの所まで来たんだろ? 大丈夫だよ
そうそう。カイカよう分かってるや~ん今日はサエとるな!

さては大麻吸ったなお前? 巻いとるなお前?

吸ってねえよ。人を薬物常習者に仕立て上げるな
永続じゃないという違いはあったけど。それ以外は予想の通りだよ
うん。じゃあ引き続き解説お願いしますわ。ほら聞きやカイカ
聞いてるよ
この魔法はエリアへ入った者に効果を及ぼす魔法だ。

エリアに入った者は魔力を乱され、MPの消費量が増える

へえ、魔力が乱されるってのは具体的にどんな感じなんですか?
魔力を乱す方法というのはいくつもあるんだけど。

おそらく今回は魔力の渦を作ったんじゃないかな

魔力の渦?
そう。自分の魔力をまき散らすんだ。

するとその魔力が相手の魔法を妨害するんだよ

そんな魔法があるんですね。

だから、魔法で支えてたこいつの風呂敷が急に重くなったと?

ザッツライト、オーイエスその通り!
そういうことになるね。その後使った風魔法の威力が弱かったのも、

逃げ切ったら元通りになったのも有効範囲があったからに他ならない。

まあ、魔法なんてどれも有効範囲に限度があるけど

まあ、その辺は分かるんですよ。でも1つ気になるのがあって
何かな
俺の大剣も重くなったんですよ。魔法で支えてたわけじゃないのに。

あれはどういう理屈なんですか?

厳密には魔法で支えてたんだよ。その大剣は……
魔法で支えてた?
(こっからカイカには難しいかもしれへんゾーンやな)
本来、君の体格でそのクラスの大剣を持つことは難しい。

しかし実際、君は大剣を難なく背負っていたんだろう?

まぁ……はい、そうですね
それは、君が魔力で不足している筋力を補っていたからだ
へっ!?
君が思うより魔力は身近なんだよ。何も魔法を使う時だけじゃない。

我々は常に魔力を使って生きているんだよ

そうなんですか?
息を吸う時、手足を動かす時、モノを考える時、言葉を発する時。

何をするにも魔力は消費する。消費量が少ないから気づかないだけで

そんなささいな事にも?
魔力はいわばエネルギーだ。魔法はそれを使って発動するだけ。

そして魔法使いはそれを使って火を起こしたり水を出したりするけど、

戦士なんかはその魔力を「肉体強化」に回している

肉体強化に
そう。使い方が違うだけで、本質的にはどちらも魔法使いなんだ。

君は魔法で肉体強化していたから、魔力の渦に入って弱体化したんだよ

じゃあ、それで重い大剣が持てなくなったんですか?
そういうことやろ。あと、逃げる時いつもより足遅なかった?
そういえば……それも弱体化してたから?
そうだね。エリアを出たら元に戻ったんだろう?
はいそうなんですよ。はーそういうことだったのか……
相手の魔力を妨害するといった魔法はかなり高クラスだ。

シールドだかのメンバーが為す術もなくやられるのもうなずける。

唐突に弱体化させられて、理解が追いつかないまま急襲されるんだから

シールドちゃうくてギルドやけどな。師匠を呼ぶのも納得やろ?
いや? 君1人でもどうにかなったと思うけどね
何その過剰な期待? 無理やって全然。

もっとすごい魔法なんかって勘違いしてたくらいやし

それで、もっと掘り下げて説明することもできるけど。聞く?
えー……
(やめとけ! やめとけ! やめとけ!
やめておきます
そう? じゃあこの辺にしておこうかな。

手の内が分かれば簡単だ。魔法は容易に無効化できるから安心していい

なるほど。さすがですね
ところで、聞きたいことが
何ですか?
君は魔法も使える戦士だと聞いた。なかなか珍しいね
そうですかね?
両方できるのはそういない。

珍しいからちょっと解剖させてもらってもいいかな

それ、ちょっとじゃ済まないですよね
前頭葉だけでいい
そこトップクラスに譲れないです
アカンで師匠、そんなんしたら。ウチの大事な大事な金づるやねんから
大事にしてくれてありがとうクソ野郎
どういたしましてクソ野郎
どうしてもダメ?
ダメダメ~
金ならいくらでも出すけど
どうぞどうぞご自由に! なんならお手伝いしまっせ!!
手のひら返しがはえぇよっ!!
許可が降りたからいじらせてもらおうかな。ああ安心していい。

安全に手術をする方法はちゃんと……えー……まぁ、大丈夫だよ

絶対忘れてるでしょ!! ちょ、なんでにじり寄……ギャー!!
嘘ですが、次話からはサイボーグカイカが登場します。お楽しみに!

次回、まだ出発してない。

◆作者をワンクリックで応援!

2人が応援しました。

◆コメント欄は未記入でもOK! 公開されないのでお気軽に。

ページトップへ