フェンリル娘と始める異世界生活

11話:ランクF:おおねずみ間引き作業

エピソードの総文字数=1,620文字

シューマとガラムは巨大掲示板のようなものの前まで歩いていった。

その中から選ぶのだろうかと年甲斐もなくわくわくしていると

ガラムはその掲示板の前を素通りした

(あれ。ここに貼ってあるのが依頼書なんじゃないのかな)
シューマはガラムが何の目的でこの掲示板の前にきたのかといぶかしんでいると

ガラムは掲示板のかかった壁の左の奥の突き当たり、大部屋の隅のところに向かった。

そこには机が1つ置いてあり、掲示板に貼ってある紙の4分の1の大きさに切り分けられた紙が束になってうずたかく積まれていた。

使い古されていることがすぐにわかるほどのボロボロさだ。

表にはランクF依頼書うにゃうにゃと走り書きのように書いてある。インクがにじんだりかすれたりでめちゃくちゃ読みにくい。


(これランクFの依頼書だ! しかもこれ裏紙っ!)
経費削減とは言え、シューマのようなランクFの扱いがどのようなものか透けて見えるようだ。

十把一絡げ。ランクFとはそうなのだろう。

ランクFの依頼書はこれだね。

これは補充用かな。

明日、シューマはこの紙をもって別館に行って欲しい。

ここ、協会本館の横にあった小さな建物だ。

あれが別館。

ちなみに言ってなかったけど、基本、この本館はランクD以上が利用する施設なんだ。

ランクFとランクEは協会別館が担当することになってる。

それも住み分けなんだ。

ランクが一個違うだけで依頼内容がガラッと変わるからね。

協会の対応も変わってくるんだ。

だからちょっと僕だけ場違い感あったんですねぇ!?なんかドレスコードあるような気がしましたもん!
ごめんごめん。

ちなみになんで分かれてるかというと、数が違うんだよ。

ランクFは誰でもなれる。全体の8割がランクFと言える。

いわば入門者なんだけど。

開拓者は一見華々しい職業だ。英雄や救世主、王の側近、戦神、重要なポストにも開拓者の割合が高い。大金持ちの開拓者も沢山いる。

だから夢を見て一発当ててやろうとして入門するんだ。

「ランクF≪ボトムズ≫」は職につけなかった人間の最後の職とも言われている。

協会も埋もれた才能は発掘したい。でも管理するのは費用対効果的に無理。

だったら別館にまとめてイモ洗いしよう。そう考えたんだ。


だからあんなに、小さな建物にうらぶれた人が沢山たむろってたんですね。

そうか、イモか……

ランクFの全員が質が悪いということはない。

中には才能がまだ開花しておらず、思ったようにランクアップできない人間もいる。

ランクFの上位とランクEの下位とでは、思ったより段差があるものなんだ。

ランクFは開拓者全体を支えるたたき台なんだよ。

(ガラムさんはどのランクくらいなんだろう。でもなんか年収聞くみたいで聞きにくいな)
あの~。ガラムさんはランクとか持ってるんですか?
ああ! 俺かい? 俺の場合はちょっと違ってて、都市防衛の防衛騎士≪シュバリエガード≫だから開拓者としてのランクは持ってないんだ。

便宜上平騎士でランクC下位、俺の場合は東地区部隊長だからCランク上位からBランク下位ってところだね。

実際には都市の権力も絡んでくるから厚底靴をはかされているんだけどね。

さっき聞いたかもしれないけど、ランクCっていうのが「プロ」、開拓者としての能力を十全ともった存在と扱われる。

そこからは個人依頼がくるようになって、また環境が変わってくるんだ。

協会の保護がなくなり、協会と共に活動するようになる。

(従業員から役員になるようなものかな?)
そこらへんはおいおい知識を入れていったらいいよ。

じゃあとりあえず最初の依頼は「下水道内のおおねずみ間引き」だ。


いきなりなんですね。僕にできるかな。
大丈夫。今日の午後からは剣の簡単な使い方を教えてあげる。

おおねずみレベルだったらただの木の棒でも倒せるくらいだからね。

自分が怪我しないように剣を振れさえしたらいいよ。


よろしくおねがいします!
そしてシューマは明日に備えてガラムから剣の手ほどきをみっちり受けることになった。


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