黄昏のクレイドリア

4-2

エピソードの総文字数=664文字

えっと……、
ありがとね、助けてくれて。
まーまー、困ったときはお互い様って言うじゃん?

そんじゃ、オレはこれで――――
待った
痛でッッ!!
カノンは背を向けた少年の腕を すかさずつかむと、
少年の両腕を後ろ手にねじこんだ。

痛ってーな、何すんだよ!!
とぼけないで。
あんた、あたしの財布をスったでしょ。
はぁ?知らねーよそんなの、
お前が落としたんじゃねーの
あんたがあたしに助け舟を出すときには、
もう盗ってたはずよ。
現に自分の持ち物からは金銭がないと、
2.3度身体を揺らして示す。
硬貨がぶつかる心地よい音が無い代わりに、
装備している剣と鞘の音が鳴った。
…………ちぇっ。
ほらよ
言い逃れができないと判断した少年は、
自由にされた片腕で、ポケットから
革袋をカノンへ向かって山なりに投げた。

……確かに。
ついでに聞きたいんだけど、
今朝方に魔巧具ギルドのあたりで
魔巧具が盗まれたの…何か知らない?
あー、
あの警戒心の無い奴……
あっ
……その魔巧具は今何処に?
し、知らねーよ!
あの後すぐに 適当に露店の魔巧具屋にふっかけて……、
もうそいつも、さっき通りかかったら居なかったし!!
……そう。
へ?
残りの片腕も解放されて自由になった少年は、
痛みを和らげるように腕をまわした後、
不思議そうにカノンを見た。

…逃がしてくれんの?
あんたはまだ子供だから。
それとも何、捕まりたくてスリをしてたクチ?
ばっ……、
そんな奴いるわけねーだろ!!
それじゃ、あたしの目の届く所じゃ
その手癖の悪さは控えることね
……………………変なやつ
何を考えてるかわからないといった顔で、
そそくさと走っていった。

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