【開催終了】WEB小説を書籍化する方法 ~成功のためにやるべきこと~

オンライン座談会 会場 Part8

エピソードの総文字数=19,510文字

Part8会場を用意しました。

引き続きお願いします!

2017/03/15 23:32

>「作家に売れるものを書かせる」


 これはつまり、いかにその作家の(過剰な)作家性を殺して、テンプレ――げふんげふん――「王道」に寄せさせるか、という、編集と作家のバトルの話です。


 「テンプレ」っていうと、悪い印象になるので、「王道」と言い換えました。
 「王道」とは、多くの人が読みたいと思う需要のあるもののことです。


 文芸業界はもっとその色が強いと思うんですけど。
 ラノベ業界も、作家なんて、ほっとくと、趣味丸出し120%濃度の、読んだら読者が死んじゃうような、致死量濃度のものばかり、書きたがるんですよ。
 当然、売れません。希釈しないと死亡事故が起きます。


 カルピス原液をひり出してくる作家に対して、「それは5倍希釈すると、すごく美味しい飲み物となるから、ほら、水で薄めようね?」と、あの手この手で囁いて、なだめすかして、あるいは強権発動して、水で薄める気にさせて、原液の毒物を、美味しい飲み物に変えるのが、編集者の手腕でした。


 でした、と、ここ、過去形です。


 なんでか、あるところから、その役割が変わってきちゃったのですね。

 たぶん、ラノベに「売れ筋」なるものが登場してから以降だと思います。
 2000年あたりか、2003年あたりか、あるいは2006年あたりかもしれない。

 「王道に寄せる」が、「売れ筋に寄せる」になった以降の業界大惨事に関しては、書きはしたのですが、ルサンチマンが溢れ出してヤバイ内容になってしまったので、割愛しておきます。


 古き良き時代の「売れる物を書かせる編集の役割」に関しては、前述の通り。

 ナチュラルボーンキチガイは、架神さんだけでなくて、文庫のラノベの作家なんかも、だいたいそうですよ。という話。

2017/03/15 23:45

>本が「手に取られる」まででも、このように、かなりの競争があるわけです。


新木さんのお話を受けて改めて感じるのは、自分が書店に足を踏み入れたときの、あの本の膨大さによる強烈なインパクトです。毎回毎回、書店に行くたびに、ただただ絶句するばかりです。
世の中にはこれほどの本が生産されていて、こんなに大量の新刊が出ているのかと目の前がクラクラしてしまうほど。プロ歴が長くなればなるほど、肌身に感じられるその情景の重さです。

ここで勝ち残るには、パッケージの力を鍛えぬくしかありません。

第一に「タイトル」「イラスト」、これが最大の関門。
第二に、本を手に取っての「あらすじ」による判断。

ここがすべてと言い切ってもいいほど、重要な側面です。もちろん慣れた読み手はプロローグや第一章をちゃんと読んで判断する人がいることを否定は全然しませんけれども、広いマーケティング的な視点からいえば、もう誤差だと言ってしまってもいいほど。

それゆえに、このパッケージの力を実験するために、現時点で最も都合の良い場所がなろうであると考えることができそうです。そして「タイトル」「あらすじ」という企画書を打ち続ける作業が、売れるためには手っ取り早いということなのでしょうね。

2017/03/15 23:42

>実物の、本の場合の優先順位


>>第一に「タイトル」「イラスト」、これが最大の関門。
>>第二に、本を手に取っての「あらすじ」による判断。


 ここ、正確に言うと、


1番、「イラスト」
2番、「帯」
3番、「タイトル」


 ――の順です。


 タイトルはロゴとしての「形状」であれば1の「イラスト」のオマケ要素となりますが、「文章としての意味」のほうだと、認識順でいうと、最下位になります。


 まず、手に取るよりもまえに、「目を留めて」もらわないとならないわけです。
 目を留められなかった作品は、存在していないも同じで、そこにどんな文章が書かれていようが、どんなタイトルだろうが、すべて無駄です。


 数十冊の本を、一度に視野に捉えた時点では、ひとつひとつの表紙なんて、小さなサムネイル状態でしかないんですね。
 視野の端っこにあるかもしれない。そんな状態で、文字なんて、読めません。


 パッケのデザインをするときの基本手法なんですが……。
 店頭を模した状態にして、雑然と数十冊のラノベを無作為に並べます。
 そこに、いまデザイン中の表紙を、置いてみる。


 その際に、目立つかどうか。
 視野のどこにあろうが、ぐいっと視線を引き寄せて、中心点で捉えてもらえるだけの力が、そのパッケにあるか。


 ――が、パッケの善し悪しを測る指標となります。


 もはや、ほとんど、配色だの、人物のポーズのシルエット的なものだの、そんな程度になりますね。
 意識的に視野の縁のほうで眺めることをやってみるとわかるんですが、視野の片隅において見えるものなんて、そんな程度です。


 まず「見て」もらわないことには、勝負の土俵にも立てやしない。


 一瞬でも見て貰ってから先は、「帯の文字」ですね。普通は、ここが、タイトルよりも目立ちますから。
 その次にタイトルです。


 そこまでで、なにかフックできていれば、ようやく「手に取って」もらえます。


 手に取ってもらってからは、「あらすじ」の出番です。

2017/03/16 00:21

>・WEB小説でブクマをする行為と、書店の店頭で手に取って眺める、という行為とは、等価である。
>補足、例外について

先日の拙作のグラフのように、同じ作品でもタイトルとあらすじが違うだけでブクマするかどうかに激しい差があるように。
同じポイントをとったなろう小説でも、表紙その他のパッケージングでレジに持っていってもらえるかに激しい差がある。
ということなのではないか。

