【ユーザー参加企画★リレー小説】イブに初デートしたらヤバい世界に飛ばされた件

【フェン02】米洗ミノル

エピソードの総文字数=1,449文字

【フェン01】たけうちりうとの続き・米洗ミノル


2017/12/02 12:52

riceshower_306

白いフェレットは、わたしから離れて男の子の腕に絡みついた。


にゅーん、にゅーんと伸びて……

伸びて、の、伸び……

え? 伸びすぎじゃない??

フェレットは伸びに伸びて、男の子の左腕にぐるぐると巻きついていく。背中のほうへと回って――右肩からちょこんと顔を出した。

「きゅう!」

まるで白蛇。胴体は1メートルをゆうに越えている……。

「な、なに、その子……?」

「なにって――」


「君と同じさ、こいつは僕の【ペルトガ】。君ほど有能じゃないけどね」

「は、はい?」

「だから、生体端末。モバイル式の。フェレット型の」

「せいたい……うん? 生きてるの? 機械なの?」

「生きてる、機械だけど……」

当たり前じゃないか、というように首をかしげる、ぽやんとした雰囲気の男の子。


それでもどうやらわたしのことを怪訝に思っているようで。

ま、まあ、こんな格好だから仕方がないけども。

「――あの、わたしと同じって」

「……君も【ペルトガ】だよね。しゃべれるし思考できる最新式の――そこまでの変身が出来るだなんて、初めて見たけど」

「…………」

どうやらわたしの「変身!」も目撃されていたらしい。


指輪から人間への変身――しかもサンタのビキニ――を見ても騒がない彼はどうやら、わたしをその【ペルトガ】とやらだと思い込んでいるようだ。


もちろんわたしは、そんな生体端末だとかコンピューターだとかではない。正真正銘、れっきとした指輪だ。ただし、ほんのすこしだけ不思議な指輪であることは間違いないけれど。

どうしよう……。


このまま彼に話を合わせておくべきだろうか。彼はわたしのことを怪訝には思っていても、危害を加えてきそうな様子はないし……。

うん。そうしよう。話を合わせておこう。わたしは【ペルトガ】。生体端末。人型の――ってことで。

実のところ――

わたしには、そうするしかない理由があった。


なぜだか、『変身』ができないのだ。さっきから試しているのに、変身できない。指輪にも戻れないし、他の姿にもなれなかった。


こんなことは初めてだ。オオカミに変身するつもりが人間になっちゃって、しかもサンタビキニで。

これは非常にまずい。このどこだかわからない街で、ひとりで、はぐれたギンを探さなきゃいけない。


……ついでに言うと、時代もわからない。

生体端末だとか言っているけれど、向こうに見える町並みには石造りの建物が並んでいるし、ここは森の近くの、舗装もされていない小道だし。


今は『いつ』なんだろうか――過去? 未来? それとも??

となると、まずは状況を把握することが第一だ。彼から話を聞いて、今の状況を確認することから始めよう。それからどうやってギンと合流するかを考える。


……ギン、オオカミに食べられてないといいけど――。

「…………」

「な、なに?」

気づくと、彼の視線がわたしに注がれていた。

……ビキニ姿のわたしに。


うーん、ぽやぽやしてるけど、思春期なのね。

このオオカミめ。

わたしが両腕で胸をかばうと……彼が、ぽつりと言った。

「――寒くない?」

「さ、寒いです……」

2017/12/02 13:07

ヒト型に変身すると、感覚までも人間と一緒になるようで、わたしは青ざめてカタカタと震えていた。


もとの姿に戻れないの、つらい。うう……。

その名前も知らない男の子は、わたしにコートを貸して、とりあえずということで、彼の部屋まで案内してくれた。紳士か。

…………。ん?


……わたし、お持ち帰りされてない??


【フェン02】ここまで!


※アイコンは、藤沢チヒロ先生の挿絵からお借りしました。

riceshower_306

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