黄昏のクレイドリア

9-2

エピソードの総文字数=884文字

<エルフの邸宅 応接間>
粗茶ですが
なっ………!!
この紅茶、味も香りも、
ぜんぜん薄くねぇ……!
本物だぜ……!!
ふふ、お気に召したなら
何よりですわ。
あれ、フィリカが
淹れたってことは、
パシュアはいないの?
はい、彼は今、
任務のために不在ですわ。
ふーん、
忙しいのね。
…………。
さて、
自己紹介と
いきましょうか。
テーブルに人数分の
紅茶と菓子を並び終えると、
3人が並んで座っている
ソファの対面に腰掛けた。

私は、フィラマリカ=デリアン=リーン。
表向きではシルクカンパニーを
経営しています。
(やべぇ、名前長すぎだろ……)
……そして、精霊のスクオーラの長ですわ。
どうぞお気軽に、フィリカと呼んでくださいな。
オッケー!俺はセシル。
よろしくな、フィリカ!
(愛称を聞いて安心したのね、
 わかるわよその気持ち……。)
イーリアスだ。
セシルと、吸血鬼さんの
イーリアスですね。
よろしくおねがいしますわ!
…………だから、
吸血鬼では――――
!!
イーリアスは急にソファから立ち上がると、
そのまま後方へ向かって宙へ跳び、
間もなくして、衝撃が広間の床を揺らした。
ぐアッ……!!
!?
カノンが慌てて
衝撃のあった後方へ振り返ると、
イーリアスが相手を組み伏せていた。

痛ってて……、
容赦がねぇこった……。
パシュア!
おいっ!!
紅茶が溢れかけたじゃねーか……
……って、誰だ?!
…………。
イーリアスが青年を開放すると、
青年は気だるげに、後ろ手に
固められていた腕を回す。
……随分と、血気盛んなのを
ツレてきたなァ…カノン……。
……大丈夫かい、お嬢?
戦力としては、
充分ではなくて?
おいおい……
それにしても……、
よくパシュアの襲撃に
気がつけましたわね!
彼、気配を消す事が、
得意中の得意ですのに。
確かに、気配は
消えていただろうが……、
魔力は隠せていなかっただろう。
それに……、少ない魔力…
だからこそか、一撃の為に
研ぎすませていた魔力だった。
警戒しないほうがどうかしている。
…………。
…………。
……?
突如閉口した両者の空気に、
イーリアスは疑問符を浮かべたが、
フィリカがおずおずと口を開いた。
吸血鬼さん…………
貴方、今、
何とおっしゃいましたの?

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