新木さんの例外のところがちょっと長いと感じたので、個人的にざっくりでまとめてみました。

2017/03/16 01:11

「書籍の売り上げやブクマ数はパッケージで決まる」という主張に関して、少し疑問があります。

なろうのポイントも、確かに書籍化ボーダーの3万ポイント付近まで行くかどうかについては初速の影響が大きいように思いますが、それから先、5万ポイント、10万ポイントと稼ぐ作品の場合、初速に対して、その後の持続力が高いように思います。
日間で5000ポイント近くを稼ぐ作品は少なくありませんし、その中から10万ポイント級が出ることもありますが、全てが10万ポイント級になるかというと、全くそんなことはないわけで。

もしポイントに関してあらすじやタイトルによる2クリックでのブックマークが完全に支配的であると仮定すると、この持続力の差に説明をつけるのが難しいのではないでしょうか。
章タイトルや更新頻度といった、時間とともに変化する項目や、つまらなかった場合のブクマ外しによる影響はありますが、それだけで説明がつくでしょうか。

やはり個人的には、パッケージと同等かそれ以上に、内容によるポイントへの影響はあると思います。
ポイントと売上の相関性が高いとすれば、内容と売上の相関性が高い可能性もまた否定しにくいのではないでしょうか。
こちらに関しては「同じポイントなのに売れる作品と売れない作品があるのは、ポイントから『内容』というノイズが排除された形で売上が出るからだ」と、説明できなくはないかもしれませんが、

2017/03/16 01:14

shinkoshoto

初速はタイトルとあらすじだけです

持続率は内容と密接な絡みがありますね
なろうの読者は気軽にポイントをいれる人たちと、内容をしっかり読んでから入れる人の二極化しているので
日間ぐらいだと前者だけで勝てます。ぎり週間も行けるかも。だけどその先、月間、四半期と勝ち上がっていくためには内容が重要になっていきます
逆に言っちゃえば新作を始める場合、四半期とかってあんまり重用しなくていいんです。そこにいる人たちは内容で勝負しちゃっている人たちなんで、ある程度流行を無視しても勝つ化け物です
その人たちが流行に乗ったのか、内容で勝ったのかわからないんですよ。内容、その人の実力で勝った作品を真似しても意味がない。だから、逆に真似するなら勢いだけすぐ失速する、題材、タイトル、あらすじは良かったけど、内容は微妙だった作品にするべきですね

2017/03/16 01:49

補足ですが、なぜ前者を抑えれば日間で勝てるかっていうと

内容を重視する人たちって、分量が溜まっていないと読みもしないので日間にあがり始めるタイミングだとそもそも、ランキング競争に参加していないんですよ
日間は前者のタイトルとあらすじで気軽にブクマをつける人たちに支配されています
だから、勝てます
ただ、月間あたりに届くぐらいから分量が溜まってきて内容を重視する人たちの割合が増え始めて、内容がアレだとここで止まります。ある意味、月間の先にいけるかどうかが、運だけで上がってきた人と実力者の境目ですね

2017/03/16 01:55

なるほど。確かに『WEB小説を書籍化する方法』というテーマですと、分析は短期ランキングに絞るべきなのかもしれませんね……。

スタイルの違いなど、参考になりました。ありがとうございます。

2017/03/16 01:59

shinkoshoto

WEB小説を書籍化する方法

それだけなら、別に四半期とか無視していいんですが
人気作家になるや、本を出したその先を見るなら下記の理由で内容も重視するべきです
1.出版社さんが宣伝を頑張ってくれる
なろうでとんでもない高ポイントならレーベルによりますが初版部数が増えます。書店でプッシュされます。そして、web読者も割合は少なくても母数がとんでもないので、かなり買ってくれるので初速がでます。売れれば扱いがよくなります
人より有利な状況で戦えるわけですね。なにせ、弾数が多くて目立つ位置にいるのだから。
2.継続率が高くなる傾向がある
超高ポイント作品っていうのは内容まで完璧だった作品の証明なので、例外はありますが継続率がいいです。一巻から二巻、二巻から三巻と巻数を重ねることによる読者の離脱率が低いです
高品質な作品を作るというのは無駄にはなりません

といった感じで、別に書籍化するだけなら週間勝てるぐらいでいいのでタイトルとあらすじ頑張ればいいですけど、その先まで考えるならきっちりと高ポイントを分析して内容方面のお勉強必要です

2017/03/16 02:05

ポイントが書籍版の初速と関係が深いのは、宣伝の問題だったんですね。

今までずっと不思議に思っていましたが、ある程度納得できた気がします。
ありがとうございます。
それで100%説明が付くかと言われると、まだ何か小さくないファクターが残っていそうな気もするのですが……。

2017/03/16 02:17

shinkoshoto

>その先まで考えるならきっちりと高ポイントを分析して内容方面のお勉強必要です
書籍化までの法則は出尽くした感があるので、高ポイントを取れる内容の具体的なセオリーがあればお聞きしたいです。
やはりWEB小説と、その他ラノベ系では要点が異なるのでしょうか?

2017/03/16 11:37

pakupaku

〉新木先生

〉これは、そんなもんない! ――と、うそぶきたいところではありますが、たしかにありますよね。

〉ラノベの業界だと、ここ2年ぐらいの、「WEB小説は売れる」という成績によって、だんだん緩和されてきていまして……。

ちょうど昨日、担当に、

「今から書くやつ、トークメーカーに投稿しながら書いていいですか?」と聞いて、「……いいよ! いや、待って。ええっと。いいよ、でも半分くらいにしましょっか。いや、待って。やっぱ流れで」みたいな返事をもらったので、ちょうどいま、業界的にもその過渡期に来てる感じがありますね!

