黄昏のクレイドリア

18-1

エピソードの総文字数=644文字

…………。
…………ッ、

組み合った状態で、襲い掛かってきた

相手の眼を見据える。

そこには普段の静謐をたたえた琥珀色の瞳はなく、

血を連想させる紅の瞳が、ギラギラとカノンを見返していた。

へぇー、この奇襲に

冷静に反応できるとはな。

お陰様で、この手の襲撃は

嫌って程 経験してるからね……!

こいつに会うまでも

相当苦労してるってことかぁ。

しょうがない気もするが……

難儀なこった。

……それにしても、

眼の色が変わるなんてね。

洒落た魔術じゃない?

わかりやすくていいだろ?

こうすると、皆驚いてくれるしな

(これがイーリアスの言ってた

 "呪い"ってわけ?


 でも…………)

性格まで変わるなんて

聞いてないっての!!

おっと

アーティファクトの羽衣を顕現させ、

発動時の風でイーリアスを引きはがそうとする。

しかし相手は、自らあっけなく

カノンから離れて間合いをとった。


風の刃で切れた左頬から流れる血を、

雑に拭って口を開く。

いやぁ、手厳しい。

襲ったとはいえ、俺たち仲間だろ?

もう少し温情があっても

いいんじゃねぇか

仲間だろうが関係ないし、

ましてや自分で言ってる奴には

手加減する必要ないでしょ

血もくれない上に減らず口だなー。


こいつもこいつで鬱陶しいし……

でも、まぁいいか……

こいつもお楽しみは

最後にとっておくタイプだからな

!!

イーリアスが腕を真一文字に空を斬ると、

延長線上にあった鉄格子がばらばらと音を立てて崩れていく。

そうしてカノンへ一瞥もくれず、

牢から出て外へ向かって駆けていった。


まさかあいつ、

村の人たちを……

……!!

止めないと!

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