アストロン~他人を操れる四駆マシンで自由を手に

荒野の決闘 カウボーイVSメガネ 後編

エピソードの総文字数=5,198文字

「Jリブライダー、アカデミックに行きましょう!」
2018/01/10 20:52
「GO! Wガトリンガー!」
2018/01/10 20:53
レーススタート。ビリー&秀仁はフォーミュラモードの愛機をコックピット内で操縦し、荒野を縦横無尽に駆け巡る。

その様子を獅子座と射手座の少年レーサーは観戦する。

2018/01/10 20:34
「始まったかぁ。ゴールは先にある給水塔前。でもって、コースは自由……かぁ」
2018/01/10 20:36
「定められた道はない。最短コースをレーサーが判断して走る。……と、思われがちだが……。さぁ、どうなることやらだな」
2018/01/10 20:37
ハンドルを握り、操縦中の秀仁はチラと隣=W顔ガトリンガーに搭乗するビリーを見やる。が、すぐに前を向き直す。
2018/01/10 20:38
「ビリー錦戸。アメリカ人の父と日本人の母の間に生まれ、幼少期より父から野球の英才教育を受けた野球の申し子……。典型的なスポーツ選手の生い立ちですね」
2018/01/10 20:39
秀仁は少し顔を顰め、鼻で笑う。

少し昔の事を彼は思い起こしていた。

――学生時代、いつもクラス内の中心で輝いていた体育会系の連中から逃げるように背を向け、一人黙々と勉学に励んだ日々を。

2018/01/10 20:41
「ふん。今更嫉妬なんかしませんよ。そりゃあ、身体能力は高いことに越したことはありませんよ。……ですが、英才教育を受けたとしても結果が実るかは分からないし、プロに成れたとしても、所詮は寿命の短い儚き流れ星……。スポーツなんて、遊びとしては不平等極まりない欠陥品。プロスポーツ選手という職業も職業として欠陥品。関わらないのが一番ですよ。冷静に考えてみればね」
2018/01/10 20:42
コックピット内のコンソールを秀仁は叩く。

コースマップからゴールまでの最短距離を算出し始める。

すぐさま、最短ルートを割り出した。

高度な演算能力を持つ天秤座のマシン・Jリブライダーと頭脳明晰な秀仁には造作もないことだった。

2018/01/10 20:48
「よし。路面状態も考慮すれば、このルートがベスト。さぁ、Jリブライダー。僕らの実力を魅せてやりましょう!」
2018/01/10 20:51
秀仁の的確なハンドルさばきに呼応し、リブライダーは華麗にコーナリング。

建物から建物の間を通り抜けていく。

そして、チラと秀仁は横を見やる。左右どちらにもガトリンガーの姿が視認出来ない。

2018/01/10 23:00
「おや? かなりリードを広げたのでしょうか? Wガトリンガーはコーナリングが苦手なのでは?」
2018/01/10 23:03
そう推理したのも束の間、隣の小屋がド派手に破壊。まるで爆破されたのようだった。
2018/01/10 23:04
「!? なんですかこれは一体?」
2018/01/10 23:05
粉々にされた家屋の木々を吹っ飛ばし、家屋の中から猛牛……否。牡牛座のアストロン・Wガトリンガーが飛び出て来たのだ! 

このハチャメチャな光景に秀仁も勝獅・馬慧らも衝撃を受けた。

2018/01/10 23:06
「デストラークショーン! イェアァ!」
2018/01/10 23:08
Wガトリンガーの目前には次の小屋がある。だが、避けようとする気配は微塵にも無く、堂々と猪突猛進した。

そして、先程と同じようにガトリンガーは家屋を貫通してまたド派手に脱出したのだった。

2018/01/10 23:09
「そんなバカな……。信じられない」
2018/01/10 23:11
「スッゲェ……。まさに荒ぶる荒野のバイソンだぜ」
2018/01/10 23:11
「相当なパワーと強度を誇るマシンのようだな……」
2018/01/10 23:12
「デストローイ? デストローイ! デストラークショーン! Wガトリンガー、ミーたちに避けるなんて選択肢はナシーング! 思うが儘、突き進むぜイャッハーッ!」
2018/01/10 23:12
もはや、障害物もコースもへったくれもない。