2017/03/16 11:37

〉kt6000さん

〉ところが最初から売れ線vs書きたいもので二項対立させてしまうと、「試しに考えてみる」というプロセスも得ないまま、「俺の書きたいものは売れ線じゃないからつらいわー。評価されなくてつらいわー」と、口をあけたままポカンと突っ立ち、誰かがステーキを口に入れるのを待ってる状態になります。

なるほどー。問題意識はここにあったんですねー。この、「書きたいもの」と「売れるもの」の擦り合わせはやっていくと、「どうしても書きたいもの」が最後まで残って、「後はまあいいかな」ってなるので、本当に書きたいものを自分で自覚するのにも良かったりしますよね。

2017/03/16 11:42

〉新木先生

〉 つまり、純真な読者の嫌がることをしたい。純真な読者を汚したい。ウンチなすりつけてやりたい。
〉 これが僕の「作家性」です。
〉 なので、可能な限り薄めて、完全にゼロにはできなくとも、1000分の1ぐらいに薄くしておくのが、いいらしいです。
〉 ウンチの匂いも、薄めると芳香(良い匂い)になるらしいですし。

おれはダンゲロスで「人を選ぶ」と言われまくったので、続編ではエログロをできるだけ減らしたんですが、書いてる時に辛くって、辛くって……。

結局、反動で三作目の1969ではエログロ全開にして女の子の顔にウンコ投げまくって非常にスッキリしたんですが、新木先生は1/1000にしてフラストレーション溜まったりはしないのでしょうか。そこは、読者のリアクションによる快感でクリアできる感じなのでしょうか。

2017/03/16 11:43

〉至道先生

〉たぶんこのWEB作家座談会の編集作業は、今までにも増して猛烈に大変そうで、今は一切そのことを想像しないようにしています。

至道先生、がんばってwww

2017/03/16 11:44

〉新木先生

〉 本が「手に取られる」まででも、このように、かなりの競争があるわけです。

このように書かれると、「内容は良いのに売れない」の謎が見えてきますね……。
内容にたどり着くまで、非常に多くのハードルが存在している。
タイトル、あらすじといった企画性が非常に重要なのだな、と。もちろん軽視してはいませんでしたが、これは思った以上に重要だったのか、と。

2017/03/16 11:45

〉 古き良き時代の「売れる物を書かせる編集の役割」に関しては、前述の通り。
〉 ナチュラルボーンキチガイは、架神さんだけでなくて、文庫のラノベの作家なんかも、だいたいそうですよ。という話。

うおーっ、すごくいい話!
ということは、昔の講談社BOXは、あまり希釈させない変なところだったのかも。

致死量の毒物という表現もいい得て妙で、おれは確かに読者を殺す気持ちで書いてました。

でもやっぱり、いち読者として読みたいのは毒物ですねえ。ジャンプも赤丸に載った新人の読切は面白いのに、本誌に載ると王道に寄せたのか急に刺激が弱くなってションボリしたりもします。

みんな原液をぶち撒けるようになればいいなあと思いもしますが、実際そうなったら「も、もっと薄いのを……」って言いそうな気もするし、やっぱり原液飲んでガハハハ!と笑える読者は少ないんだろうなとも思います。チャンピオンは刺激が強い(作家性が濃い)漫画が多いのに部数ではぜんぜんジャンプに勝てないのもそういうことなんだろうなあ、と。

2017/03/16 11:45

>kagamiさん

 ご返信ありがとうございます。
 私宛てでいただいたご返信の引用部分は私のものではなくkt6000さんの文章ですが、お間違えはないでしょうか。その通りの意図でございましたら恐縮です。


>「書きたいもの」と「売れるもの」の擦り合わせ

 おまとめいただいたようですが、私の言うところの「書きたいもの」と「売れるもの」にかんする問題意識というのは若干ニュアンスが異なります。
「書きたいもの」と「売れるもの」が自分としてはそこまで異質には感じられないため、「擦り合わせ」という発想にそもそも至らないという意味でもございます。

 なんども申し上げるようで恐れ入りますが、「書きたいもの」と「売れるもの」が別の概念、とくに対立概念のようにしばしば扱われることが疑問です。
 もちろんのこと、「書きたいこと」をダイレクトに書いて売れるとは思っておりません。「書きたいこと」だけをかたくなに書いてやっていけるとも思っておりませんが、「書きたいこと」を書いていけないとも思っておりません。
 このお話も、突き詰めれば新木さんや架神さんたちのおっしゃっている希釈のお話につながっていくのだとは思いますが……。

 私自身は「書きたいこと」といいますか、「テーマ」とも言い換えられることなのかもしれませんが、「本当に書きたいもの」が自覚できていないという状態の経験がなく、「どうしても書きたいもの」を書いていくなかで自覚していくというプロセスを経ておりません。「書きたいこと」、別の表現をすると「テーマ」となるのでしょうか、まずそれが先行して小説を書きはじめまして、完全なる素人のときも含めて数えさせていただきますが、同一テーマをあれこれ手に変え品を変え書き続けて今年で十一年めとなります。
 そのテーマといいますのはこちらで明言できず残念なのですが、ひと文字でも言えますし熟語でも言えますし文章でも言える程度には、明確なものであります。
 その十年ないし十一年のうちにやってきたことというのは、いかに「書きたいこと」をほかのかたにも了解可能なかたちとしていこうか、さらに進んだ段階では了解可能なだけではなく楽しんでもらえるかたちにするかという試行錯誤の繰り返しでした。それなのでいまはもう一歩進んで、「売れる」という概念を持ち込んでいるのだと思います。
 またしてもお話をお借りいたしますが、希釈するというのもその試みのひとつであると捉えております。かなり強力で現実的な試みだと思っております。

 以上はもちろんのこと素人のころも含めての経験論なので、絶対的な方法論だとは思い込んでおりません。
 ですが、私がいま商業でやろうとしていて実践している方法論は、こういった経験論を応用したものです。書きたいもの――それだけではほかのひとはまずくて飲めたものではないものを、おいしく出していくための工夫ということでございます。
 つまり「書きたいもの」と「売れるもの」を対立構造で捉えるのではなく、「書きたいこと」をどうやって「売れるもの」というかたちに変換するかを日々考えております。

「書きたいこと」が書けなければ書いている意味は自分にとってはなくなるのですが、「売れるもの」に変換できなくともまた問題が生じると思いますので、そのようにしております。

