ソラミミ×DIAMOND

わたしは夢の空で象を産む

エピソードの総文字数=686文字

 わたしは、宝石探しに来ている。
 随分、久しぶりに来た感じ。
 ここ最近は、パレード潰しの印象しかない。いいや、今はそのことは考えないでいよう。
 わたしだけの、わたしの夢の空。
 ここは空がとても深い。
 空と大地の境界が曖昧だけどここはずっと、ずっと深い空が広がっているみたいで、わたしはそこを気持ちよく泳ぐように飛ぶ、飛ぶように泳ぐ。ここは空で、ここは大きな水のなかで。今は、わたしひとりなんだってことがとても、心軽やかにさせる。
 それからしばらく、目を閉じて流れていた。
 どこかに、辿り着いたな。目を開くと、幾許か空気が澱み、ほんの少しだけど空の色も暗く濁ったように変わっている。
 この空は……空の領主の空域か。
 この辺には、幾つも空の領主の城がある。
 でもそういえば、やけに何も飛来してもこないな。領主が城から出てくることはないが、それぞれの領地を示すために遣いとか鳥とか色んなものを飛ばしてきたはずだけど。 
 わたしから空の領主に会いに行ってみる?
 時が経って、この辺の情勢も変わったのだろうか。
 あのときはまだ子どもだったし、何かにつけてこの空を飛ぶわたしが目障りだったのかも。虫のようにでも見えていたのかもしれない。
 それに比べて今のわたしはもう、少しだけ……大人だ。
 わたしは、今自分が学園にいるときよりももう少し大人じみた身体をしているという思いに駆られ、自身の身体をまじまじと見る。着ているのは学生服じゃなく、パジャマでもなく、薄い白いローブのようなもの。少し、透けて見える。少し恥ずかしくなる。
 ……いいさ。そんなこと、気にしている場合じゃない。

 行こう。

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