無名地帯

降って来たイカ

エピソードの総文字数=6,967文字

数多の文化の、価値基準のサラダボウルたるこの場所では、未知との遭遇など当たり前に起こる。

それは何も生物同士に限った事ではなく、異文化との接触だって、そう称する事が出来るだろう。
今日の出来事はその中における、食文化にまつわる未知との遭遇だ。
いつも通り、何の脈絡もなく、

空から無数のイカが降って来た。

言葉も解さない、人間世界でよく見られる、食用とされる種類のイカだ。
ある者にとってはピチピチ新鮮な食料だろう。ある者にとっては、まさに未知との遭遇だろう。それともある者にとっては、その瞳とヌメりに知り合いの面影を見るかもしれない。
この突然の来訪者(?)を前に、"無名地帯"は生臭さに包まれる!

rivevevever

イカはまだ生きています。と言うより、放っておいても死にそうにありません。道端に、あるいは住民の懐に、胃の中に、無数に存在しています。参加者にとってイカとは何なのか? その価値観からなる行動の差が、この出来事の焦点になるでしょう。


行動方針:イカをどうしたいか?

また、イカはとても臭います。生臭いです。一ヶ所にまとめて保管しておこうものならば、その臭いから居場所が割れてしまうレベルです。気を付けましょう。

rivevevever



参加キャラクター全ての設定が終了。

出来事:降って来たイカ

開始します。


行動順:BIOソラシャルロッテアイカ

rivevevever

フッフーン♫

歌でもひとつ歌いたい気分だ……
どれ、『上を向いて歩こう』でも歌ってみるか。

上を!向いてッ!

歩いてくれるッ!!

ふはははは!

『世界の帝王はこのBIOだ!』

吸血鬼BIOが無名地帯の荒野とでも呼ぶべき混沌の街並みを闊歩していた時!
遥か高き空を何の気もなしに見上げた時!
BIOは『それ』を目撃したッ!!

wwwwwwe

何だとッ!?

それは大量の『イカ』だったッ!

空から『イカ』が『降ってきた』ッ!!
そして!その光景を目撃したのは、『BIOだけではなかった』ッ!!

wwwwwwe

飛来する『イカ』を見つめるBIOの前を一羽の青い鳥が横切った。


その鳥は鉄塔の頂上に止まると赤い光に包まれて少女に姿を変える。

rabbit1923

はわ~。何かがい~っぱい降ってくるー!

同時刻、一人の女性が地面を見ていた。視線の先には―イカ。紛れもない、イカ。

M0dred-Mordred

可哀想ね、こんなところで。何だか、どんどん降ってきてるみたいだし。原因は何なのかしら?

私に解決できればいいけれど、女性は呟き、歩きだす。

天を見上げ、イカの放射点を探す。
その目付きからは、獅子すら逃げ出しそうな殺気、真剣さが窺い知れる。

M0dred-Mordred

うおっ!

何だこれッ⁉︎ ヌメヌメしてて、凄く臭い!

ふへへっ

「イカさんグラス」コイツァ売れるぞ〜〜
 大ヒット間違いなしだっ!

何なんだこの女(ドン引き)

……ま、まあいい。

それより問題はこのイカだ……

『イカ』

それはヨーロッパにおいて『悪魔の魚』と呼ばれた軟体動物の一種!
同時に、日本やイタリアではタコと並ぶ有名な食材のひとつである!

wwwwwwe

ふふ、この肉塊ぬりゅぬりゅしてる。

焼いたらおいしいのかな~?

どう思う?    おねーさん。

鳥の姿で捕まえたイカを目つきの鋭い女性の手前に落として少女は尋ねる。

rabbit1923

美味しいでしょうがそれ以前に。この状態は異常です、つまりこのイカも異常です。

だいたい、全部生きてるじゃないですかこれ。

落とされたイカに同情の視線を向ける。

「可哀想に・・・」
地面を素手で掘り、イカを埋め、軽く手を合わせる。

M0dred-Mordred

一人の女性がイカに黙祷を捧げる中、全くそんな空気などなかったかの様にはしゃぎ回る者が居た。

nishikage001

フハハハ!フハハハ!フーハハハ!

