魔界の姫と二匹の黒猫の物語

第十話 三十六計逃げるに如かず

エピソードの総文字数=657文字

スライムによる、村の農作物への被害は日に日に減っていっています。
村人たちも近年まれに見る豊作ということで喜んでいます。

お嬢が張り切っているおかげですな。

ま、これくらいあたしにかかれば朝飯前ってやつよ!

おーい、お前さん、エラいことになっただ!

ん? どしたの? またスライムが出たの?

出たなんてもんじゃねえべ。川の向こうにスライムがわんさか集まってるべ。

ふむ、何やら不穏な空気ですな。

姫様、とりあえず様子を見に行ったほうがよさそうですね。

ま、スライムごときが何匹集まったって、あたしの敵じゃないからね。安心して任せなさい!

と、とにかく早く何とかしてくれろ。んじゃ、よろしく頼んだべ。

うわぁ……。

ぬぬ、これは……。

かなりの数のスライムが集まってますね……。しかも、段々と数を増しているような……。

とりあえず、やっつけるしかないでしょ!

あ、姫様! あちらをごらん下さい!

スラ~。

スララ~。

スララララ~。

ちょ、なにあれ。一つのところに集まってる!?

お嬢、コイツは少しきな臭い感じがしますな。お気をつけを。

スラララララララ……。

全部のスライムが合体して、一つの大きなスライムに……!?

と、とにかく突っ込むしかないっしょ!
オリャアーーーーーー!

ぽよーん

ドリャアアア!

ぽよーん

ちょ、なによこれ! どうなってるのよ!?

ひ、姫様! 攻撃が全部はね返されてしまっています!

うぬ……こりゃあ厄介なことになりましたな……。

スラララ~。

こっちに向かってきます、姫様!

ちょ、ちょっと一旦体勢を立て直すしかないわね!

三十六計逃げるに如かずですな。

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