 作家性が「悪趣味」であるという新木さんのお話には全面的に賛成です。
 作家性というだけではそんなに崇高ですばらしいものではないし、作家性というだけで誇るものでもありがたがられるものでもないし、そもそもだれしも作家性はあるものですので、作家性という「かたち」ではなく作家性の「中身」が重要であると思います。

2017/03/16 14:28

> natsuki0710さん

ウオッ、失礼しました。
先の宛名を修正しました。至道先生、お手数ですが、編集の際によろしくお願いします……。

2017/03/16 15:03

>初速が出たあとの持続力の話


 3万ポイントを超えて、そこから5万、10万に伸びてゆく作品は、内容だ、という話ですが。


 ここで間違えてはならないのは、5万、10万伸びしてゆく内容があったとしても、パッケが悪ければ、すべて「無駄」に終わってしまうということです。


 「中身がよい」ことは、本当に伸びてゆくための必要条件ではあります。しかし十分条件ではない。


※注:「必要条件」=成立のために満たさねばならい要素の一つ。
※注:「十分条件」=それを満たすだけで「必ず」成立する支配的な要素。


 これはラノベの書籍として売る場合にも同様のことがいえまして――。
 「中身がよい」なんていうことは、「あたりまえ」の話で、ヒットするための必要条件でしかない。
 中身がよい話なんて、そこらに満ちあふれています。

 そんななかで、本当にヒットする作品というのは、「外見(そとみ)もよい」わけです。


 中身がよくなければ、外見(パッケ)がよくても無意味ですが、同様に、中身が良くても、外見(パッケ)がよくなければ、やはり無意味です。


 そして、どちらが優先されるべきかといえば、先に見られるものが「外見(パッケ)」である以上、外見(パッケ)のほうでしょう。


 あと、「中身」については、別の観点もあるかと思います。


 外見(パッケ)に関しては、WEBと店頭とで、同じ指向性となるので問題ないのですが……。


 中身に関しては、WEBと書籍とで、指向の違いが生じる可能性があります。
 WEBでポイントを取るための「中身」なのか、書籍化してヒット作にするための「中身」なのか、という話です。


 どちらの世界でも、よりヒットしてゆくためには、カリカリにチューンナップしてゆく必要があるわけです。WEB向きの最適チューンが、書籍時にはハンデになる可能性もあります。


 また、WEBでも書籍においても、一定以上から先は、「売れているから売れる」という要素も大きくなってきます。
 ある程度キャッチーなパッケがついていて、ある程度の中身を伴うのであれば、あと売れてゆく理由としては、「売れているから売れる」で充分、説明可能かもしれない。


 つまり、WEBで持続力のある作品というのは、「内容が凄く良かった」から持続力があったのではなくて、「内容が普通に良かった」のと「売れたから売れる」ので、持続力があったのかもしれません。


 このへん、僕は、3万ポイント弱までいって、書籍化決まっちゃうと連載止めちゃうので……。検証できていないのですが。
 2巻の締め切りが近づいてくると連載再開という形なのですね。スケジュールに追いかけられるのではなく、追いかけるようにて、なんとか定常連載できるように持って行こうとしていますが……。


 あと、Kさんが書いていますけど、ポイントが高ければ、書籍した際に、宣伝面で有利になるという話ですが……。


 これは失礼ですが、すこし「願望」が混じっているのではないかと。


 書籍化した際の宣伝に関しては、コミカライズ同時スタートや、すでにアニメ化決定、なんていうことでもなければ、とどのつまり、初刷りの「部数」をどれだけ刷ってもらえるか、ということに終始すると思います。


 「宣伝」の話なのに、「初刷り」の話になってしまうのが、飛躍していますので、そこを説明します。


 およそありとあらゆる宣伝活動は、結局、「書店の店頭に本を並べる」に比べれば、ごくごく小さい効果しか生まず――ぶっちゃけ、「誤差」として片付けてしまっていいわけです。


 店頭でいかに「露出するのか?」ということが、結局、一番の「宣伝」となります。


 書籍を買う読者というのは、ある本との出会いを「店頭」で行います。
 事前に調べたりしません。たまたまぶらりと、あるいは書店に寄るのを日常としている人が、たまたま見かけた本を、手に取って、レジに運ぶわけです。


 書籍の初刷りは、現時点だと、本当に最低限のところまで落ち込んでいまして……。
 都市部の書店なら数冊ははいりますが、地方の書店などへは、1冊も配本されないなんていうことも起きかねない少部数になってきています。


 置かれていない本は、売れません。絶対に。


 また置かれていたとしても、1冊しか配本されなければ、1冊売れたらおしまいです。
 それに1冊しか入らないと、平起きされずに、いきなり棚差しになりますし。
 けっこうあるんですよー。自分の本が発売日に棚差しされて、背表紙しか見せてもらえていない本屋さんだとか。


 地方の書店で、ラノベを扱っているようなそこそこ大きな本屋にまで、5冊なり10冊なりという配本を届けるためには、まあちょっとアリエナイぐらいの部数を刷る必要があります。


 ラノベをそれなりに扱っている書店数は、僕の推定では4000店とみています。


 ちなみに全国書店数は減り続けていて、現在14000店舗程度。ただし教科書専門の書店などもあるので、実際の書店数はもうすこし少ない。そのなかでラノベをそこそこ置いていて各レーベルの新刊を並べる書店が4000店ぐらいという話。
 このへん、本業の方が出てきていただけると、「推定」じゃなくて「実数」のデータが出るかもしれませんが。


 ――で、その4000店のうち、都市部の大型書店や、専門店は、何十冊もガッツリ持って行きますので、1万前半程度の初刷り部数だと、へたすると地方店には1冊も届かないことがあったりします。


 「宣伝活動」のうちで、初刷りを増やすことが、最大の支配的要因なのだとして。
 高いポイントをとることが、その初刷りを増やすことに、どれだけ貢献しているかというと――。