新鮮なイカじゃあ!
商売が捗るぜ!
美味しいか分かんないけど干したイカがあるよ〜〜保存がきくよー

そこの黄色いアンタ、いらっしゃい!らっしゃい!

イカ焼きだよ〜!たこ焼きじゃないよ〜イカ焼きだよ〜
食べていきな、代金はアンタの命でもいいぜ

うわっ!このBIOに近寄るな!

大体このBIOを誰だと思っている!
このBIOの命を狙おうなど百年早……

ピコーン

命を狙う、すなわち殺す……大量のイカ……このBIO……大量のイカ……

真のイカは食べるものではないッ!

『殺すための道具』だッ!!

そういうとBIOは地面のイカを手に取り、吸血鬼エキスを注入したッ!!

イカはモンスター化していくッ!!

wwwwwwe

これならイケる!

この世界を蹂躙するのだ、
ヴァンパイアー・スクイッドたちよ!

BIOは地面のイカを手にとってはモンスター化させ、手にとってはモンスター化させたッ!

モンスターイカはイカさんグラスを身につけた人物、アイカに向かっていく!!

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フンっこの私が(イカバトルで)負けるわけがない!

生きてるイカも新鮮なイカの死体もくらえっ!!

そう言ってアイカは無残にも下に落ちているイカをただ投げるだけではなく、わざわざ引き裂いて投げた!

酷いっ!酷過ぎる!

nishikage001

ぐおっ!?

切り裂かれたそのイカは内臓をぶちまけてBIOに飛んでいった!

BIOは片手でイカを弾いたが、イカの体液がBIOの頬に飛び散る!

wwwwwwe

イカの内臓はさぞ臭かろう……。(BIOとイカを鼻で笑いながら)

一方ヴァンパイアー・スクイッドの群れがアイカを襲うッ!

wwwwwwe

ギシャーッ!

wwwwwwe

くらえっ!ダイオウイカバット‼︎

ダイオウイカは干した事によって強度が増しているぞっ!

イカ、目玉……ない?

変異したイカの群れから一匹を電柱に連れ去り観察する。


電線によって感電させ動かなくなった獰猛なイカの目玉を探す。

rabbit1923

あっ、道具がないと目玉採れない……。

そうだ!    屋台のおねーさんに串もらおー。

屋台のおねーさん、イカ焼きちょーだい?

うおーくらえダイオウイカの干し物ォ!

えっ?はいちょっと待ってくださいね、今持ってくるので!

こらっ、駄目でしょう。

青い少女に声をかけたのは、先程の女性であった。

M0dred-Mordred

生き物をいじめちゃいけません。このイカは、悪いことはしていないでしょう?

でも、この子たち目が2つしかないよ?    足してあげなきゃ……。

・・・ふふ、そうね。でもこの子は目玉が2つなの、無理矢理入れたら痛いでしょう?

優しく諭し、頭を撫でる。同じ人ならざるものとして、感じるところがあったのだろう。初対面のはずだが、いやに母性的だ。

M0dred-Mordred

お待たせいたしました〜イカ焼きですよ〜食べやすい様に串しもおまけしたので感謝してくださいね〜(えっへん!)

ごめんなさい店長さん、串はいりません。

そっかぁ。私の知ってる子たちとは違うんだー。


おねーさんありがと。

屋台のおねーさんもありがとう。

要らないの?本当に?

じゃあ捨てよう

串・・・串・・・せっかくですしもらっておきましょう、ここでは役に立つ、のかもしれないし。

感謝したまえ(串を渡す)

ありがとうございます、店長さん。

貴女も、ありがとうね。
しかし串ねえ・・・役に立ちそうね、意外と。

何の変哲もない串。女性はそれを口に含み、吐き出した。

彼女の細胞はバケモノのもの。ゆえに、唾液も然り。この作業により、串は彼女の「武器」となった。
これこそが彼女の、クリーチャーの力、その基本にして最たる驚異、「浸食」である。

M0dred-Mordred

おいッ!貴様ら二人!そこで何をしているッ!

