マジカルミュージック

夢の中の心強き侵入者

エピソードの総文字数=2,174文字

    歌音は、久しぶりに夢を見た。カラフルな風船が飛び交う世界に音楽の女神は、一人で佇んでいる。何故、こんなことになったかは、今目の前にいる姫巫女が知っていることなのだ。

    歌音は、眠りに落ちたと同時に、詩織に夢世界に誘われたのだ。それに気がついたのは、この世界に来てからすぐなのであった。

2017/08/22 17:57
この世界は……詩織ちゃんが作り出したものなの?
2017/08/22 18:00
そうですわ……歌音さん。私は、歌音さんに聞いてほしいことがあるから夢世界に誘ったのですよ。それは、理解してください。歌音さん以外には、知られたくないから……
2017/08/22 18:00
どうして知られたくないの?
2017/08/22 19:38
これは、私の勘なのよ。団長である悠さんには、一番知られたくない。全てを見透かされそうだから。副団長の明里さんには、言いふらされそう……。聡太さんは今はいない……。私の尊敬できる人……頼れる人は歌音さんしかいなくなったの……。それ以外には、バレたくないの。だから、夢世界に誘ったの
2017/08/22 20:22
    詩織は完全に追い込まれている。これは、歌音にも分かる。詩織は、完全な森の迷宮に迷いこんでしまっている。聡太を助けてから詩織を助ける必要がある。今回は、聡太を助けるために、きらびやかで威風堂々たる音を完成させる必要がある。

    しかし、歌音は詩織の音には迷いを感じていた。「マナティー・リリック序曲」「三日月の舞」「はとポッポの世界旅行」のチューバパートの音は、迷いを感じるちっぽけな音になってしまっていることに歌音は気がついていたのであった。

    だから、今回は聡太を救うために詩織の言うことに従うようにしよう。

    詩織は、歌音に待ったをかけてきたのだ。

2017/08/22 20:28
歌音さんの指揮で完成させたい……。でも、無理だから……私は、聡太さんとキスするわ!!
2017/08/22 20:38
ちょっと待って!!    それは正気なの?!
2017/08/22 20:39
うん。それで解決するなら……私は、聡太さんとキスする。もう決めたことだから……歌音さんは、指揮するだけでいいの。私は、それに従うだけ……失敗だけは許されない。歌音さんもそうです……
2017/08/22 20:40
どうして私も?!
2017/08/22 20:46
この作戦は、私と歌音さんで実行しないと完成しない……。きらびやかで威風堂々たる音を完成させて聡太さんを目覚めさせられる気がしないから。だから、歌音さんは私が聡太さんとキスをすることを黙っていてくれたら良いの……。私が、協力してほしいのはそれだけ……
2017/08/22 20:47
    詩織は、歌音の指揮に従うつもりはなく、聡太とキスをして、今回の事件を解決させようとしている。

    好きでもない人?、とキスだなんて間違っている……。歌音は、反論の意見を言うために口を開いた。

2017/08/22 20:49
それは、間違ってる!!    詩織ちゃんは、聡太くんの事好きなの?    好きじゃないならその行動は間違ってるわ!!
2017/08/22 20:52
 しかし、詩織から飛び出してきたのはとんでもない言葉だったのだ。
2017/08/22 20:54
だって……私は、聡太さんが大好きだから。大好きだからここまで本気なんです。だから、歌音さんに協力をしてもらおうとしていたのに……。ちょっと期待外れで残念です。歌音さんの恋人である圭さんの事を応援しようとも思っていたのに……
2017/08/22 20:55
ちょっと待って!!私がいつ圭くんの事を好きと言ったのよ?!どこを見たらそうなるのよ!!
2017/08/22 20:57
だって……歌音さん、圭さんといる時とても嬉しそうにしているから。顔を赤らめて笑顔で……とても楽しそうにしているから……
2017/08/22 20:59
そんな事ないから!!私は指揮者で、圭くんはイケメンプロトランペット奏者……身分差を弁えないといけないのよ。だから、指揮者と奏者の熱愛は、許されないのよ!!
2017/08/22 21:01
その考え方は古いですよ、歌音さん。そろそろ気持ちに素直になりなよ。私は、聡太さんが好きなの。だから、今回は協力して!!それと本当は私は、チューバをやっているけどやりたかったのは、ホルン。裏打ちマスター、とか言われたかったなぁ……
2017/08/22 21:03
どうしてそれを最初に言わなかったの?
2017/08/23 08:35
何故って……もうチューバに馴染んじゃったからかな?もうどうでもよくなっちゃった。チューバパートには、聡太さんがいるから私はそれでいいわ。それに、歌音さんが周囲の事を気にして恋愛をしないまま一生を終えるのは可愛そうだから、私がお手伝いする代わりに歌音さんは、私と聡太さんがしようとしていることをクラスメイトにパレないように偽装工作する……これで契約は成立です
2017/08/23 08:36
分かりました……契約成立……です……
2017/08/23 08:41
 歌音は気がついていたのであった。この世界線で生き残れる可能性がかなり下がった人もいるだろう。だけど、ここは詩織に従っておこう。ここは、詩織の作り出した夢世界だから……。詩織は、満面の笑みで歌音の手を握る。歌音は、驚きを隠せない。
2017/08/23 12:29
じゃあ、協力お願いしますね♪そろそろ、歌音さんを元の世界に戻しますね♪この世界も崩壊が始まってますから……
2017/08/23 12:32
それってどういう事?
2017/08/23 12:33
私ももうすぐ死んでしまうからかな?……何てね♪そんな事はないようにするから安心して♪じゃあ歌音さん、明日学校でね♪
2017/08/23 12:33
 詩織は、意味深な言葉を残して夢世界が溶けていく。歌音の意識も浮上し、目を覚ましたのである。

 今は、朝の六時半だ。だんだんと日が登り、外が明るくなり始めた所だった。

 可笑しな夢を見た。詩織が夢の中で聡太にキスする、と宣言したのともうすぐ死ぬかもしれない、と残した夢。

 今宵の夢が覚め、また新しい一日が始まるのであった。

2017/08/23 12:34

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