君が好きだcolor

恋を諦める薬  作:内山 喜春

エピソードの総文字数=1,459文字

タイトル:恋を諦める薬
作:内山 喜春

アデル。この街ではプラスチックは燃えるゴミよ
すまない……ゴミなのは俺だ…
引っ越してきたばかりなのだから気にしないの。じゃぁ、私は幼馴染君の所に行くから
(エリゼ……僕は君のことを好きになりつつあるよ。

でも君には仲の良い幼馴染君がいる。

幼馴染君が君を想う強さを知っているから……

君たちの間に割って入ることなど出来やしない)
この恋は病だ。放置しておくと僕は焦がれて死んでしまう。

あの不思議な老婆なら僕の苦しみを何とかしてくれるかもしれない
◇◇◇◇◇◇
老婆の家に来るのは2度めだな。

街に来たばかりの僕がうっかり助けた老婆。

街の人は彼女を嫌い、無視をする。

だが、俺は悪い人ではないと思う
ガチャ
おやおや、アデルかい。

元気にしてたか聞こうと思ったが、ひどい顔をしておるの
ハハハ、年寄のカンは恐ろしい。

実は、叶わぬ恋の苦しみから解放される方法を知っていたら教えてもらいたくてね
まぁ、女のカンって言ってほしいわ。

親切なアデルの頼みだから、力になりたいのだけど……私には人を愛する薬は難しくて作れないのよ。でも、愛情を失う薬なら作れるわ。
 
ちょうど一つあるから、この薬を恋敵に飲ませるといいわ
婆さん、ありがとう。また遊びに来るよ。
◇◇◇◇◇◇
恋を諦める薬……。

これを飲むべきなのは、彼女の幼馴染ではなく、僕の方なんだろう。

まぁ、恋の苦しみから解放されるのだから良しと思おう
ごくっごくっ……
うん!薬の程よい酸味のせいじゃない!なんか胸がスッとした気がする。

今夜はよく眠れそうだ
ーーー翌朝ーーー
アデル。粗大ごみは、指定ごみ袋が違うの。今回は私が詰め替えてあげたから、次は気を付けてね

恩に着る……

あなたの少し抜けたところ、可愛いと思うわ。じゃぁ、私は幼馴染君の所に行くから
(エリゼ……僕は君のことをまた好きになってしまった)

◇◇◇◇◇◇

あれから僕は恋を諦める薬を何度も飲んだ。

でも、エリゼに会えばまた好きになってしまう。

芽生えた恋の収穫作業に、何の喜びがあるのだろうか?
この薬は老婆に返そう

ガチャ

おや、アデルかい。

可愛そうに。以前よりもひどい顔をしているね。
今、ホットミルクをいれるからここに座って待っていなさい
婆さん、ありがとう。

今日は薬を返しに来ました
お前の顔を見るに、うまくいかなかったみたいだね。

でも、薬のことでいい話があるんだよ。

お前に話に行くところだったから、ちょうど良かったよ
実はね、惚れ薬の材料が記されている本を手に入れることができたのよ。

今夜作るから、明日の朝に取りにおいで
婆さん、俺はホットミルクで十分だよ
ホットミルクより温かくて、甘いものを知るべきだよ。

アデル……明日、必ず取りにおいでね

ーーー翌朝ーーー

惚れ薬を使う覚悟ができないまま来てしまった……。

とりあえず今日は、昨日返し忘れた”恋を諦める薬”を返そう
ガチャ
……あれ?婆さんいないのか?
……
なんだ、まだ寝ていたのか。早く来すぎたかな
……し、死んでる!?
婆さん!どうしたんだ!胸が血でにじんでいるじゃないか!?
ーーーゴトッ!
今、何か老婆から落ちたぞ……。

これは、惚れ薬!?
惚れ薬を狙った強盗の仕業か!
だが、部屋は荒らされた形跡がない
俺の目に、昨日老婆が見せてくれた本が映った。
まさか!惚れ薬の材料は……
・蜂蜜
・純水
・月光を浴びたイチジクの葉
・……
・老婆の心臓
婆さん
僕は貴女を愛してしまった。エリゼを忘れるほどに。

でも僕は、愛する人がいない人生を歩むことなんてできない
だからこの薬を飲むよ
ーーーーーー
次回、”恋を諦める薬”感想戦です。

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