貴様らもこのBIOの命を狙うのか!?

貴様らもイカを!?

私はね、この子たちを育てるの。
おじさんにはきょーみないよ?

『おじさん』!?

『興味ない』!?

ダブルショック!!

こんなところにクリーチャー? 見たところ上位クラス甲殻型のようだけど。

会話できる?

甲……殻……?

甲殻類じゃないよ?
吸血鬼だよ?

(イカ焼きを差し出して)

元気出せよ黄色いおっさん

き……貴様ら……!

このイカはあなたの眷族なのかしら?

(泣)

BIOは泣いたッ!

おじさんと呼ばれ、興味ないと言われ、挙句の果てには甲殻型!

wwwwwwe

いやに人間臭いわね・・・

BIOは、差し出されたイカ焼きを無言で受け取った!

しかし!BIOがそのイカ焼きを食べることはできなかった!!
『口が無かったから』だ!!

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……食べますか?(ソラとシャルロッテにイカ焼きを差し出す)

あくまで冷静に、バケモノは怪物の行動を分析する。

高度な知能の発達により、私たちに近づいた存在。ひとまず、これを答と仮定する。
ならば、私の行動の最適解は。

M0dred-Mordred

ええ、頂きましょうか。

敵意はない、敵に回す意味はない。懐柔すれば戦力になるかもしれない。

淡く、しかし確実な希望だった。

M0dred-Mordred

(涙)

自分の名前は、ありますか?

知能の程度と文明の発達は必ずしも比例しない。よって、調査の必要があった。

M0dred-Mordred

……BIOです

ビオ? そう、その名前は珍しい名前?

彼女たちの記憶は、消えることはない。メモをする素振りもなく、質問を重ねていく。


M0dred-Mordred

知り合いの名前はポポです

ビオ、ポポ。どちらも聞いたことがない名前であった。察するに、彼らの文化は人間の模倣ではないらしい。

M0dred-Mordred

私たちのことは何て呼ばれてる?

処刑剣。彼女たちの象徴にして、身分証明。

それを、右腕から剥離・展開させる。

M0dred-Mordred

BIOは、世間知らずだった……

百年の眠りから目覚め、現代の文化を学んでいる途中だった……
故に、彼の行動の最適解は。

wwwwwwe

コスプレイヤー?

コスプレイヤー。それは、キャラクターなどの格好をする者を指す。

彼女は紛れもなく本物、つまり・・・いや、偶然の可能性もある。

M0dred-Mordred

ど、どういう意味の言葉なのかしら?

眉間の筋を隠せない。それだけ、侮蔑的だった。

M0dred-Mordred

立ち話はアレでアレするから、まあイカ焼きを食べながら話しましょうぜ

ありがとうございます、店長さん。

有り難い。怒りはすべての判断を阻害する。が、この介入により少し冷めた。

M0dred-Mordred

おい!甲殻類おっさん!

口が無くても液体タイプならジュースみたいにチューチューできるぜ!
感謝しな!

BIOは、ポポとの青春を思い出した。

wwwwwwe

ビオ!!

僕はイカスミを食べるぞッ!

やめろ!それはイカスミではない!

【検閲により削除】だッ!

 【イカスミ(?)】

テケリ・リ!

wwwwwwe

…………。

…………。

イカさんグラスはいかがかね〜

あの。皆さん。

なぁに?

どうした。

ンァ?

イカに気をとられて忘れていましたが。ここ、どこなんですか?

処刑剣を見て動じない人間などいるはずがない。ならば、ここの「人間」は何なのだろう。

思えば私は、海に流されてここに来た。ならば、ここはクリーチャーの住処だろうか。

M0dred-Mordred

おれん家

ふん。愚問だな。この場所は既に我が支配下にあるも同然よ!

