ハロウィンナイトカフェ

中ほどのテーブル席4「いとしの彼氏殿」さと

エピソードの総文字数=1,783文字

「いとしの彼氏殿」さと

夜9時45分。
(来ない)
「会おう」と約束した彼氏殿が来ない。
トリック・オア・トリート!
外から歓声が聞こえる。パレードが終わった窓の外には、まだ沢山の人だかり。

(一緒に「パレード見ようね」って言ったのに)

(“いつも、私が、待たされた”……by神田川……)



テーブルに突っ伏す。



【在りし日の彼氏殿】

10月31日、休み取るから! もうゼッタイ休むから!

休日出勤とか金輪際しないからゼッタイ会おう!

(――って! 言ってたというのに! 言ってたというのに!!)


バンバンバン!と拳をテーブルに叩きつける。



(私が家を出る前にメッセしたら、)
オレももうすぐ家出る三┗(┓卍^o^)卍ドゥルルルル

(って返事来たのに)


(いざ、約束の昼1時に来てみたら全然来ないし、

「どうした?」ってメッセしても返事ないし、

3時過ぎて「一回だけ……一回だけ電話してみよう」と思って電話したら、)

『おかけになった電話番号は、電源が入っていないか、電波の届かない所に……』


――電池切れてんやん!



(だったし、、)


どうせ、昼から休日出動させられたのだろう。ジーザス。





夜9時56分。もうすぐ閉店。



(きっと……日付跨ぐ頃まで仕事終わんないんだろうな。可哀想に……)


正直、私もあいつも仕事でとにかく休みが合わない。



【在りし日の彼氏殿】

~~もうアレだわ! 三連休取るから! 温泉行こう! パァーッと癒されよう!



――とか言ってたけど、普通に流れた。





【在りし日の彼氏殿】

いやー三連休はムリだったわ。アレだ、弾丸でドライブ行こう! 海か!? 山か!?






【在りし日の私】

……スマン、今、拙者、繁忙期……。意識が、もう朦朧として……

――私が連日発熱したおかげでそれも流れた。

【在りし日の彼氏殿】

よし。オレのハンドパワーで今から買うサマージャンボ当てるから。

したらとりあえず今の仕事辞めようお互いに

――当たるワケなかった。

【在りし日の私】

~~のおぉ~~っ! これじゃ付き合ってんのか付き合ってないのか全然わかんないじゃんかコノヤロウ!

【在りし日の彼氏殿】

なにおう! 先立つものが無きゃ遊ぶこともできねーだろーよバッキャロウ!

【在りし日の私】

それはあれかーっ! 私の稼ぎが少ないとでも言うのかおんどりゃーっ!

【在りし日の彼氏殿】

なんばしょっとねーっ! オレの稼ぎこそ少ないとでも言うのかすっとこどっこい!

――ささくれだってケンカもした。
夜9時58分。店員が閉店の準備をしてる。
(……出よう)
パレードで一緒に被ろうと思ってた二個の魔女帽子(カフェに来る前に買った)が入った紙袋を持って、立ち上がる。


その時。

カランカラン!とイキオイよくドアチャイムが鳴る。

――……
――!!
彼氏殿が。息切らしながら入ってきて。
!!
私を見つけると、ダッ!と走ってきた。

――ゴメン! 本当にゴメン! 急に出勤しろって言われて、どうしても出なきゃなんなくて、

ケータイ全然さわれねーし、仕事終わって連絡しようと思ったら電池切れてやがるし、マジで悪かったって……

……つかお前、……ずっとここに居た?
……

(――ずっと居たよ。真っ昼間からずっと。

来るか来ないかわかんないけど、入れ違いになったらヤだから、

一人でパレードの音聞いてたよ)

――ぬおう!
おおう!?
持ってた紙袋でヤツの横っ腹を殴る。
バカ!バカ、バカ!
痛って、ちょ、痛て!
紙袋で殴り続ける。
……会えないと思った……
――泣くのはこらえた。
……ゴメン……
彼氏殿の胸元に額をとん、とぶつける。そしたら、抱きしめてくれた。
……好きだ、バカヤロー
……
……そんなの、オレだってお前が大好きだ、バカヤロー

   * * *

夜10時。喫茶「エブリシング」の閉店時間。

二人して魔女帽子を被って、手を繋いで夜の街を歩く。

サッパリ会えなくて、なんかもうグダグダになってたって、私はこの人と一緒に居たいんだ。

ただ、好きだから。









   * * *


(あとがき)

ハロウィンナイトカフェ企画、お邪魔致しました。

喫茶「エブリシング」の閉店時間は何時だろう……?と思いましたが、22時でねつ造しておりますm(__)m

あと、フォントや行間が変になった所は直せなかったのでそのままです。

31日まで沢山のお話が集まったら楽しかろうな(読んでる私が)と思っています。

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