黄昏のクレイドリア

20-3

エピソードの総文字数=1,250文字

<ロージア ニルス宅>
…………。
…………。
…………。
ごめんね…………

家の中へ案内され、

散らかったものを避けながら

並んで腰かけた3人は、

ニルスの言葉を受け、

目を丸くしてニルスを見る。


呆気にとられる

彼等の対面へ位置するニルスは

重々しく面を上げた。

また、

なくなっちゃったんだ、

魔巧具……

てめぇーー!!
ひぇっ?!

お前ほんとおまえ……、

前だってオレに簡単に

パクられてたじゃねーか!!

ぼけっとしてるからだバーカ!

もう少し警戒心ってのを

ご、ごめんなさいごめんなさい!

前科持ちが

デカい口

叩くんじゃないの

あだッ

……ってあれ?

パクった、って……。

そう、このうるさいヤツが

前回の魔巧具のひったくり犯。

そんでこのすましが

事件に巻き込まれてた魔術師よ。

(すまし……)
な、なるほど……?

あ、でもね……、

言い訳がましいけど、

今回は盗まれちゃった

わけじゃないんだよ!

実は……



~~~~~~~~~

<三日前/ロージア 魔巧師ギルド>

代わりの、魔巧具が……、

完成したので、ぜひ、

受け取りに来てください……っと。

……ふぅ、これでよし!

あとはこの手紙を送るだけだ!

羊皮紙に文字を書き終えると、

ぐっと腕を伸ばして伸びをする。

息を吐いて一息つき、

ゆっくりと顔をあげた。

親方ー!僕の魔巧具の

チェックって終わってますか?

終わってたら持ち帰りたくて

<魔巧師ギルドマスター>

おう!

待ってろ、今持ってく……

……親方?

<魔巧師ギルドマスター>

……悪ぃ、ニルス。

昨日ギルドに来た

商工会に渡す魔巧具と、

お前の魔巧具……

間違って渡しちまったみたいだ。

冷や汗を流しながら、

男が笑みを浮かべて開いた包みの中には、

そこにあるはずの赤のベルト風の装身具ではなく、

黒を基調としたベルトが顔をのぞかせていた。


…………。
えぇええええええ?!
~~~~~~~~~



……ということなんだ。
…………。
カノン

ここの魔巧師ギルドのやつらは

ポンコツだってフィリカに

報告しようぜ

まぁまぁ

うっ、

そういわれても仕方ないけど、

親方を悪く言わないであげて……

……商工会というくらいだ、

彼らがどのルートをとって

町を回っているか

わからないのか?

えっと……、

今回取引にきた商人さんは、

闘技大会に寄っていくって

言ってたみたいなんだけど

なんだよ!

それがわかってんなら

さっさと取りにいけば

よかったんじゃねーの?

そ、そうなんだけど!

大会が行われる

闘技場までの道のりは、

野盗が出やすくて……

あんたのように武力ももたず、

それを頼れる当てもないが……

大会に足を運びたがる人間を

狙っているということか。

……そういうことなんだ。
……なるほど。

それならあたしたちが

闘技場へ行って、

その商工会へ直接

魔巧具を取りに行くわ。


また魔巧具を作ってたら

時間がかかるだろうし……。

経緯を説明した

紹介状を書いてもらってもいい?

カノン……ごめんね、

また迷惑かけて……。

いいのよ。

むしろ、もう新たな魔巧具を

作ってくれていたんだもの。

完成するまでは

この街に滞在するって

踏んでたし……丁度いいくらいだわ。

……ありがとう。

待ってて、すぐに

紹介状を書くから!

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