【ユーザー参加企画★リレー小説】イブに初デートしたらヤバい世界に飛ばされた件

【タイト02】ヤドナシ

エピソードの総文字数=2,336文字

2017/12/02 18:23

yomogi

うっ、浮いてる!?
2017/12/02 18:25
浮いてるとも。
2017/12/02 18:34
きっ、君は何?
2017/12/02 18:34
何だと思う?
2017/12/02 18:36
よっ……妖精?
2017/12/02 18:37
そのとおり。
2017/12/02 18:39
……ぼく、頭おかしくなったかな。
2017/12/02 18:40
大丈夫、頭おかしい人嫌いじゃないよ。
2017/12/02 18:41
……そこは「落ち着いて」とか「信じて」とか言うところじゃない?
2017/12/02 18:42
落ち着いてるよりテンパってる方が面白い。
2017/12/02 18:45
…………えっ?
2017/12/02 18:45
うん、その戸惑ってる感じがいい。
2017/12/02 18:47
……これ夢だよね?
2017/12/02 18:48
ほっぺたツネッてあげようか?
2017/12/02 18:50
……ううん、いい。
2017/12/02 18:51
 空から降ってきた柔らかくて冷たいものが、またぼくの鼻に触れる。ヒヤッとした感触が鼻にも耳にも……ほっぺたをツネらなくても分かる。これは夢じゃない。
2017/12/02 18:52

yomogi

……ここはどこ?
2017/12/02 18:55
どこだと思う?
2017/12/02 18:56
さっきまで湘デパのコンコースにいたんだけど……。
2017/12/02 18:57
ここも湘デパだよ。
2017/12/02 18:58
……湘デパって、あんなスケルトンだったっけ?
2017/12/02 18:58
あんなスケルトンだったよ。
2017/12/02 18:59
マジで?
2017/12/02 18:59
マジで。
2017/12/02 19:01
……ユウアは……どこ?
2017/12/02 19:03
ユウアって?
2017/12/02 19:05
ぼくと一緒にいた女の子。
2017/12/02 19:06
女の子? かわいい子?
2017/12/02 19:07
……うん。
2017/12/02 19:11
おっ……照れた?
2017/12/02 19:11
……見たの? 見てないの?
2017/12/02 19:19
女の子なら見たよ。
2017/12/02 19:20
えっ! いつ?
2017/12/02 19:23
ついさっき、君がボクに気づく少し前。
2017/12/02 19:25
どこに行ったの?
2017/12/02 19:28
あっち。
2017/12/02 19:29
 妖精が指差したのは、まさに今話していたスケルトンな湘デパの中だった。
2017/12/02 19:31

yomogi

あの中にいたの?
2017/12/02 19:33
うん、あの光の奥に入ってった。
2017/12/02 19:34
 妖精が言うように、湘デパの奥には穏やかな光の塊が見える。そこから小さな光の粒がほわわわ、ほわわわと空に昇っていた。建物の壁とか屋根とかは関係なくすりぬけていくみたい。あの光の粒は何なんだろう?
2017/12/02 19:34

yomogi

その子を探してるの?
2017/12/02 19:38
うん……君が見た子、ダッフル着てた?
2017/12/02 19:40
服は着てたよ。
2017/12/02 19:40
うん……着てなきゃやばいでしょ。
2017/12/02 19:41
着てないところ想像した?
2017/12/02 19:43
それはいいから……ぼくの探してる子かどうか知りたいんだ。
2017/12/02 19:45
好きなの?
2017/12/02 19:45
えっ……。
2017/12/02 19:46
好きだから探してるの?
2017/12/02 19:47
…………まあ。
2017/12/02 19:48
わぉ……いいね。青春だね。
2017/12/02 19:48
 なんで正直に答えてしまったんだろう……顔が真っ赤に燃えるのを感じながら、もう一度ぼくは妖精に聞く。
2017/12/02 19:49

yomogi

その子、ダッフル着てた?
2017/12/02 19:49
着てたよ。
2017/12/02 19:53
えっ! ほんと?
2017/12/02 19:57
うん、モコモコしてるやつでしょ。
2017/12/02 19:59
おっ、追いかけなきゃ!
2017/12/02 20:00
 ぼくは慌てて湘デパに向かって走りだす。思ったより雪は深くて何度も足を取られそうになった。
2017/12/02 20:02

yomogi

湘デパの中に入るの?
2017/12/02 20:08
そうだよ!
2017/12/02 20:24
君、入れるの?
2017/12/02 20:25
えっ……?
2017/12/02 20:26
 スケルトンな湘デパの前まで来てぼくは気がついた。この建物……入り口がない。本来自動ドアがあるべきはずのところにドアはなく、透明な壁でふさがっている。どこにも扉的なものがない。
2017/12/02 20:29

