蒼海のガンマディオラ

プロローグ 嵐の中のクラーケン

エピソードの総文字数=471文字

 大洋が荒れ狂っている。

 暴風と雷鳴、巻き上がる高波。

 その中に、今にも転覆しそうな一隻の小舟があった。

来たな……。

 小舟に乗る少年――ラオの正面で海水が噴き上がる。

 頭を出したのは、赤色の表皮を持った巨大な蛸だった。

クラーケン……!

お前が姉さんを……!

 ラオは左手でロープを掴んで体勢を維持する。

 反対の手はクラーケンに向けた。

 手のひらが紫色の光を帯び、やがて炎へと変化する。

(俺はこいつを倒す!

 この〈紫焔(ブレープル)〉はそのために鍛えてきたんだ!)

食らええええええええ――――ッ!!

 ラオの右手から紫炎が放たれた。

 熱線はクラーケンの頭部を直撃したが、接触した瞬間から消滅していく。

なっ……!?

全然効かないだって……!?

 クラーケンの八本の腕――触腕がうごめく。

 そのうち一本が下から襲ってきた。

 打ち上げられ、ラオはボートごと宙へ舞い上がる。

 反撃する間もなかった。

 別の触腕がラオの左側から飛んできた。

 ――すさまじい衝撃。

うわあああああああああ――――ッ!!
 触腕の一撃を浴びたラオは、遙か彼方まで飛ばされ、海中に没した……。

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