Wガトリンガーはド直球・直進でゴールまでの給水塔を目指していく。

2018/01/10 23:14
「く……。拙いですね。最短ルートを走られてはこちらに勝ち目がない……。このままでは……。仕方ありません。ひとまずは!」
2018/01/10 23:15
秀仁は即座にハンドルを切り、JリブライダーはWガトリンガーの真後ろへ回り、ずれる事無くガトリンガーを追走した。
2018/01/10 23:16
「ホワッツ? スリップストリームかっ?」
2018/01/10 23:17
「後を追えば、僅差にまで詰められる上、スリップストリームでパワーの温存も可能。しかし……」
2018/01/10 23:18
「おっ? 天秤メガネのにーちゃん、考えたじゃねぇか」
2018/01/10 23:19
「現状あれが得策だな。だが……」
2018/01/10 23:19
「おいおい、ミスターリブラ。フォローイングだけで勝てると思っているのかぁ? 障害物の無い場所で勝負をかける気だろうが、前にいるミーがソレを許すとでも思っているのか? オケーイ。お手並み拝見といこうじゃないかっ」
2018/01/10 23:20
「(マシンを操縦しながら焦燥)何か……。何か逆転の手立ては……?」
2018/01/11 19:28
一方その頃、桜華・麗羽・更雪の女子3人はスイーツバイキング後、カロリー消費すべくプールで水泳をしていた。

ちょうど今。ざっと泳ぎ終えて、一息ついていた。

男連中の激しいレースとは温度差のあるまったりとした光景であった。

2018/01/11 19:29
2018/01/11 19:54
2018/01/11 19:54
2018/01/11 19:54
「ふぅ。結構泳ぎましたわ。更雪デトックスでしてよ」
2018/01/11 19:54
「マツコデラックスみたいな言い方すなー(笑)!」
2018/01/11 19:56
「(苦笑)アハハ……」
2018/01/11 19:56
「それにしても、麗羽さん。おっぱい大きいですわねぇ」
2018/01/11 20:55
「それ、あたしも思った。あんた、脱ぐとスゴイタイプなのね」
2018/01/11 20:56
「(照れ)いやいやそんな……」
2018/01/11 20:56
「触らせて貰ってもよろしくて?」
2018/01/11 20:57
「えっ? ど、どうしても触りたい?」
2018/01/11 20:57
「えぇとっても! わたくしの中のエロオヤジが燃え滾っているほどに!」
2018/01/11 20:58
「エロオヤジって……」
2018/01/11 20:58
んまー、女子同士なら別にイイんじゃないーい? でもどうしても嫌なら嫌って言ってもイイケドさぁ」
2018/01/11 20:59
「(少し逡巡し)……。十秒だけなら」
2018/01/11 21:00
「それでは、高水更雪。この渚のデカメロン2つ、いただきますですますわ!」
2018/01/11 21:00
「いや、ですますわって何?」
2018/01/11 21:02
更雪の両手の指がうねうね動き、麗羽の豊満な乳房を鷲掴み。思う存分揉みしだいた。
2018/01/11 21:02
「あ……あぁん……♡ ダ、ダメェッ……」
2018/01/11 21:03
「うわ……なにこの娘、エロ可愛いんですけど。あたしが男子だったら堕ちているかも」
2018/01/11 21:04
「いやぁ。それにしても、楽しい毎日ですわねぇ。大人たちに理想を押し付けられたいた頃が嘘のようですわ」