みっ、みんなの家ですごめんなさい

・・・なるほど。

クリーチャーと人間では、生活環境に対する考え方が違うのも当然だろう。
そう考え直す。

M0dred-Mordred

みんなの家です!ここはゆずれないぞ!

ビオさん、あなたたちの住居は、明確な仕切りをもたないの?

私はどこでもいいかな~

ん?住居は別だぞ。だが、帝王はこのBIOだッ!

依然変わりなく!(どや顔)

クリーチャーの中にも個性があるのね・・・ふむふむ。

ところで、あなたたちは、自分達を何と呼んでいるのかしら?

私たちは「エクスキューショナー」という名なのだけれど。

個人名なら結城アイカ

私たちの存在ぐらい知っているでしょうと、処刑剣を展開する。

M0dred-Mordred

また、急に人間臭い名前。これも個性の範疇かしら?

このBIOはこのBIOだ!人間だった頃はビオ・ブランドーという名前だったがな。

人間だった、ころ?

嘘よ、嘘よ。唇が震える。目の焦点が合わない。

クリーチャーの正体は、人間? そんなはずないわ、ええ、ない。

M0dred-Mordred

真面目に答えてちょうだい、殺すわよ。

私たちはホムンクルスって呼ばれてたよ。

呼ばれていた、客観的な表現。それよりも、ホムンクルス? 最近研究されている、代替人類じゃない。それが、どうしてここに?

M0dred-Mordred

(あっ、そう答えればいいんだ)

我輩はしがない人間である、名前は結城アイカ

あなたはどこで作られていたの、答えて。事によっては、あなたも殺すわ。

気狂い店長は、確かに人間だと言った。

なるほど、 半分クリーチャーになっているのであれば、脳障害も起きるだろう、自分が人間であると認識もするだろう。そもそも、クリーチャーに囲まれて動じない神経がおかしい。

M0dred-Mordred

なんなのよここは、あんたたちは!!

ねえ会話できるんでしょ、ここはどうなってるのか教えてよ、ねえ!!
イカが降ってくるのも当たり前のことなの!?

日常茶飯事だぜー、いきなり自分のすぐ横に池があったり、おっさんに歯磨きの依頼されたりな

あんたじゃ駄目よ、残念だけど気が狂ってる。

そこの甲殻型、あんたに聞きたいわね。

(無視して)

ここは色々な名前で呼ばれ過ぎて、ついには名前の付かなかった「無名地帯」なんだぜ

クリーチャーの住処でしょ!?

甲殻型ではない!このBIOだ!

イカだろうとタコだろうと、現代では普通のことではないのか?
そういう貴様こそ、若者の風貌をしているくせに何故現代の知識がないのだ?

まさか貴様も岩仮面を!?

オレ、人間。人生つまらないからここに引っ越して来た

アイカは泣きそうだった、自分のことをことごとく否定された事にとても悲しみを覚えた。

nishikage001

こいつも駄目ね。このホムンクルスには知識はないだろうし、八方塞がりね。

おれ泣くよ⁈泣いたよ⁉︎

本当の事しか言ってないのに!クソゥ!!
(さあ母性の塊よ!子供の泣き顔をなだめるしかなかろう!)

黙れ気違い。

電撃。掌からの電撃。エクスキューショナーの初歩技能。それを、後頭部に炸裂させる。

M0dred-Mordred

えっ(アカン)

フンッ!おれはスゴイんだ!凄い方の人間なんだ!このくらい、どうという事は無いぜ!うおー!

(攻撃躱し)

残念ね、もう人間じゃない。言葉を圧し殺し、次の攻撃に移る。

剣を展開、斬りつけた。

M0dred-Mordred

しかし!あり得ないことが起きた、剣は丁度振ったダイオウイカに受け止められてしまった!

nishikage001

浸食ね、知ってると思うけどクリーチャーの能力よ。

アンタに正式に、処刑宣告を下すわ。

しらねぇよ!何だよそのすげ〜能力!中二病か!4年間鍛え続けた真の中二病を見せたろか!