 ここはレーベルを二つに分類できますので、その両方について説明します。


 まるきりゼロでもないのですが、かなり、弱いです。


 初刷りの部数を決める支配的要素は、「実績」というものです。


 「実績」とはなにかというと――。
 同じ出版社内で、その作家の前シリーズが、どれだけ売れたのかという数字です。


 高いポイントを取っている作品であっても、そのレーベルでの初めての書籍化であると、「実績」はゼロとなりますので、えー、そのポイントなのに、その部数ー? ってなることもあります。
 前シリーズが売れゆき好調だと、同じレーベルでの2シリーズ目は、逆に、え? このポイントなのにこんな部数に? と、上方修正がついたりしますが。


 ちなみに、本来の意味での「宣伝」の効果がでてくるのは、いきなり同時コミカライズ動いたりするあたりです。累計5~10位以内からだと、起きるっぽいです。
 しかしこの手のケースだと、やはり初刷り部数も破格に多いので、結局、宣伝活動で売れるのか、「初刷りがあって店頭で露出されていたから売れた」のか、分離できません。

2017/03/16 16:13

>shinkoshotoさん

>>ポイントが書籍版の初速と関係が深いのは、宣伝の問題だったんですね。
>>今までずっと不思議に思っていましたが、ある程度納得できた気がします。



 「初刷り部数」まで含めたものを「宣伝」というのであれば、それは「宣伝」のせいだとして問題ありません。
 ……が、初刷り部数を除いた、その他の宣伝の話でしたら、そこまでの違いはでないですよ。

2017/03/16 16:17

>書店の店頭に並べる、以外の宣伝が無意味とする理由


 これは根拠があります。
 僕は毎回、新刊出るたびに、独自アンケートを取っていまして……。


http://www.araki-shin.com/araki/cgi/enq/enq.cgi?id=gj1&pass=UNLUCKY&mode=result


 だいぶ昔のデータで恐縮ですが、GJ部1巻のものです。


 こちらを見ると、「店頭で知った」が70%なのですね。
 その他のもので、大きいのは、「折り込みチラシ」が10%。
 その他は、もう、「誤差」と無視してもいい低い率で……。


 まあ7年前のデータなので、スマホが普及したいまだと変わっているかもしれませんが。
 サンプル数が300も取れるアンケートは、最近、取れていないですよね。


 「店頭で知った」が70%である以上、店頭に置く、平置きして表紙を出す。
 ――を超える「宣伝」など存在しない、というのが、僕の結論であります。

2017/03/16 16:19

>原液濃度の話


 原液濃度のほうが、熱烈に好きな人が出ます。
 でも一般ユーザーはカジュアル層なので、「より多く」に売って行こうとすると、薄めなくてはなりません。


 フォーミュラカーを運転できるのはF1のプロドライバーだけですが、デチューンしまくって、性能を落とまくっていけば、「スポーツカー」として、アラフォーのおじさんでも、運転できるようになります。


 多くの読者は、「スポーツカー好きの一般人」なんですね。
 A級やB級ライセンス持ってるような人は、本当に少ないんです。だから超純度のフォーミュラカーを造っても、少ない人数にしか売れない。


 新海誠だって、原液濃度でやってた頃は、濃ゆい層に熱烈に支持されてましたが、マイナーだったじゃないですか。
 そして新海汁を10倍か20倍希釈ぐらいにして、ナルシス感傷男のモノローグ濃度を、ほとんど感じさせないぐらいまで希釈したら、もんのすげー売れたじゃないですか。


 「君の名は。」が、もし、原液濃度でやってたら、絶対に、あんなに売れたはずないでしょう。一般人には致死量っすから。
 カルピス原液を一気飲みしたら、普通の人は、救急車のお世話になるのでは?

2017/03/16 16:29

>natsuki0710さん


>>「書きたいもの」と「売れるもの」が自分としてはそこまで異質には感じられないため、「擦り合わせ」という発想にそもそも至らないという意味でもございます。


 「感性」にあぐらをかいて、慢心していると、数年~10年後に苦労しますよー。
 いつか時代のほうが変わったとき、ズレを修正できなくて、「いまの若いやつらはダメになった」と愚痴るオジちゃんになるわけです。
 あ、貴女の場合は「オバちゃん」ですね。


 これは僕の師匠の言葉なのですが、「感性はいつかズレる。ズレたときに修正するには、技術がいる」


 だいたいいつの世代でも、一回り(12歳)年下の人たちって、基本、ウチュウジンなんですね。

2017/03/16 16:43

>でもだいたいにおいて、書籍化作品は、「ポイントなり」に実売の数字が出ることが、「観測された事実」として、成立しています。
>全体数の8割ぐらいは、ポイント通りの売り上げ推移となります。

>「中身がよい」ことは、本当に伸びてゆくための必要条件ではあります。しかし十分条件ではない。

>ここで間違えてはならないのは、5万、10万伸びしてゆく内容があったとしても、パッケが悪ければ、すべて「無駄」に終わってしまうということです。

>そして、どちらが優先されるべきかといえば、先に見られるものが「外見(パッケ)」である以上、外見(パッケ)のほうでしょう。

これらに関しては、私も同意します。
そして、この中からは

・書籍化作品の実売は『ポイントなり』に出る
・そのポイントは、ある程度まではパッケージだけで決まるが、それ以降は内容が必要条件となる

ということも読み取れます。
この2つをあわせると、書籍化作品の実売は、ある程度まではパッケージで決まり、それ以降は内容が必要だということになります。
つまり、書籍化以降のことを考えるのであれば、内容の影響は、そこまで軽視できるものではないということです。

これについてはどう思われますか。

また、書籍化で売れている作品は特にジワ売れ方だという訳ではなく、売れる作品は、初動も高く出ている傾向にあるように見えます。
私個人としては、過去の傾向から(原理はともかく)内容は売り上げ、1巻初動にも小さくない影響を及ぼしていると考えているのですが。

