魔界の姫と二匹の黒猫の物語

第十五話 嫌いになった?

エピソードの総文字数=1,056文字

ねえ、アシュタロト、ベリアル……今日は一緒に寝てもいい……?
あらあら、姫様ったら子どもみたいに。いいですよ、枕代わりになって差し上げます。
ミカン箱の方がベッドより何倍も快適ですが、お嬢の頼みとあれば仕方ありませぬな。
……ありがとう、二人とも。
こうしていると、姫様の小さい頃のことを思い出しますね。
ああ、オネショがなかなか治らなくて手を焼きましたな。
う、嘘つかないでよ! オネショなんてしたことないわよ!
アシュタロトなんて、オネショ対策にカッパを寝間着にしていたくらいですぞ。
ちょっと、それ本当、アシュタロト!?
ち、違います、姫様! カッパといっても普段着にも使えるようなもので…。
やっぱりカッパじゃん!
……。
アシュタロト、ベリアル……今日は、ごめんなさい。あたし、二人に八つ当たりしてた。自分が間違ってたって認めるのが嫌だから、あんた達のせいにして……。
姫様……。
……。
あたしのこと……嫌いになった……?
何を仰るのですか、姫様! 私達が姫様のことを嫌いになんてなるわけがありません!
フン。バカバカしくて論ずるに値しませんな。
ねえ、二人は……あたしのこと嫌いにならないでいてくれる? ずっと一緒にいてくれる?
もちろんです、姫様。
お嬢の命令とあれば、聞かざるを得ませんからな。
よかったぁ! 約束だからね。やぶったら、承知……しな……。
スピー……。
やれやれ、お嬢もまだまだ子どもだな。
そうね、でも変わろうとしてる……。
ねえ、ベリアル。あの壺のこと、覚えてる?
フン……奇遇だな。お主も同じことを考えていたとは。
不思議ね……なんでかしら。
さてな。……なあ、アシュタロトよ。
ん?
……いや。我らも明日に備えて寝るとしよう。
そうね。おやすみなさい、ベリアル。
二人とも、遅いわよ!! とっとと起きなさい!!
んん……姫様……まだ寝かせて下さい……。
昨日あまり寝られなくて……。
やれやれ、お嬢の寝相のひどさをすっかり忘れておった……。
何言ってんのよ! これから朝練を始めるんだから、さあ起きた起きた!!
朝練……!?
お嬢、一体何を……。
あのヴィンドルフってやつをギャフンと言わせてやるための訓練よ。
おじいに薪を分けてもらったから、これを頭で割って鍛えるってわけ。いい考えでしょ?
薪を……頭で……。
元気になったのはいいこととはいえ……。
おお、さっそく朝から精が出るのう。そうそう、お主に届け物のようじゃぞ。
届け物……? あたしに?
玄関を開けてみるといい。
……!!
イチゴと……。
牛乳……!!
……不器用な連中なんじゃよ。色々と慣れとらんでな。

◆作者をワンクリックで応援!

0人が応援しました。

◆コメント欄は未記入でもOK! 公開されないのでお気軽に。

ページトップへ