別乃世望は別の世を望む

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エピソードの総文字数=3,363文字

次の日の朝・・・



帰ってきてない、か・・・
トリィ・・・
とうとうトリカラ・マイウーは姿を現さなかった。
携帯か何かで連絡は取れないのか?
こちらの世界で使えるようなものはちょっと・・・
何かの理由で地獄に帰ったとか・・・
契約途中なので、それはできないはずです・・・
じゃあ・・・
・・・もしや、あの悪魔祓いに何かされたのでは―――
・・・そろそろ螺理多が迎えに来てくれる時間だ。

相談してみよう。

ああ、トリィ・・・






・・・なるほど、例の悪魔が帰ってこない、と。
探偵事務所へ向かう車の中、トリカラ・マイウーが戻らないことについて相談を受ける螺理多。
こちらから連絡を取る手段はないんですね?
はい・・・
では相手の安否を確認する方法は?


例えば別乃世さんはその悪魔の呪いを受けているとのことでしたが・・・

仮にその悪魔がいなくなった場合、その呪いはどうなるのでしょうか。

・・・そういえば、途中で契約破棄した場合、ミンチになるとか言ってたような。
みんち・・・?
―――ああ、そうです!

契約状態を確認すれば・・・

契約?呪い?


まぁ何にせよ別乃世さんの身に何の変化もないようなら、少なくともその悪魔はまだ生きているのでしょう。

そうですね、そうですよね・・・!

あぁ、よかったトリィ・・・

ところで・・・

女神様と悪魔、一体どういうご関係で?

同じ学校のマブダチだそうだ。
同じ、学校?
それはまた興味を引かれるお話しで・・・


余裕ができたらまた、是非お聞かせ願いたいですね。






さて、それでは今後の方針を発表します。
螺理多の事務所に到着した一同。

会議室に集まり、螺理多からの説明が始められた。

基本方針としては、二手に分かれて人探しを行います。


まずは僕と豊秩さんでシスターを。

え、こちらから探すんですか?
この件については豊秩さんと昨夜の間に話し合いました。

豊秩さんも了承済みです。

はい、任せてください!
昨夜?
はい。

豊秩さん一人で事務所に泊まるのは不安ということでしたので、僕も一緒に・・・

一緒にお泊まり!?
・・・
きゃあ!

何でもありません、何でもないです。

ただ、怖いから一緒に泊まって頂いただけです!

そうですね。


・・・そして別乃世さんとアーマさんには、「別乃世さんが噛み付いた」という女性を探して頂きたい。

杵崎はいいのか?

無論、探しはしますが・・・


そもそもまだ無事に存在しているとも限りません。

守上のようにゾンビになった上でシスターに灰にされていたら無駄足になりますので・・・優先順位は下がります。

それで、探す対象がシスターとあの女になるのか?
理由としては、その二名が人物相関の中心に近いからです。

この二人を探しているうちに、杵崎やトリィさん?を見つけられる可能性は非常に高い。

分かった、やってみよう。

・・・シスターの方は大丈夫なのか?

あくまでも足取りを追うだけで、直接接触するつもりはありません。

お任せください。

別乃世さん達も気を付けてください。
了解した。







・・・さて、まずは現場に戻ってみたわけだが。
その後、螺理多の車に乗せられて、別乃世たちはあの日の現場に辿り着いた。


別乃世が、人食いになりそこねたあの場所に。

さすがにここにはいないよな。
あちらに倉庫がありますが、使われてる気配はありませんでした。
アーマには、利便性を考えて霊体状態になってもらっている。


普通の人には見えないし、今のように壁を通り抜けて建物の中身を確認することができる。

さてどうするか。

聞き込みをするにしても、名前すら知らんからな・・・

一緒にいた男性の方は分かりませんが、女性の方は、たしか「レイコ」と呼ばれていました。
え、マジで?
はい、間違いありません。
やるな、アーマ。


じゃあとりあえず、そこらへんのちゃらそうなやつらに聞き込みしてみるか。

・・・前々から思っていましたが、別乃世さん、かなりアグレッシブですよね。


決断が早いというか、動きに迷いがないというか。

そもそもネットの書き込みからトラックに突っ込むぐらいだからな。
そうでした・・・
・・・よし、あそこの二人組に聞いてみよう。







―――で~、アイツ、どうしようもないんだって。
え~、そうは見えないけど。
マジマジ。
あ~、ちょっと失礼。
え、なに。
キモいのきた。
キモくないからちょっと聞いて。


このへんで、ちゃらい男と絡んでる「レイコ」ってコを知らないか?

