黄昏のクレイドリア

14-1

エピソードの総文字数=809文字

…………。
目的の小屋と思しき扉の前に立ち、
カノンは小さく息を吐く。

扉をノックし、応えが返るのを
雨をうけながらじっと待ったが、
小屋の中から何かが動くような気配はない。
~~~~ッ、
早く出ろと言わんばかりに
ドアをノックし続けていると、
ばたばたと小屋の中から走ってくる
音と、青年の声が聞こえてきた。
はいはい、ただいま!

こんな雨の中
遭難者ですか――――
…………。
扉がゆっくり開かれ、
小屋の主と思しき青年が
カノンを覗き見る。
予想外の来客だったのか、
暫しの間沈黙が流れた。
あ……
……女の子?
あの、
フォレストキーパーの方ですか?!
仲間が毒で倒れてしまって……
うん、一先ず落ちつこうか。
こんな雨だし、とりあえず中にどうぞ。
温かいお茶なら出せるだろうから。
…………。
休んでる暇も惜しい心境だったが、
カノンの体力も消耗していることは
明らかであった。
青年の言葉に従った方が、結果的に
早く解決策を提示してもらえると考え、
カノンは小屋に上がることにした。
それじゃあ、この椅子に
腰掛けて待ってもらえるかな。
ありがとうございます。
カノンは暖炉の前に置かれた
木製の座椅子に腰掛けると、
燃え盛る炎によって、
じんわりと身体が温まっていくのを感じた。
程なくして、木製のコップを持って
青年が戻ってきた。

粗茶ですが。
どうも
ありがとうございます。
あぁ、いいよそんな
畏まらなくて!
俺はディーン。君は?
それならお言葉に甘えて……
カノンよ。
よろしくディーン。
よろしくカノン。
……それで、どうやら君は
のっぴきならない事態に在るらしい。
事情を話してもらえるかな。
実は…………


~~~~~~~~~~~~


……なるほど、
その症状なら、
森で自生しやすい
麻痺毒をもつ茸の毒と同じ症状だろう。
解毒薬なら小屋にある。
すぐ現場に持って行って
此方で看病しようか。
よかった……!
ありがとう、ディーン。
お礼は、無事にお仲間を
ここまで運んできてからでいいさ。
それじゃあ、寂静の遺跡まで急ごうか。
えぇ!

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