WEB作品に関しても「売れているから売れている」というのはある程度は当てはまるとおもいますが、それだけでは同時期に同ポイント帯に出てきた作品どうしでも最終的なポイントに小さくない差がつくケースが多いことに説明がつかないと思います。

2017/03/16 16:47

shinkoshoto

>架神さん


>>新木先生は1/1000にしてフラストレーション溜まったりはしないのでしょうか。そこは、読者のリアクションによる快感でクリアできる感じなのでしょうか。


 昔、さんざんやって、ある程度満足したのと。(○2歳ヒロインの○慰シーンとかラノベで書いてたり)


 最近は10倍の分量、書いてますので、1冊1冊に込めるものは10分の1で済みますので。


 「モチベは書ききるための最小限度だけあればよい」っていう見切りで、きっかりその必要量だけ、「自分汁」を投じるように調整してます。


 読者のリアクションによる快感とかも、じつは、あんまり大きな要素ではなくて――。
 単に「書く」それ自体の快感で生じるモチベでも足りるかなー。
 でもやっぱり、「投稿」ぐらいはしたいよなー。って感じです。


 投稿して連載させてくれる仕事であれば優先して出来ますし。
 書き下ろしオンリーで、そこが、どうしてもまからない仕事であれば、モチベがたくさん必要になっちゃうので、後回しになっちゃう、みたいな。



>濃い薄いの話


 濃い薄いの話で、面白いのが――


 小説 > コミカライズ > アニメ


 ――の順で、よりユーザー数のほうが多いメディアに下るに従って、作品に含まれる、「毒」の濃度が減るんですよね。


 たとえば、小説では、きつすぎるぐらいの性格のキャラが、アニメではかなり丸くなっているとか。


 これは、よりカジュアルなユーザー層に向けて「デチューン」したわけです。

2017/03/16 16:44

新しい会場を用意しようかと思ったのですが、新エピソード周りに若干の不具合があったので、もうしばらくこのまま本会場でお願いします。スマホユーザーの方にはお手数おかけします。

2017/03/16 19:39

>shinkoshotoさん


 内容は売れ行きと関係あるか。
 WEB連載の場合と、書籍の場合のケースとを、混同して、同列に扱っているところが誤りで、そのせいで間違った結論に至ってしまっているのではないでしょうか。


 書籍の場合、1巻の「内容」が、1巻の売り上げに影響を及ぼす、ということですが。


 WEBの場合には、5000文字にも満たない細切れで掲載されています。
 「内容」の影響が、ブクマの増加に影響を及ぼす可能性は、第1話が掲載された以降にはじめて発生して、その後、回数が増えるにつれて累積してゆきます。


 特にKさんの主張する「後期ブクマ読者」の存在を仮定するなら、後期ブクマ読者は既存の連載回の「内容」を吟味してからブクマを投じるわけですし。


 同じように、書籍の売り上げのほうでも、内容を吟味する読者が一定割合存在するのだと仮定します。
 でもその読者が内容の吟味に移れるのは、「1巻を購入してから」となるはずです。
 2巻目を購入するかどうかの判断は、「1巻」の内容に100%依存しています。
 ですが、1巻、それ自体の売り上げには、なんら影響を及ぼしません。


 これは、書籍が「料金前払いシステム」であることの特性です。
 WEBでは小説は、前払いではないのですね。しいていうなら「時間課金」みたいなもの。払うのは自身の「時間」です。つまらなかったら、いつでも、やめられます。
 しかし書籍は、中身を見るために、まず全額を、前払いで払わなければなりません。


 飲食店で、「味」をみるためには、まずお金を払って「お客」にならなければならないことと同じです。
 初見のお客さんが、ある店に入って食事をするときには、「味」を知らないのに入る店を決めるわけです。このとき、なにを持って決めるのか?
 すくなくとも「味」そのものは関与していないはずです。だって食べていないんですから。


 ここでもちろん「立ち読みしてから決める読者もいるでしょ」という話が出てくると思うのですが……。
 もちろん、いるでしょう。
 しかし、立ち読み読者は少数派でしょうし、立ち読み読者は吟味してから買うことになるので、吟味しないで気軽に買って積ん読している読者に比べれば、存在数×購買数の掛け算の結果が、圧倒的に少数となります。
 さらに、ラノベは書店の半数以上で「シュリンク」されて、中身が閲覧できないようにされています。物理的に立ち読み不可能なケースも多いわけです。
 よって、1巻を立ち読みしてから決める読者は、「ほぼいない」と切り捨ててしまっていいかと思います。


 また「口コミなどの評判で」――という話もあるでしょう。
 しかしそちらについては、「7割は書店の店頭で初対面」というデータで否定されてます。


 あるいは上の飲食店の例では、「行列ができていて賑わっていそうなので」というケースもあるでしょう。
 それこそまさに、「書店の店頭でどれだけ平積みされているか」ということであり、初刷り部数の話となります。


 ということで――。
 多くの――たとえば8割ほどの読者が、「味を知らずに店に入る」のと同様、「内容を読まずに買っている」のである以上、「内容」が1巻の初速に影響を及ぼすと考えることには、はなはだ、無理があります。

2017/03/17 00:15

歴戦の新木さんからみて、長く生き残る作家の条件って何でしょう?


作家性は呪いだという新木さんの言葉は、とても重大に受け止めていますし、学びに繋げたいと考えています。
ほかに作家性以外で、こういう要素を押さえなくてはならないというものはありますか?

