いつかのLip service

幕間:うさぎちゃんは尾行がお好き②

エピソードの総文字数=889文字

地味だった男が、いきなりイケメンになった。


その事実にうさぎは困惑していた。

原因は薄々と分かる。

うざきがお兄ちゃんと呼んで、心の中だけで慕っている人物。


あの男は、みずきを好きになって、好かれたくて、地味だった自分を変えようと努力したのかもしれない。

かつての自分と同じように、外見から変える努力をした。

好きなんだ、ライバルだ、恋敵。直感的に、そう思った。

ターゲットに接触してはいけない


これは探偵とかが守っている潜入、張り込みにおける鉄則だ。

うさぎは、探偵ではないが、尾行をする時に、このルールを守っていた。

尾行を続けて2週間だったけど、気づかれていない自信があった。

だが、対象がこちらを見ていることに気づいた時、冷や汗が出た。

(うそ……!! あの男、うさぎのことじーっと見てる!?)
じー……
(バレちゃったの!? ってか、基本情報はもう掴んだのに、うさぎはなんでまだこいつの尾行を続けてるのかしら。早くやめるべきだったわ)
つかつかつか


榊は、電柱の陰に居るうさぎに向かって歩いていった。

(って、うそーーーーーーーこっち向かってくるし!?!?)
あの、お名前を教えて頂けませんか
名前!? た、たくみだけど
なるほど、たくみさんですか、ありがとうございます
い、いえ……
(って、いきなりすぎて本名答えちゃったしーーーーーー!!!!)
本名、宇佐美(うさみ) (たくみ)。この名前を教えると男っぽい名前であると言われる場合が多いが、れっきとした男である。苗字がうさぎみたいだから、うさぎと名乗っている。


榊は、それだけを聞いて何事もなかったかのようにいつもの生活に戻った。

なんでうさぎの名前なんて聞いたのかしら……変な男……って、まさか宣戦布告!? それか、ストーカー被害として訴えようとしてる!?


うさぎも早くお兄ちゃんに接触しないと!変な男の登場で見張ってたら完全に出遅れたーーーーーっ!!

うん、大丈夫。いける子よ、うさぎ! うさぎはかわいい! ファイト!
そう言って頑張るぞい!で有名なあのキャラクターのように、鼓舞するポーズを作る。

思わぬライバルの登場に、やる気が漲り、燃えるタイプの男であった。

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