yomogi

えっ……えっ……どういうこと?
2017/12/02 20:30
入り方、やっぱり知らないみたいだね。
2017/12/02 20:30
君は知ってるの?
2017/12/02 20:31
そりゃ妖精だから。
2017/12/02 20:32
妖精なら入れるの? 
2017/12/02 20:33
人間でも入れるよ、入り方さえ分かれば。
2017/12/02 20:33
おっ、教えて!
2017/12/02 20:35
いいよ。でもボクにも教えて?
2017/12/02 20:37
えっ……何を?
2017/12/02 20:38
どんな願い事をしたのか。
2017/12/02 20:41
願い事?
2017/12/02 20:45
ここに来る前、ツリーの前で願い事したでしょ?
2017/12/02 20:45
ツリーの前……ユウアと指輪を置いたときのこと?
2017/12/02 20:46
そうそう、何か願ったでしょ?
2017/12/02 20:46
……なんで知りたいの?
2017/12/02 20:48
そりゃ妖精だから。
2017/12/02 20:48
さっきから妖精って……君って何なの?
2017/12/02 20:49
願いを叶える生き物だよ。
2017/12/02 20:49
願いを叶える?
2017/12/02 20:50
そう、ボクは君の願いを叶えなきゃ。
2017/12/02 20:50
何で?
2017/12/02 20:51
神様にそう決められたから。
2017/12/02 21:05
神様?
2017/12/13 00:42
そう、ツリーの下でお願いされたことを叶えなさいって。
2017/12/13 00:45
叶えないとどうなるの?
2017/12/13 00:46
仕事しろって怒られる。
2017/12/13 00:46
そうなんだ……。
2017/12/13 00:46
だから教えて、どんな願い事したの?
2017/12/13 00:46
……妖精なんだから分かるんじゃないの?
2017/12/13 00:47
ちょうど寝てたから聞こえなかった。
2017/12/13 00:47
寝てたの……。
2017/12/13 00:47
うん、だから教えて。そしたらボクも入り方教える。
2017/12/13 00:47
っ……一緒に……。
2017/12/13 00:48
えっ? なんて?
2017/12/13 00:48
……………ユウアと一緒にずっといられますようにって……
2017/12/13 00:48
さっそく離れちゃってるね。
2017/12/13 00:49
だから早く入り方教えて!
2017/12/13 00:49
いいよ、こうやるの。
2017/12/13 00:49
 妖精は壁に自分の手をつけるとそのままグッと押し込んでするりと中に入っていった。
2017/12/13 00:49

yomogi

えっ……突き抜けた?
2017/12/13 00:50
そうだよ。早くやってみたら?
2017/12/13 00:50
 妖精に促されて、ぼくも恐る恐る壁に手を当てる。ガラスみたいに硬い見た目をしてるのに、湘デパの壁は触るとグニョンっと柔らかくなって、そのまま体重をグッと乗せると普通に中へ突き抜けてしまった。
2017/12/13 00:50

yomogi

……うそ。
2017/12/13 00:51
ねっ? 入れたでしょ。
2017/12/13 00:51
うん……。
2017/12/13 00:51
ボクが見た子はあっち行ったよ。
2017/12/13 00:52
 妖精はさらに奥の、あの光の塊の方を指す。
2017/12/13 00:52

yomogi

ええと……あの光の塊とか……あそこから出てる光の粒とか……あれって何?
2017/12/13 00:52
妖精の卵だよ。
2017/12/13 00:52
えっ、妖精の卵?
2017/12/13 00:53
そう、あそこから生まれて宇宙まで昇っていく。
2017/12/13 00:53
宇宙まで?
2017/12/13 00:53
その後どっかの世界に落ちて、そこで神様に言われた人の願い叶えるんだ。
2017/12/13 00:54
じゃあ君も……あの粒から生まれたの?
2017/12/13 00:54
そうだよ。ぼくは宇宙まで行くのが面倒くさかったから、すぐここに落ちたけど。
2017/12/13 00:54
卵のときから何て自由な……。
2017/12/13 00:54
「他の世界まで行くの面倒です」って神様に行ったら、じゃあここに来た人間の願いを叶えろって。
2017/12/13 00:55
 神様……もうちょっとしっかりした妖精に叶えて欲しかったです。ぼくは光の塊に向かって進みながらため息をついた。ほわわわ、ほわわわと昇っていく光の粒……外の雪は空から降ってきて触れると冷たいけど、こっちは触れるとなんだかあったかい。
2017/12/13 00:56

yomogi

いた……あの光の影。
2017/12/13 00:57
 光が眩しくて目を細めていたぼくは、慌てて妖精の教えた方へ駆け寄った。
2017/12/13 00:57

yomogi

ユウア!
2017/12/13 00:58
えっ……誰?
2017/12/13 00:59
 振り向いた彼女は、確かにユウアとそっくりだったけど違う人だった。何ですぐ分かったかって、彼女にはついてるはずのないものがついていたから……。
2017/12/13 00:59

yomogi

ねっ……猫耳?
2017/12/13 01:00
なによ……急に人の名前呼んで? どっかで会ったっけ?
2017/12/13 01:00
 ユウアよりもちょっとツンツンした感じの女の子が、ふさふさの柔らかそうな耳をピクピクさせながら、ぼくを不思議そうに睨む。いったい何がどうなってるんだろう……?
2017/12/13 01:00

yomogi

【タイト02】終わり
2017/12/13 01:04

yomogi

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