黄昏のクレイドリア

6-4

エピソードの総文字数=1,345文字

<供犠の塔・地下1F>
で、魔術師サンよぉ。
いい加減何をする気か、
俺たちに教えてくれても
いいんじゃないですかねぇ
さっさとハンドルを探せ
くそ……
雑然とした地下で、
ようやく機械仕掛けを見つけた3人は、
それを作動させる為、各々灯を頼りに、
一帯を探索していた。
あっ!
これじゃないか?
めぼしいものを発見し、
イーリアスの元へ駆け寄った少年は
埃をおおまかに払い、彼に手渡した。

イーリアスがそれを受け取り、機械装置へ
その細長いハンドルをあてがうと、
ぴったりと収まった。
当たりだ。
へへっ
仕掛けを動かすべく、
イーリアスは収まったハンドルを掴むが、
そこで彼の動きが止まった。
……あんた達、
腕力におぼえのある者は?
はぁ?
もしかして おまえ、
ハンドルが固くて回せないとか――
話してやるから、回せ。
へいへい
イーリアスの態度に慣れてきたのか、
適当に返事をして、男はハンドルをぎこちなく回し始める。
すると、塔の仕掛けが動きだしたのか、
ゴトゴトと音をたて、内部へと響き始めた。
それでだな、まずこの塔は……
あぁ?!なんか言ったか?!
…………。
仕掛けの作動音が五月蝿いのだろう、
聞こえませんというように、
男はわざとらしく 片手を耳にかざしてみせていた。
この塔はアーティファクトで
小っせぇ声だな、腹から声出せ!!
この塔はアーティファクトだ!
(んだよ、声出せるんじゃねぇか!)
お前たちが知っているかはわからないが、
ロージアは今でこそ特産物の奉納によって
儀式を完了させているようだが……
本来、魔術の媒体として、
最も適しているのは人間。
いわゆる人身御供だ。

この塔も、それを想定して建てられている。
あーはいはい、
そんなことだろうとは思ってたけどよ!

なんだって魔術師って奴等は、
ばかの一つ覚えに
同族の人間を犠牲に
したがるんですかねぇ?!
俺達が植物を喰らうよりも、
牛や羊の肉を喰らうほうが
腹が膨れるし力が出る。
魔力もそれと変わらないだけだ。
クソッ、
ふざけたことをぬかしやがる
そして…今問題なのはそこじゃない。

重要なのは、この塔が
アーティファクトである以上、
何がしかの目的を達成するための
術式が組まれているということだ。
ごめん、
そもそもアーティファクトって何?
古代から存在してもなお、
未だ効力が衰えることのない、
すごい魔巧具だ!
すごいわかりやすい!ありがとう!!
遮ってごめんな、続けて!
ここからは全て俺の憶測だが、
この仕掛けが、おそらく窓の開閉装置だ。

窓を開けることで光を取り込み、
その光によって術式を発動させるとか……、
おおかたそんなカラクリのはずだ。
えーっと……
仕掛けを動かすと何かが起こる!
何か、って……
おいおい、そこはわからねぇのかよ?!
あぁ。だからこうして
仕掛けを作動させ――――
言いかけた言葉が、
とある音によって かき消された。
実際はイーリアスの放つ声よりは
小さな音だったが、その音が、生じた事実が、
その場に居た一同の肝を凍らせた。
あ、アニキ、それ……
…………
……あぁ、
ボキッ っていったな。ボキッ……って
…………。
そんな目で見んじゃねぇ!
仕方ねーだろ、もともと穴に挿す部分が
ぐらついてたんだよ!!
随分と楽しそうだね。
!!
振り返ると、薄ら笑いを
灯でゆらめかせながら、魔術師は立っていた。
さぁ、君たちの望む、
最後の儀式といこうじゃないか

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