2018/01/11 19:57
「そうねぇ~」
2018/01/11 19:59
「あっ。そう言えばさ、あたしら以外にも女子のアストロンレーサー、いるのかな? 今のところ判明しているのが牡羊座・牡牛座・獅子座・乙女座・天秤座・射手座・水瓶座の7人と7台のマシン……」
2018/01/11 19:59
牡牛座のビリーって人とはあたしらは会った事無いけど、勝獅くんと半田さん? があった事あるんだってね。でもって、今頃はビリーって人と半田さんがレースしていると」
2018/01/11 20:02
「光我勝獅さん曰く、最低でも黄道十二宮の数だけマシンとレーサーがいるとの予想ですが、そうだとしたら残りは双子座・蟹座・蠍座・山羊座・魚座の5つが不明ですわね。あらら、水の宮が全部不明とは」
2018/01/11 20:04
「そのうちの何人かが女子か? って話ねぇ~。う~ん。あたしとしちゃあ、山羊座は男子であって欲しいかなぁ。羊と山羊ってなんか被っているし(笑)」
2018/01/11 20:06
「被っているって……。でも全員判明している火の宮は男子2人、女子1人になったことだから、他の宮も男子2人、女子1人って構成になるのかも」
2018/01/11 20:07
「えー、ってことはぁ? 乙女座が土で土の星座はもう女子はなし。水瓶座は水属性だから……」
2018/01/11 20:09
「桜華さん、水瓶座は風の星座でしてよ。紛らわしいですけど」
2018/01/11 20:11
「あぁゴメン、そうだった。んじゃー残りの女子は水の星座のうち一人だけってこと? えー、なんかちょっと物寂しいなぁ」
2018/01/11 20:11
「ま、まぁ、あたしの憶測だから……」
2018/01/11 20:13
「纏まりの良さを考えるなら、男子2名×4、女子1名×4がスッキリしますわね。でも、地星座と水星座が男子1名、女子2名にすると、男子女子半々になってこれもキッチリカッチリしますわよ」
2018/01/11 20:13
「あ! それもそーだ。牡牛座はもうビリーって男の人で確定だから、山羊座が女子? んまーやっぱ別にいいっか」
2018/01/11 20:15
「さっきと言っていることが変わっている(苦笑)……」
2018/01/11 20:16
「……とすれば、水星座も女子2名、男子1名。でも、蟹・蠍・魚。どれも未判明なので予想を立てるのも現段階では難しいですわね」
2018/01/11 20:17
「んじゃーさ、もう見つけに行こうよ。他のレーサーを」
2018/01/11 20:18
「えっ? でもどうやって?」
2018/01/11 20:19
「あ……。うっかり」
2018/01/11 20:20
「意外と手掛かりはあるかもでしてよ。ここ最近で改善された業界・ここ最近有名になった人物を狙ってみるのですわ」
2018/01/11 20:20
「なるほど! それならある程度絞り込めるね」
2018/01/11 20:21
「へぇ。冴えているジャン。流石お嬢様」
2018/01/11 20:22
「オーホホホ。もっと褒めて下さいましーっ!」
2018/01/11 20:22
「よーし、そうと決まれば明日から探すとしますか!」
2018/01/11 20:23
「(首肯)うん」
2018/01/11 20:24
「ですわ」
2018/01/11 20:24
画して、桜華たちは自分たち独自で他のアストロンレーサー探しを決意するのだった。
2018/01/11 20:24
所変わって、ウエスタンゲームランド。

