年上彼氏の多島くんと、私の思い出の喫茶店

2 いざ思い出への旅

エピソードの総文字数=448文字

 翌日の昼、二人は駅前で待ち合わせると、ファミレスで軽く昼食をとって、目的の店に出発した。

 広い国道を渡り、橋を二本渡り、坂を登って降りて、踏切を渡り、植物園の脇を通り、またそこからしばらく歩いて……その場所はあった。
はー、やっと着いたー! ここだよ、多島さん!
 右手を大きく開いて店先を指す由希乃。
えっと……。もしかして、今日は定休日?
へ? ……あああああああああああああ!
 由希乃は閉まったシャッターを指差して悲鳴をあげた。
残念だったね。また今度来ようよ
うう……ごめんなさい。久しぶりだから、ネットで調べれば良かった……
 騒ぐ二人に気付いたのか、お隣の花屋の店員さんが店の中から出て来た。
 三十ぐらい、エプロン姿の女性が由希乃たちに声をかけた。
あの、お隣の喫茶店に御用かしら?
はい……
 由希乃はぐったりしたまま返事をした。
 彼女のかわりに多島くんが店員さんに訊ねた。
こちらのお店、今日は定休日ですか?
いいえ……去年ご主人が亡くなって、閉店されたんですよ
うそお……もう入れないの? うう~~~~

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