いかに主は導きたまうか。

5. Row Row Row your boat 川を下って。

エピソードの総文字数=674文字

 Chico には大きな自然公園があった。Bidwell Park という。合衆国でも最大規模の市営公園 だそうだ。指示されたパーキングスポットへ車で向かった。尚子さんのフィアンセはBrianと言った。ハンサムさんだった。歓迎の意を表してくれた。尚子さんからいろいろ聞いているのだろうから、ボクは少しばつが悪かった。ご招待に感謝します。ぐらいしか言葉を返せなかった。お友達も一緒で総勢五人のパーティーだった。
穏やかに流れる川が近くにあった。幅は十メートルもないと思う。大きな浮き輪に一人一人乗りみんなで下って行く。ボクは初めてだった。のんびりした良い遊びだ。時は初夏で日差しは既にきついが風は涼しく爽やかだった。しばらく行くとボクは自分が遅れだしていることに気づく。みんなはどんどん先に移動して行くのだがぼくは何か鈍重な加減でみなから段々と離れて行ってしまう。これは何故だかは分からなかった。水面下の流れが複雑な性なのか、意地の悪い力が働いていたのか。ただ浮いているだけの身としては打つ手がなかった。みんなだらんと浮き輪に四肢を投げ出して嵌まっているだけなのだが。川が蛇行していることもあり、みんなの姿が見えなくなるぐらいボク一人が遅れて行く。ボクは恥ずかしさと焦りを覚えたが、致し方なくただ流れに任せて流れていた。しばらくしてみんなが停止を行いボクを待っているのが見えてくる。上手く合流ができる。ありがとうは言っただろう。恥ずかしかった。今回の集いは、ボクを暖かく見守る人たちがいるよと、メッセージを伝えるべくして持たれたものなのだと理解した。

◆作者をワンクリックで応援!

0人が応援しました。

◆コメント欄は未記入でもOK! 公開されないのでお気軽に。

ページトップへ