年上彼氏の多島くんと、私の思い出の喫茶店

5 いざ、新しき思い出の店

エピソードの総文字数=416文字

 二人は、おしゃべりをしながらダラダラ歩いていると、いつのまにか目的の店にたどり着いた。
あー……そっくりだぁ……
外観からすでに似てるのか。やはりお父さんの店への思い入れが強いんだな
えっと……大きさはこっちの方が小さいんだけど、でも……同じだってわかる
文字通り、同じ遺伝子を受け継いでるってカンジか
そう、そうそう! そういうやつ! やっぱ大人はちがうなー
うん、そう、だね
 多島くんの顔が一瞬曇ったが、由希乃は気付かず、店先のメニュー看板を物色していた。
『カランコロン』
 多島くんが店のドアを開けると、上端に取り付けられたカウベルが鳴った。
 促されて店内に入った由希乃が、わぁ、と声を上げた。
すごい……。なにもかも同じ、でもぎゅっと濃くなったカンジ……
ホント? それはよかった
いらっしゃいませ。お好きなお席へどうぞ
 多島くんより少し年上と思しき男性が、二人に声をかけた。
 細身のフレームのメガネをかけ、知的で落ち着いているように見える。

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