秀仁は一転して、コンソールを迅速に操作する。

レース本編ではしばらくは障害物の無い広大なオフロードがしばし続く。

2018/01/11 23:45
「さて、これで上手くいけば良いのですが……」
2018/01/11 23:49
トップのWガトリンガーが走る少し前にドラム缶と自動販売機があるのだが、突如自動販売機が爆発。その爆風を受け、ドラム缶がガトリンガーの目前に転がり始めた。
2018/01/11 23:50
「ホワッツ!?」
2018/01/11 23:52
「どういうこった? 何でイキナリ爆発なんか……」
2018/01/11 23:52
「恐らくハッキングか?」
2018/01/11 23:53
「メガネにーちゃんがやりやがったのか。マジか。操縦しながらハッキングしやがったのかよ」
2018/01/11 23:53
「シット。ドラム缶を弾き飛ばすのはイズィーだ。バット、だがオイルを被る危険性もある。ヌルヌル滑るのはノーサンキューだぜ……」
2018/01/11 23:54
Wガトリンガーは光始め、縮小。トイモードへと戻った。

マシンは小さくはなるが、搭乗しているレーサーも小さくはならない。

モードチェンジの反動でビリーは吹っ飛びそうになるが、持ち前の身体能力で体制を整える。

2018/01/11 23:55
「トイモードに変えやがった。ドラム缶を避けるにはそれっきゃねぇからなぁ」
2018/01/11 23:57
地面にドラム缶が激突し、中身のオイルが四散。縮小化したお陰でWガトリンガーはそのオイルの波を受けずに済み、追うようにトイモード化したJリブライダーも同じく、回避した。
2018/01/11 23:58
「ふぅ。なんとか上手くいきましたか」
2018/01/12 00:00
「やってくれたなミスターリブラ……。ナイス頭脳プレーだ」
2018/01/12 00:00
ビリーは一旦マシンを回収し、足で地面に横一線を引く。
2018/01/12 00:02
「仕切り直しだ。ここから同時にスタートといこうぜ」
2018/01/12 00:03
「(同じくマシンを回収して)いいのですか? せっかくのリードを」
2018/01/12 00:04
「下手に後ろに回られるとデンジャーだからな。それよりかは潔く仕切り直す。それがテキサスの流儀だ」
2018/01/12 00:05
「(メガネを掛け直し)ふふ、いいでしょう。乗ってやりましょうとも。では行きますよ。レディー、ゴーッ!」
2018/01/12 00:07
両マシン、再スタートを切った。

目と鼻の先にあるゴール・給水塔目指し、思う存分ダイチを蹴り上げ突き進んむ。

2018/01/12 00:08
「(破壊された小屋の数々を見渡しながら)しっかし、メチャクチャにしてんなぁ。ここにいた元・スポーツ選手ら、大丈夫かぁ?」
2018/01/12 00:09
「それなら問題はないようだ。あれを見ろ」
2018/01/12 00:10
「(勝獅が指差した方を見やり)あっ!」
2018/01/12 00:11
先程見かけた元スポーツ選手たちはゴール前で観戦していた。破壊された建物の事は気にしている様子はなく、大声出してレースに熱中・応援をしていた。
2018/01/12 00:11
「へへ。盛り上がってやんの。さーて、そろそろ決着かな?」
2018/01/12 00:13
トイモードアストロンと並走してゴールを目指す秀仁&ビリー。

ビリーはふと愛機・Wガトリンガーを見つめ、軽くニヤける。

2018/01/12 00:13
「……エキサイティングしているなぁWガトリンガー。リメンバーするぜ。ユーと出会った時のことを……」
2018/01/12 00:15
少し前の出来事。ビリー宅に飾ってあったブリキの車玩具がWガトリンガーへと変貌したとこを目撃し、ビリーは唖然となっていた。

彼は思わず、手に取ってみる。じっくり見回す。そうしていくと、彼の表情が妙に嬉しそうに・柔和になっていった。

2018/01/12 00:16
「……嬉しかったんだ。Wガトリンガーにベースボールの意匠がゼロだったことが。ミーは改めてメジャーリーガーではなくタウラスのアストロンレーサーになれたことがベリーベリー嬉しかったんだ」
2018/01/12 00:18
「えっ?」
2018/01/12 00:20
「ミーはダディーの言われた通り、メジャーリーガーになった。厳密に言えば、そうせざるを得なかった。当時のミーには生きていくうえでの有利なウエポンがそれしかなかったからだ。でも、プレッシャー、バッシング、オーバーワークで苦しかった。バットだがそんなミーはディサピーア! なぁそうだろう? マイパートナーマシン・Wガトリンガー!」
2018/01/12 00:20
あまりにも晴れやかな表情のビリーに秀仁は笑い吹いてしまう。

今間考えていたことがバカバカしくなるほどに。

2018/01/12 00:24
「アハハハハ! いいですねぇ。そういうの。僕はねぇ昔は自分で自分の事を頭のいい人間だと思っていたのですよ」
2018/01/12 00:25
「ミスターリブラ?」
2018/01/12 00:26
「学校の勉強を神だと崇め、心酔した。勉強さえやっていれば報われるのだと。アリとキリギリスの蟻になれるのだとね」
2018/01/12 00:27
「……で、実際はどうだったんだ?」
2018/01/12 00:28
「あれまビックリ。権力者たちにとって都合のいい歯車の完成でしたよ。安全圏に逃げ切れると思っていた自分がバカでしたよまったく……。でももうそんなのどうでもいいのですよ。今の僕にはお金も自由もある。さぁ、Jリブライダー、社会の歯車洗脳教育に使ってしまった無駄な時間の分まで楽しみましょう。ラストスパートです!」
2018/01/12 00:28
ゴールまであと残り10メートルもない。

金牛宮と天秤宮のマシンの決闘の行く末は如何に……?

2018/01/12 00:32

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