マジカルミュージック

夏の終わりの音色

エピソードの総文字数=3,103文字

    あれからというものの、一樹と双葉が付き合い始めたみたいだ。ミミは、それに対して応援するなど三人仲良く過ごす日が増えてきた。

    歌音は、安心した。こんな日々が続けばいいのに……。


    ユーフォニアムソロと無伴奏ソロの件だが、双葉がやることになった。練習するにつれて、ソロにもメリハリが出てきている事に歌音は、気がついた。


    そして、遂に本番の日を迎えたのだ。

    夏の終わりの風が吹き抜ける仙台は、夏と秋の空気が漂っていた。

    このフェスティバルが終われば、夏が終わる。

    新しい季節を迎えることになる。

2017/07/05 13:33
    今日は、八月三十一日。

    明日からは、九月で文化祭に向けての練習が始まる。

    歌音は、この五ヶ月で色々な事件に巻き込まれてきた。そして、色々な人を助けてきた。半年もしないうちに何回も死にかけるってどういうこと?    まあ、今はそんな事どうでもいい。

    歌音は、本番用の衣装に身を包み、その時を待っていた。

2017/07/05 13:39
    指揮棒を持ち、緊張のあまり固まってしまっていた……。


    どうしよう……。

    今、演奏しているのが地方大会がダメ金だった竹下高等学校吹奏楽部。曲は「リトルマーメードメドレー」「Let's it go」……。

やっぱり地方大会ダメ金の演奏はうますぎる……。歌音は、自分の指揮をとれるのだろうか……。

2017/07/05 15:04
歌音、顔ひきつってるわよ……。こんなにほっぺた伸びるんだから♪
2017/07/05 15:08
いひゃい、いひゃい……!!(訳:痛い、痛い!!)    何ふんのよ!!(訳:何すんのよ!!)
2017/07/05 15:08
    ミミに頬っぺたをおもいっきり引っ張られる。痛い……痛すぎる!!
2017/07/05 15:10
ミミちゃん……やめてあげて。歌音さん、泣きそうな顔してる……
2017/07/05 15:10
もう……双葉がここまで言うから今回は許すけど……。次回緊張してたら、セクハラするから♪
2017/07/05 15:11
おい、立花。セクハラだけは許さないからな!!    立花って親父臭い……
2017/07/05 15:12
親父臭い……って言うな!!
2017/07/05 15:13
    いつも通りのハチャメチャな本番前の舞台裏……。緊張なんてどこかへ飛んでいっちゃった♪    普通に指揮を振ろう。

    歌音は、そう決意するのであった。

2017/07/05 15:13
    遂に、竹下高等学校吹奏楽部の演奏が終わる。

    歌音は、舞台から戻ってきた相川奏斗にいきなり話しかけられる。

2017/07/05 15:16
やぁ、鈴鹿歌音。久しぶりだなぁ。僕の指揮をたっぷり見てくれたかね
2017/07/05 15:17
そりゃまぁ……見えてるからね
2017/07/05 15:18
どうかね、虹色の音楽の感想は……
2017/07/05 15:18
凄いものを見させてもらったわ。一つも乱れのない演奏だったわ。でも、ミラージュ音楽学園高等学校も負けるわけにはいかないわ。私は、虹色の音楽じゃなくてカラフルで動きのある音楽を目指しているの。あなたの更に上の音を求めるわ
2017/07/05 15:18
あはは!!    面白い、僕のライバルとして鈴鹿歌音の指揮をたっぷり見てやるよ!!    それじゃあ、また会おう。
2017/07/05 15:21
    奏斗は、竹下高等学校吹奏楽部のメンバーの中に戻っていった。

    彼の中から少しどす黒い感情が芽生え始めていたとかこの時、本当に知らない。

    歌音は、みんなが待つ舞台に出ていった。

2017/07/05 15:22
    凄い……このお客さんの数……。

    歌音たち……ミラージュ音楽学園高等学校がやる曲は、二〇一五年吹奏楽コンクール課題曲四より「プロバンスの風」「君の名は。」コレクション。何故、課題曲にしたのか?    スパニッシュ系の音楽にしたのかは、この話の中で説明しよう。だから、少し待ってもらおう。

