黄昏のクレイドリア

16-3

エピソードの総文字数=837文字

(なんで…………)
(なんであの女、無抵抗で
 フランツにーちゃんに連れられたんだ……
 それに……)
(……にーちゃん。


 なんでにーちゃんは

 そんな風になっちゃったんだよ……!)

ーーーーーーーーー
痛っ!
そこで大人しくしていろ。

せいぜい仲間同士で恐怖に震えて時を待て。

……今日が満月で命拾いしたな。

首から下げたペンダントを弄りながら、

フランツは早々に階段を上がっていった。
いっつつ……、
まったく勘違いとはいえ、
ずいぶんと手荒い扱いしてくれるじゃない
さてと……
(……たぶん、そこ!)
埃を払いながら、闇の中で集中する。
目が慣れるよりも早く、
床で横たわる気配を感じ取ったカノンは、
そちらへ歩み寄り、手を伸ばした。
!!
わわっ?!
……カノン、か?
そ、そうよ。

そこまで驚かなくても……

(……いや、そんなに遺跡の

 一撃が痛かったか、悪いことしたわね……。)


 えーと、

遺跡で殴ったのは……ごめんなさい。

でも、その代わりちゃんと

解毒をしてくれる助けを連れてきたわ。

………………。
セシルとはもう合流できたの。
でも、あの子はさらに毒を盛られてて……
イーリアスは大丈夫だった――――
来るな!!
え?
俺は問題ない。
だから……俺に構うな。
いや、構うなって……

あんた、すごい汗かいてるように見えるわ。

何か変なもの飲まされたんじゃ……。

…………。
……お前に殴られてから、
ずっと気分が悪いんだ。
放っておいてくれ。
…………。
そう言われては、ぐうの音もでない。
カノンはイーリアスから
少し離れたところで腰かけた。
(……怒らせた、か。


 今回はあたしが悪い……。

 すぐに手が出るのは あたしの短所、

 反省しよう……。)

(……………………、)
(でも……本当に、

 殴ったことを 根に持ってるだけ?)

疑念が頭を過り、

その考えは大きくなっていく。

(……何か、隠してる気がする……。)

魔巧具が破壊され、

呪いを気にしていたことも気がかりだ。


意識をできるだけ逸らさないように、

状況を打破する為に思考を巡らせ始めた。

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