黄昏のクレイドリア

1-3

エピソードの総文字数=756文字

……………………、
あ……?
男は我が目を疑った。
何故なら、今頃真っ先に制圧し、
身ぐるみを剥いでいたはずの女の剣技によって、
あっという間に5人の仲間が地に伏せられていたからだ。

(男どもがあっちゅー間に

 吹き飛ばされちまった……

 魔術の類か?!

 クソッ、こんなのに

 遭っちまうなんてツイてねぇ…!!)

…………。
カノンは戦闘によって乱れた息を深い溜息一つで整えると、
鞘から抜かないままの剣を肩に担いだ。
あとはあんただけね。
…ハン、それはどうかな?
はぁ

チッ…余裕ぶってられるのもそこまでだ!

今だハイド!

このアマに一発食らわせてやれ!

男は勢い良く、近くにいるであろう

仲間へと合図を送ったが、

地を撫ぜる風が吹き抜ける以外、

何も起こらなかった。

あ…?あり……?
言ったでしょ、あんただけだって
あばッ
ふぅ

おぉ……ありがとうございます、

剣士のお嬢さん。

おかげで助かりましたぞ。

事態が収束したと判断した老人は、

失神している賊達をよそに、

カノンへ深く頭を下げた。


……助けてほしいと

頼んだ覚えはありませんが

これ!
…とはいえ、一応礼は言っておきます。
何もお返しはできませんが。
こちらこそ余計なお節介だったわね。
ま、怪我がないようで何よりだわ。
おぉ、おぉ……
これでも彼は感謝しているのです。
どうか気を悪くなさらぬよう…

いいのよ、好きでやったことだから。


…っとそうだ、感謝ついでに

少し頼まれてくれない?

むむ?

こいつらをロージアの衛兵に

引き渡そうと思ってね。


あたしが街から

衛兵を呼んでくるから、

その間に見張りを

お願いしたいんだけど…。

貴様!!
この方を誰だと思って――――

よい、ヘルフ。

言われたとおり、

此奴等の見張りを頼みますぞ。

ぐぬ…………
ありがとう。すぐ呼んでくるから。

――あっ!!
あっちの茂みでのびてるやつもお願いね!
…? 
あ、あぁ。わかった。

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