2017/07/05 15:23
    歌音は……指揮棒を忘れた。仕方がない。両手で指揮をしよう。

    歌音は、両手を構えると、メンバーは少し焦るが、楽器を構える。

    よし、始めよう。歌音たちの音楽を……。

    手だけで指揮をするのは初めてだ。ここは、何とか……。

2017/07/05 15:26
    「プロバンスの風」が始まった。

    金管・サックスのメロディーとクラリネット・フルート・オーボエの連符のかけあいで曲は、盛り上がりを見せる。

    クラリネット・サックスのメロディーとフルート・オーボエの連符が彩りをつける。

    途中から金管隊が入り、曲を盛り上げていく。

    金管低音隊が、重厚なメロディーを奏であげる。クラリネット・フルート等が彩りを更に加えてくれる。

    いつしか、曲は中間少し前までくる。金管隊がメロディーをフルートやクラリネットが奏であげ、曲は中間部に入りテナーサックスやユーフォニアムのメロディーに変わる。途中から色々な楽器がトッティーで吹き上げる。

    明里の奏でるピッコロソロは、メロディーの上を踊る踊り子のように跳ねている。

いい感じだ。

    最終近くなってき、トランペットや金管のファンファーレが鳴り響く。

    シロフォンがピッコロソロと同じフレーズをきらびやかに奏であげ、曲は再びファンファーレを吹き上げ、終演を迎えた。

2017/07/05 15:29
    休憩もなしで、打楽器の配置変更やパート間のメンバーの配置も少しずつ変わる。

    「君の名は。」コレクション。

    新海誠監督の有名な映画「君の名は。」その主題歌四曲を作り上げ「RADWIMPS」というバンドの楽曲のコレクション。

    歌音は……再び手で指揮をとることにした。

    一番困っていた「夢灯籠」から始まる。圭が奏であげる甘いトランペットソロ……。全員がトゥッティーで入り、すぐに双葉が奏でるユーフォニアムソロにうつる。とても濃厚でキャラメルのように甘いユーフォニアムソロが響き渡る。凄い……ここまで成長したんだ。フルートのミミの音も安定しており、なかなかの出来だ。

    そのままのアップテンポのまま曲は「前前前世」にうつる。アップテンポの楽曲で金管の中低音がメロディーを吹き上げる。そのあと、木管隊や金管隊などがメロディーを交代で吹き上げる。

    一旦、曲が途切れ、「スパークル」のピアノの代用したフルートのミミのソロが始まる。

    ピアノのように跳ねるようにソロを奏であげるミミは、天使のように飛び立ちそうな音色を奏であげた。

    曲は盛り上がりを見せ、再び落ち着きを取り戻す。「なんでもないや」のユーフォニアム無伴奏ソロが始まる。とても落ち着きのある双葉のソロは、自分から助けを求めるのではなく、自分で動き出しそうな音色で奏であげる。

    高い塔から降り、旅装束の少年とお嬢様に駆け寄るお姫様がいた。

    これでフィナーレだ!!    最後の一音に魂をこめ、歌音たちの演奏は本当の終演を迎えたのであった。

2017/07/05 15:43
    指揮棒を忘れるトラブルもあったけど何とか乗り切る事ができた。

    終わったあと、双葉とミミが抱き合っているのが見えた。良かった……これで事件は解決だ……。

    そういえば、ミミを操っていた犯人は誰なんだろうか……。


    再び歌音の元に奏斗がやって来た。

2017/07/05 15:56
やぁ、鈴鹿歌音。なかなかのものを見せてもらったぞ
2017/07/05 16:00
奏斗くんには劣るわ。まだまだこれからよ。私は、必ず竹下高等学校吹奏楽部と同じ舞台に立つわ。そして、更に上を目指すわ
2017/07/05 19:52
これは、僕にとって良きライバルだ。また会おう、鈴鹿歌音。次は、合同演奏会の舞台で……
2017/07/05 19:53
    奏斗が去っていく。

    歌音も皆のところに戻り、楽器を梱包し、トラックに楽器を積み込んでいく。


    そういえば、合同演奏会……って言っていたけど……。何の事なんだろうか?

    今は、先の事を考えるのはやめておこう。どうせ、ろくなことない。

    歌音たちは、夏の終わりの夕暮れの町を見つめるのであった。

    今日で夏が終わる……。季節は加速するように進む……。

2017/07/05 19:54

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