いかに主は導きたまうか。

13.2 Dragon Valley 因業の姫。

エピソードの総文字数=1,210文字

  先生方がつめる校舎の最上階には、また別の事務方があった。よくは分からなかったが、先生方のお世話のような仕事だったのではないか?...。数学関係の商品の受け渡しは、ここで行っていた。ここには一人の若い女性が常勤で働いていた。名前は憶えていない...。特段に見た目において、どうと言うことのない普通の人だった。ある時、初見の時であったと思うのだが、彼女とボクは一目でお互いを見切ったと思う瞬間があった。抗うことの出来ないマッチングというやつだ。自然は無茶なことを時々する。彼女は、この一瞬に値踏みを行い「あり得ない」「堪忍してよ」との判断をボクに対しては即座に下した。「速い!」。電光石火の判断だった。ボクはと言うと、彼女のことが好きでも嫌いでもないのに、ある種の思いに取り憑かれててしまう。なのに、頭の中のシュミレーションでは、【破綻】との結果がハッキリと在り在りと出てもいた。*これは結婚後しばらくしてからの結実との予測だった。

  若い先生方も何故か彼女に引き寄せられていたようだった。不自然に、じゃれつくというか、甘えたようなアプローチをいろんな先生がしているのを見た。これを、彼女は「うざいんじゃ〜 お前ら!」とばかりに、なんの気遣いもなく撥ね除けていた。情けの欠片(かけら)もないあしらいだった。彼女が、拗(こじ)れた、とても激しい感情の持ち主であることは見て取れた。素晴らしいタイトルをお持ちで、将来も期待されている先生方でさえ、この扱いならボクなどはゴミに等しい存在でしかなかったのであろう。

  「これは只の思い込み、妄想なのではなかろうか?」。ボクは自問を何度も繰り返してみた。それらにしては、頭への嵌りが強固であった。未だ何にも始まってもいないのに...。これを天命としてのマッチングと受入れていた。ボクは直接に彼女へのアクションは一切とらなかった。そう言うことでは無いのだ。問題は「彼女を救うことは出来ない」という事実をどうするかということだった。ボクは、来る日も来る日もこれで悩んでいた。ずーと、思いを抱えて、執念深く、あても全くないのに ”念” だけで解決を求め続けていた。あるとき、鞍馬での山歩きの最中、これが解けた。苦しみの一切が霧散する。あとに残されたのは「な〜んだ、彼女を幸せにしてあげればいいんだ」などとのよく分からない思いだけだった。なんのこっちゃ分からないのだが、ボクは、すっきりしていた。勿論、彼女へのアプローチは、始まりからと一緒で、この後も一切しなかった。


補記:
本エピソードは表すかどうか、大いに迷ったものです。本人が、よく分かっていないのだから。只の妄想話?かもしれない。でもボクの頭は全くの冷静だった。しかも、恋話とはとてもじゃないが言えたものではない...。でも、投げ出さなくてよかったと思う。「サナト・クマラ様」が、何とかして下さったのかも知れない。

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