黄昏のクレイドリア

8-4

エピソードの総文字数=929文字

すぅー……
 すぅー……
セシル起きて!
敵襲よ――――
ガァッ!!
くっ、
飛び掛ってきた狼を
一太刀の下に切り伏せ、
カノンはイーリアスへ視線を移した。
――――、
(すごい、アレだけの
大きさの鎌を自在に操ってる……。)
(……気配にも鋭いのに、
 なんでイーリアスは
 あの魔術師に捕まっ――――)
あぶなっ!
!!
イーリアスの一連の動作が
終わる一瞬の隙へ踊りかかった
狼の頭部を突くと、
カノンは地へ叩きつけてから
勢いよく剣を引き抜いた。
助かった
どういたしまして
未だ起きる気配の無いセシルを
囲むように陣形を取る。
カノンは狼を見据え、切っ先の向こうへ
集中を尖らせ続けていた。
グルルル…………。
同胞が数体やられても尚、
獣達の眼は火の光を受けて、
闇の中で煌煌と光らせていた。
キリがないわね……
そんなに食べ物と
ご無沙汰だったのかしら。
(一気に決めたいところだけど……)
リバウンドか。
!!
塔の天辺から落下し、
それを緩和させるだけの風の魔術だ。
新月で行使して、何の不調も
起きないはずがない。
…その通りだけど、
あんただって大して魔力が
残ってないんじゃないの。
そうでもないぞ
次で決める。伏せていろ
ッ――――!!
!?
姿勢を低くすると、
戦闘で火照っていたにも関わらず、
突然、寒気がカノンの身体へ走る。
異変に気がついたときには、
狼達へ闇が纏わりつき、自由を奪っていた。
ハァッ!!
イーリアスは構えていた鎌を
真一文字に閃かせると、
動きの取れない狼たちは、
たちまちその首を刈り取られていた。
片付いたぞ。
……敵に回したくないわね
ひゅーっ、お見事!
いやー、やっぱ
おっかねーなぁ魔術って!
眠っていたと思われていた少年は、
にやにやしながら片肘を立てて
悠々と横臥していた。
セシル!あんた、
起きてたなら手伝いなさいよ……。
いやいや、別に
オレの出る幕なかったし、
黙って見てれば
なんか大技が見れるかと思ってさ!
はぁ……まったく、
調子がいいんだから
まーまー、食糧も
手に入ったんだし、
解体は任せとけって!
……それなら、
お言葉に甘えるとするか。
…………。
……あんたは
少し寝たらどうだ
えっ、いいの?
元々そのつもりで声をかけた。
支度ができるまで、
疲労を回復した方がいい。
……わかった。
そういうことなら、
あたしもお言葉に甘えますかね。

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