2017/03/17 00:43

>多くの――たとえば8割ほどの読者が、「味を知らずに店に入る」のと同様、「内容を読まずに買っている」のである以上、「内容」が1巻の初速に影響を及ぼすと考えることには、はなはだ、無理があります。


はい。理屈の上では、私も無理があると思います。少なくとも私には、内容が1巻の初速に影響を及ぼす理由は説明できません。
しかし実際のデータを見た印象として、『後期ブクマ』の影響が、売上にも出ているように見えるのです。新木先生が『内容は超高ポイントの必要条件だ』と仰っていた通り、超高ポイントになるには『後期ブクマ』が必須になりますし、その分のポイントも、売上に出ているように思います
気のせいでしょうか。
気のせいでないとしたら、何かまだ分かっていない、あるいは軽視されている要因が、売上に関係していると言うことになると思います。
理屈と観測結果が違っているということは、観測の誤差が大きいか、理屈に穴があるということですので。

もちろん近似としてはパッケージのみによる判定もある程度の有効性を持っているとは思いますし、使い方によってはその荒さの近似であっても問題ない、ということはあるのでしょうが、個人的には隠れている(かもしれない)ファクターに興味があるのです。
売上の原理をより詳しく解明するということは、売上の出やすい方法を逆算することにも役立つように思いますので、

2017/03/17 01:00

shinkoshoto

>内容が売り上げに及ぼす影響


 それは超高ブクマの領域の話ですか?
 すくなくとも10万ポイント以上。15とか20万とか?


 ブクマ数の5%程度は書籍も購入するという関連データがあるので、それで説明つくのでは?
 有意な数の下駄をはける超高ポイント領域では、後期ブクマが重要になるので、見かけ上、後期ブクマと関連があるように見えるとか?


 10万ポイントあれば、ブクマ数は8万で、その5%は4000なので……。


 初速に+4000部の下駄はけると、だいぶ、世界が変わりますが。


 ちなみにここの「ブクマ数の5%」という数も、経験上、そうなっているというだけで、本当にブクマしている人たちの5%が書籍も買っているという話ではないですね。


 ブクマせずに作品を読んでいる人の人数は、ID取得者の数倍いると仮定できるので、
 実際には、定期購読している人の1%とか、そんなものになるはずで……。


 ただし、その数はブクマ数と比例するものであり、ブクマ数の5%の数値になります。


 ブログの記事などでアドセンス広告を張るとPV数に対して1PV=0.1円が発生するとかいう、経験上、統計上の数値とか、そういう感じです。

2017/03/17 01:37

ありがとうございます。かなり納得できました。

超高ポイント帯においては、webからの購入者が無視できない値になるということなのですね。
ブクマからの実売に関するデータは知りませんでしたので、参考になります。
ブクマは1個2点なので、10万ポイントだと4万程度になると思われますが、その5%の2000部でもかなり大きいですね。

2017/03/17 01:43

shinkoshoto

ああ。計算ミスでした。


10万ポイントですくなくとも4000の下駄はあって、それよりすこしあるかも……。ぐらいなので。

ブクマ数の10%が、正しい推測値。

大雑把に計算するなら、ポイントの5%でいいかと。

2017/03/17 02:06

それだと、なおさら大きいですね。訂正ありがとうございます。

2017/03/17 02:12

shinkoshoto

 ポイントと実売の関係。まとめ。


 細かい計算だのといったものの信憑性はおいておいても、一つだけ、確実に言えるのは……。

 ポイントの超絶多い作品と、すごく多い作品と、中くらいの作品と、書籍化ギリギリラインの少ない作品との間には、不等号の関係があるということです。

 ポイントの大小と、売り上げの関係。


 超絶多い > すごく多い > 中くらい > 書籍化ギリギリ


 ここの関係が変わるようなことは「例外」といっていいぐらい、起きません。
 8割の書籍化作品は、ポイントなりの不等号関係となります。


 2割ぐらい、イレギュラーがでますけど、これは「例外」でいいのではないかと。
 パッケミスしたらポイント通りにならなくなるし、パッケミスしていなくても、なにか他の要因で上下しているかもしれないし。


 僕は自分の作家人生をチップとして張れるだけの確度があればいいので……。
 8割も相関性が出ているなら、全額、張り込みますけどね。

2017/03/17 02:48

 数字の精度の話。


 ちなみに、新木は、バシバシ、なんか根拠もない数字だとか、割合比率だとか、出してきていますけど。
 論文書いているわけでもないので、いちいち、証明、立証、正確度の根拠、などは、提出していません。


 学問としてやっているわけではなく、自分が作家生命をチップとして賭けて、しくじっても自己責任で納得できる、ていう程度の低い精度でやっている情報を、そのまま流しているだけですので、そこの数字、おかしいんじゃね? とか思った方は、ご自分で裏を取っていただけると助かります。
 だいたいの数字は、ネット上だけで、調べようと思えば調べられます。


 たとえば、書籍化作品のポイント数と、売り上げの数値なんかは、なろう2000と、「書籍ランキングデータベース」の「推定実売数」などで裏が取れます。
 数百や数千の作品を追跡調査して、統計取って、やっぱり8割の相関性があった――とか。いやじつは7割しか相関していないぞ! ――とか、判明しましたら、教えていただけると幸いです。


 あと、新木はバシバシ断定していますけど。


 「~という可能性も考えられないことはない」なんていう話しかたをしていると、話がなにひとつ進まないからで……。
 断定調で胡散臭いのは、ご容赦ください。

2017/03/17 03:46

>>歴戦の新木さんからみて、長く生き残る作家の条件って何でしょう?

