魔界の姫と二匹の黒猫の物語

第十三話 ばっかもーーーーーん!!!

エピソードの総文字数=906文字

盗賊達は去りましたが、村にはかなりの被害が出ているようです。
うん……。
ご老人の家は村外れで方向的にも心配はなさそうですが……とりあえず一周りしてみたほうが良さそうですな。
うん……。
姫様……。
あああ……家も、畑もメチャメチャだ……。野菜も金も持っていかれちまっただ……。
やはり中心部の家ほど、手ひどくやられているようですな……。
……。
あ……! お、おめえさん……おめえさんのせいだべ!
……!
スライムがおかしくなったり、盗賊に襲われたり……。おめえさんが来てから、この村は悪いことばかりだ!
あ、あたしは、ただ……。
大体、よそ者を村に入れたのが間違いだったんだべ!
オラ、最初からおかしいと思ってただ!
よそ者は出ていけ! 村から出ていけ!
あ、あの……その……。
出ていけ! 出ていけ!!
貴様ら、お嬢に対して恩を仇で返すとは! おのれ人間、この場で縊り殺してくれようか!
無駄よ、ベリアル。私達がいくら吠えようと、人間達には聞こえない。
しかし、このままではいくらなんでもお嬢が……!!
ばっかもーーーーーん!!!
ひぃッ!!
あ……。
ご老人……!
お主ら、恥ずかしくないのか!?
そもそも、嬢ちゃんにスライムの退治を頼んだのは、村の人間のほうじゃろう! お主らも我先にと順番を争ってたじゃろうが!
そ、それは……。
んだども、このおなごさえ来なけりゃ、村は襲われずに……。
村の防備を固めるのは住民の役目。見張りや衛兵を置くことも、何かの時に備えて訓練することもしてこなかった、ワシら自身の責任じゃ。客人を責めるなど、筋違いもはなはだしい。
……。
いい気になっていたツケが回ってきたんじゃ。これを教訓に次に活かす、それがワシらの義務じゃろう。
つ、次さ活かすって言われても……オ、オラ、畑は荒らされて金も取られちまってどうすればいいか……。
こういう時こそ、村人が一致団結してことに当たらんでどうする。誰の畑、誰の金などと言っとる場合じゃなかろう。皆で助け合い、またやり直すんじゃよ。
わ、分かっただ……。
分かったら、とっとと片付けでもせんか! ぼやぼやしとる暇はないぞ!
あ、あの……。
ほれ、お主らも手伝わんか。今は猫の手も借りたいくらいじゃからの。

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