『みじょかもんの祈り ー 心の貧しい人は幸い? ー』

01. 「試練の就活。」

エピソードの総文字数=1,247文字

春の実習が終わると、次は、就職活動だ
介護福祉士の資格を持っているからと言って、すんなり就職が決まる、、そんな事はなかった。

他の職業よりも求人倍率が高いと言われていた時代だった。
しかし、私のような人間を採用して下さる施設はなかった。

私の年齢がいけなかったのか。
私が中途退職したのが悪い印象だったのか。
それとも、魅力がない人間だと映ったのか。
理由は定かではないが、不採用通知は、ショックだった。

「就職が決まらないのは、社会に認められていない」と同じく感じ、辛い思いをする人は多いのではないだろうか。
周りの若者が、どんどん就職が決まる中、焦った。
「また、2年前と同じ思いをするのか‥‥」

病気で苦しんだ時期を思い出すと2度と同じ経験をしようとは思わない。
心も体も痛かった、あの時期。

ただ、あの時と違い、今の私は、自分自身を受け入れることができた。
施設利用者の方、仲間、職員の方は私に大きなものを下さった。
特に、Fさんの祈りは勇気を与えてくれた。

「なんとかなるんじゃないか」と、どこかで何かを信頼する気持ちも生まれていた。
しかし、動かなければ何も始まらない。
昔の同僚に、恥を忍んで連絡を取ってみた。

親身に相談に乗ってくれた。
なかなか就職が決まらない今の現状を話した。

「先生、また、教員やってみませんか?」
昔の同僚の先生は、そう言って下さった。

就職活動をする中で、教員復帰は頭の片隅にあった。
しかし、中途退職した36の自分を雇ってくれる学校があるのだろうか。

どんな顔をして学校に戻れるのだろうか。

とにかく自信がなかった。

「介護という経験をされて、学校の先生をするということは、前と違った視点で教育ができるのではないですか?」
背に腹は変えられません。介護の仕事が決まらないなら、無職のままです。
選択肢は多い方がいい。
ダメ元でもいいので、挑戦してみたら、いかがでしょうか」。

2年間の間で得たものは、大きい。
生徒に伝えてみたいこともある。
しかし、そんなことが許されるのか、うまくいくのか。

それから数ヶ月、介護福祉の就活はうまくはいかない。

学校の教員募集もなかった。

秋が深まり、だんだん寒くなっていく。
「・・・」
学校帰り。
夕日の下で坂道を下っている時、携帯電話に見知らぬ電話番号から着信があった。
ドキドキしながら、電話に出てみる。
すると東北のミッションスクールから電話が掛かってきた。

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