>長く生き残る作家の条件


 逃げるタイミングを見誤らないことですかねえ。
 作家が消える理由は、すべて100%、「書かなくなる」からです。
 それ以外の理由は、ありません。


 書き続けているのに、消えた作家は、一人もいません。


 まあ「物理的に死んだ」という理由もありますが、これも「書かなくなる」に含めていいかと。
 物理的に生きているのに書かなくなるのは、書けなくなるからです。


 モチベが消えたとか(呪いが解けたといいますが)、売れなさすぎて諦めたとか、逆に売れすぎちゃって書かなくても食えるようになっちゃったとか、眼高手低になりすぎて、なにを書いても自分で満足できなくなった、などの消失原因もありますけど。
 いちばん多いのが、「壊れた」ではないかと。


 頑張って頑張って、対人ストレスと戦って執筆するのも、作家としては大事なんですが……。

 編集さんとは、ほんと、「相性」なので……。
 折れるところまで頑張り抜いてしまって、折れて終わっちゃった戦友を、いっぱい看取ってきました。


 中破したなら、逃げましょう。
 中破したまま、まだもうすこしはいけるはず、と、義務感や責任感なんかで夜戦突入するのが、轟沈の最大原因です。


 「帰ろう、帰ればまた来られるから」と、木村昌福少将も言いました。


 ちなみに「艦これ」ネタです。


 新木は大破2回、中破3回くらいを経験していまして……。
 大破状態で進軍していた最初のときが、いちばん、危なかった……。


 最近は引き際を覚え、逃げ足が早くなったので、たぶん、もう沈められることは、起こり得ません。





>逃げるタイミング以外の要素


 感性なんて、どうせ10年で時代と真逆を指すようになってポンコツになるのですから、10年以上生き延びたければ、感性に頼らない「目」と「方法」を得ることかと。


 いつか必ず、そう遠くない10年内外のうちに、世の中すべてが、貴方の大嫌いなものばかりを、もてはやすようになります。


 そのときに、大嫌いなものを、どうやって書いてゆくのか。
 大嫌いなものなのに、ぜんぜん勘所なんてわからないのに、てゆうか、わかりたくないのに、どうやって「勘」を得るのか。


 それが、「目」であり、「技術」というものです。


 ちなみに10年後の苦難をやりすごして、20年目に突入すると、真逆の真逆になりますので、だいたい近いところに時代が戻ってきます。
 大嫌いなものでさえ書きこなせるようになっている人間にとっては、合わせるのは造作もないことで――。
 30年目から、また冬が来ますけどね。しかし、2度目の冬なら、対処できるでしょう。40年目にはまた春が戻って来るって、もう、わかっているわけですし。





>適者生存の法則


 生き延びるものは、強いものでも、優れたものでもなく、「変化」するものだ。


 ――というのが、生物界における適者生存の法則です。


 上記の「感性と真逆のものでも書きこなす技術」のところとも関係しますが。
 変化する能力というのは、可塑性ということになります。


 可塑性を得るには、ひとつは、「覚悟」。
 自分の大嫌いなものであっても、一定量の覚悟さえあれば、自己で脳改造を行って、好きになることは充分に可能です。脳改造というのは新木用語で、自己洗脳ともいいます。


 「変わる」ための行程のうち、「変わる覚悟する」までの手間がおよそ8割ほどで、覚悟完了してから、現実に変わるための実作業の部分って、じつは、ほんの2割程度なのですね。
 これは、夏休みの宿題をやる決意を固めるまでの「苦悩」が8割で、宿題片付ける実作業のほうは2割程度であるのと同様です。


 また、可塑性を得るためのもう一つの重大な要素は、「専門化しない」ということです。


 例えば鳥類の進化でいうと、ハチドリっていますよね。花の蜜を吸うことだけに特化した鳥です。南国のいつでも花のある環境に完璧に適応していて、その環境下では、最強です。
 しかし、あの鳥は、花がなくなれば、死滅します。
 適応進化しすぎたために、袋小路に入ってしまっていて、花以外のものを食料にすることは、もはや不可能です。


 鳥類のなかで、もっとも汎用性を残しているのは、カラスと言われています。


 カラスは、およそ、どんな環境にでも適応していけます。
 いまの形態から、猛禽類にもなれますし、雑食にも進化できますし、小鳥にもなれるし、長距離を飛行する渡り鳥にも進化可能です。
 言い換えると、「スキルポイントを最も多く残している鳥」が、カラスということです。


 現在の環境に、過度に適応しすぎると、その時代においては勝者になれるのですが、時代が変わるおよそ10年後には、進化不能となります。
 スキルポイントを使い果たしていますので。


 時代への適応は最小限に。スキルポイントは常に少し残しつつ、いつでも可塑性を保っておけ――。
 つまりこれは、大勝ちするな、ということになります。
 勝ち組になるな。負け組でいろ。


 次の時代の覇者となるのは、常に前の時代の負け組ですから。
 恐竜が滅びて哺乳類が地上を支配したみたいに……。哺乳類なんて、恐竜時代には、恐竜の足下をちょろちょろ這い回るネズミ以下の小動物だったわけです。


 んで、負け組が下克上で天下を取った次の時代においても、また負け組でいろ、ということになります。
 次の時代で天下を取っちゃう側に回ると、そこの時代の終わりとともに滅びますので。

2017/03/17 04:38

> 書き続けているのに、消えた作家は、一人もいません。

周りを見ていても、これはその通りだなと思います。プロ作家にとって、ここを明快に押さえておくだけでも生き残り率は違ってくるものと思います。作家にとって最大のエールの言葉ですよ。


>10年で時代と真逆を指すようになってポンコツになる

小説家としては自分もそろそろ10年選手なので、デビューしたころとはだいぶ景色が変わったなぁとつくづく感じます。次の10年は、もっと急激に展開しそうですね。
幸い自分は小説以外も書いていけるので、ぼちぼち他にも手を広げておき、小説業界の荒波を躱して乗り切ろうと思ってます。

2017/03/17 10:20

お待たせしました、Part9会場を用意しました。

こちらは締めて、会場を移動して頂けますと幸いです。
よろしくお願いします。

2017/03/17 10:29

>数字の精度の話


なるほど。そういうことでしたか。
私もデータは自分で使えればいいので、特に立証などはしていないのですが、正確性の高くなさそうな部分に関しては「こうかも知れないけど、まだ言い切れないなー」くらいの感覚でいて、その中で特に「分かれば、リターンが大きそう」な部分に関しては自作で試していくようなスタイルですので、バシバシ断定していくのに違和感を感じたんですね。

2017/03/17 10:22

shinkoshoto

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