獣性、第一段階。

カートリッジ「フェンリル」起動承認。

処刑剣にUSBメモリめいたものが挿入されると同時に、彼女は姿を変えていく。まるで、狼のように。

M0dred-Mordred

このパワーなら、斬れるわね。

え!… ごめん、なんかごめんよ!というか何で殺しに来てんの⁈八つ当たり!いけない!

せめて、何も知らずに死になさい。

おれは楽しい人生を!人生の面白さを知りたいんだ!……ウッ

唯、無慈悲に剣を振り下ろす。

M0dred-Mordred

人間もどきの女……『お前とこのBIOは少し似ている』……

そうでしょうね、私は種族として、アンタと同じですもの。

違うな。『敵を排除する』という1点においてだッ!

ただのそれだけだッ!!

時よ止まれ!『お世界』ッ!

時は止まった。シャルロッテも、ソラも、イカも動かない。

wwwwwwe

そして、それを自覚することもない。

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ただし1人だけ……

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『このBIOが動く』ッ!!

(時間停止。最上級クリーチャーは時を浸食するって聞いたけど、本当とはね)

BIOは一瞬の刹那にして、シャルロッテへ無数の拳の連打を浴びせる。

例えどんなクリーチャーでも、再生不可能なほどに。

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(止まっている限りダメージはないわ、よし・・・先行入力、獣性最終解放。これで、終わった瞬間心臓から再生できるでしょう。上手くいけばだけど・・・)

だが、念には念を押して……

最後の攻撃ッ!
『手を首に突き刺し』、『指先から吸血』、そして、『生命エネルギーを吸収する』ッ!!

BIOは、同類としてシャルロッテを危険視した。

だからこそ、『時を止めた』
だからこそ、『念には念を込めた』
だからこそ……

『その可能性に気づかなかった』!!

そう、『アイカが動く』という『可能性』にッ!!

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ドクンッドクンドクンッ……
時が止まりBIOとシャルロッテが戦っている中、先ほどまで処刑の対象だった女の心臓は鼓動を続けていた。

nishikage001

(もうすぐ私は死ぬ…被害は最小限にしたかったんだがなぁ。青い人は遠くにいるみたいだし、確実に死ぬのがエクスキューショナーぐらいなら別に良いか)

彼女は此処、無名地帯で会った男に死んだら発動する爆弾に変えられてしまった。余命一年と言われた矢先だった。

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そして時が動き出すちょっと前

nishikage001

(みんな……特に黄色い人とか距離近いし、青い人はイカ焼きを買ってくれただけで何にも悪く無い。ああ神様、今日はお日柄もイカイカしく、私は自爆します。サイナラ、今が一番楽しいです…)

ウグハーッ!(吐血しながらの爆破開始

爆破と共に時は動き出してしまった

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ボガァアン!!

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こうして、シャルロッテもBIOも消し飛んだ……

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ソラと数匹のイカ達を残して

nishikage001

エンディング


爆発の跡がひとつ増えたところで、住民たちは気にも留めない。
多くの者にとって至極どうでもいい筈の理由で拵えられた破壊跡は、やはり感傷を抱かせる要因にはならない。
イカは降り止んだ。もう水っぽい音を立てて道端に落ちてくる事も、重力に押しつぶされながらもずるずると水辺に向かって這い進む事もない。僅かばかりの生臭い残り香だけが、彼らがここにいた証明となる。
いや、もしかすれば、物好きな誰かが水槽に入れて飼育しているかもしれない。そんな者ならばあるいは、泳ぐイカを見る度に、あの日の出来事を思い出すのだろうか。

ここは無名地帯。
降り注いだ来訪者たちと、爆発に消えた者たちとの思い出を含んだ風が、瓦礫の間を吹き抜けていく。そんな風に1匹の青い鳥が乗り、大空へと舞い上がる。荒地を照らす太陽が、その鳥の胸元にある赤い石をきらりと輝かせた。何を鳴く訳でもなく、青い鳥は、真新しい破壊跡の上をぐるぐると飛び続けた。


降って来たイカ・

rivevevever

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