年はキミたちと同じぐらいなんだが・・・

「レイコ」!?
・・・あなた、警察関係の人ですか?
いや違うけど・・・

なんで?

あ、えっと・・・
―――バカ!

余計なことゆうなって!

あー・・・

警察関係ではないが、探偵事務所の者ではある。


事件に絡むような話であれば、あとで警察に情報を渡すこともあるが、キミたちが隠し事をするようなら警察にも怪しい二人組がいたと・・・

べ、別にそんなの大丈夫だし!

ウチら、レイコの件には全然絡んでないんだから!

・・・いやヤバいって。

別件逮捕ってやつでパクられるよ。

・・・まぁよく分からんが、俺が聞きたいのはレイコのことだけだから、キミらが何してようがあとは知らん。


なので、レイコについて教えてほしい。

居場所は知らないか?

・・・ウチらが言ったって、誰にも言わない?
言わない言わない。
・・・実はここ最近、レイコ絡みの人たちがいなくなってるんだよね。
いなくなってるというと、行方不明?

まぁね。

どいつもロクに家に帰らずに遊び回ってるようなやつらばっかだから、捜索願いとかは出されてないと思うけど・・・

ウチらの友達だけじゃなくて、他のやつらも突然連絡が着かなくなったって。


で、そいつらの共通点が「レイコ」か「レイコの連れ」に呼び出されてるっていう・・・

なるほど。

・・・レイコってのはどんなコ?

アタシら直接のツレじゃないから詳しくないけど、ここらじゃ男連れ回して結構ムチャやってるみたい。


正直、あんまり関わりたくはないね。

今いる場所は知らないけど・・・

レイコのグループが溜まり場にしてるビルなら知ってるよ。


まぁみんな知ってるから地元民は近づかないけど。

その場所を教えてくれ。

あと、レイコのフルネームは?

阿波津。

阿波津・怜子だよ。

阿波津か。

ありがとう、助かった。

いいけど・・・

警察にはモチロンだけど、ウチらが言ったってことは誰にも言わないでよ?

怜子のグループ、マジでヤバいんだから。
分かっている。





別乃世は、怜子のグループが溜まり場にしているというビルに向かった。

さて、ここだな。
いかにも廃ビルといった感じですね。

では、中の様子を窺ってきます。

ああ、気を付けて。

見えないからといって油断しないように。

はい、気を付けます。






・・・・・・
お待たせしました。
ああ、どうだった?
今は誰もいませんが、大勢の方が使っているような形跡があるのと・・・


床に血が飛び散ってるような部屋がありました。

血・・・

どのくらい?

・・・床一面に、ですね。
・・・
あ、あとですね、重要な手掛かりになりそうなものを見つけましたので、窓から落としておきました。


たぶん、あちらの方に・・・

重要な手掛かり?
あ、ありました、これです。
と、アーマが差し出したのは二つの財布。

金目のものは既に抜かれており、中には使えそうもないカード類のみ。


その中に、持ち主のものであろう運転免許証が入っていた。




・・・杵崎と守上の、か。

確定だな。


俺がゾンビにした阿波津・怜子が、さらにゾンビを増やしている。

それも、ビルの中の状況からして大量に。

・・・・・・
・・・一度、螺理多に連絡を取ろう。

向こうの状況と合わせて方針を考える。

互いに電話に出られない状況である可能性を考慮し、連絡は探偵事務所の電話にすることになっていた。
・・・出ないな。
まだ時間も早いですし、戻ってないのでしょうか。
・・・そうだな。

家に戻って待機しよう。

その後、自宅に戻った別乃世たちは、一時間置きに事務所へ連絡を入れた。


18時頃、ようやく豊秩が電話に出たところ、先程二人で事務所に戻ったが、用事があると言って螺理多は出掛けたとのことであった。

用事?
はい。


小一時間で戻るとおっしゃっていましたので、戻りましたら御連絡致します。

頼む。
だがしかし・・・

その後、待てど暮らせど螺理多からの連絡はなく。


そろそろこちらから連絡を入れようかと思い始めた22時。



所長が・・・

螺理多さんが帰って来ないんです・・・

豊秩からの、悲痛な連絡が届いた。

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