マジカルミュージック

姫巫女の誘惑

エピソードの総文字数=2,352文字

    ただいま、歌音はピンチに陥っている。目の前には、妖艶な笑みを浮かべている詩織がいて、歌音の逃げ場を完全に塞いでいる。

    何故、歌音がこのような事になったのか……それは、今朝に遡る。

2017/09/20 18:53
お前……もう大丈夫なのかよ?!    もう少し休んでいても良かったんだぞ?
2017/09/20 18:55
いいえ、本番まであと三日……。まだ曲は完成していない。私がいなかった分を今日、取り戻さなきゃ!!
2017/09/20 18:55
あんまり無理するなよ……。無理したら歌音が恥ずかしいと思うような事をするからな!!
2017/09/20 18:57
私が恥ずかしいと思うような事?    それは何かしら?
2017/09/20 18:57
    圭の口数が減る。少し隠った声で歌音の耳元で囁く。
2017/09/20 18:58
あんなことやこんなこと……かな
2017/09/20 19:00
    圭の息が耳にかかり、一瞬どくっ、とする。歌音は、顔を赤らめて反論する。
2017/09/20 19:01
友達同士であんなことやこんなことなんてしません!!
2017/09/20 19:02
歌音の顔、真っ赤だから反論してるように見えねえよ。むしろ、俺を誘ってるの?
2017/09/20 19:03
誘ってなんかいません!!    そんなことより圭くんは練習進んでるの?
2017/09/20 19:42
それなりに進んでるぞ?    でも、俺は歌音の思いに答えられるように頑張っているからな
2017/09/20 19:43
最近……圭くんの誘惑が酷い……
2017/09/22 08:35
だって、俺だけを見てほしいんだからな♪    他の男には奪われないように……
2017/09/22 08:36
    圭が妖しい笑みを浮かべる。さすがの歌音もここは小さな声で呟いた。
2017/09/22 08:37
圭くんは狡い……
2017/09/22 08:38
何か言ったか?
2017/09/22 08:39
何でもない!!
2017/09/22 08:40
    歌音は、頬を赤らめて全力で否定したのであった。これが、どんな結果をもたらすのか知らずに……。
2017/09/22 08:40
歌音さん……
2017/09/22 08:44
何?どうかしたの?    詩織ちゃんから話しかけてくることなんて珍しいから……
2017/09/22 08:45
ちょっと今日話があるのです。だから、放課後屋上に来て下さい
2017/09/22 08:46
わかったわ。何でも話を聞くから
2017/09/22 08:47
    歌音の言った「何でも話を聞くから」という言葉のチョイスを間違えたのかもしれない。詩織は笑顔になり、歌音の手を握りしめた。
2017/09/22 08:47
ありがとうございます!!    じゃあ、指切りげんまんしましょう♪
2017/09/22 08:48
えっ?
2017/09/22 08:49
そうしないと歌音さん……忙しいから忘れちゃうでしょ?    だからね、指切りしておこうと思ったのです
2017/09/22 08:53
分かりました。指切りしましょうか
2017/09/22 08:56
わーい!!    歌音さん、ありがとう♪
2017/09/22 08:57
    歌音と詩織の小指が絡まる。そして、歌を歌う。
2017/09/22 08:57
指切りげんまん、嘘ついたら    針千本の罰    指切った♪
2017/09/22 08:58
    詩織の小指が離れると、詩織が満足したように自分の席に戻っていった。
2017/09/22 08:59
    これで良いのか?、と歌音は疑問に思うが、何ともなかったかのように今日の合奏の準備を進めるのであった。
2017/09/22 12:10
    その日の放課後、歌音は約束通り屋上にやって来た。目の前には、妖艶な笑みを浮かべている詩織が満足したように立っていたのだ。
2017/09/22 12:11
ようやく来てくれましたわね……歌音さん。待ちくたびれましたわ……
2017/09/22 12:17
詩織ちゃんの目ってそんなに濁った赤色だったっけ?    もっときれいに輝くルビー色だったと思うんだけど……
2017/09/22 12:18
    フラフラと歩いてくる詩織の様子は明らかにおかしかった。虚ろな表情で歩いてくる詩織からは脅威的な力を感じとることもできた。

    歌音は、逃げるように詩織から離れていく。後ろに壁が当たった。もう逃げ場はない。

2017/09/22 12:19
詩織ちゃん!!    一体どういうことですか!?
2017/09/22 12:24
私は、歌音さんの事友人として好きですよ……。最近、圭さんと仲がいいみたいですね。羨ましいですわね……
2017/09/22 12:26
羨ましいも何も……どうして私を呼び出したの?
2017/09/22 12:27
でも、私はそれが気にくわないですわ……。どうして周りばかりが幸せになって、私は不幸になっていくのですか?    どうしてみんなは叶う恋をするのに私は叶わない恋をしたのですか?!    許せないです!!
2017/09/22 12:27
    詩織の手元にはナイフが握られていた。これは、絶体絶命のピンチ。完全な死亡フラグ。
2017/09/22 12:29
ちょっと……早まらないで!!   詩織ちゃん、やめて!!
2017/09/22 12:32
あなたを殺して私も死んだら聡太さんは悲しみますかね……
2017/09/22 12:33
そんなの悲しむわ!!
2017/09/22 12:34
そんなことないです!!    聡太さんと私の家は敵対同士です。敵に塩を贈るような真似はしないです!!    きっとそうです!!
2017/09/22 12:34
    詩織のかな切り声が響き渡る。歌音はどうしたら良いのか悩む。現に今、前を通さんとしている状態だ。
2017/09/22 16:21
聡太くんとの関係がうまくいかない事を理由に私にとってかからないで!!    これは、誰からの言いつけなの!!
2017/09/22 16:36
……
2017/09/22 16:37
無言で通すつもりなのね……。私は知っているよ。詩織ちゃん、夢世界で男と遭遇しているわね
2017/09/22 16:37
?!
2017/09/22 16:44
ほら……当たりね……。とにかく早くあなたを助けないといけないわね……ねぇ、圭くん・聡太くん。さっきから盗み聞きしているのずっと気づいていたわよ?
2017/09/22 19:22
なっ?!
2017/09/22 19:23
    詩織が屋上にある水道タンクの方を見る。そこには、圭と聡太が自分の出番がいつ来るのかを待ち構えるようにしていた。歌音の声に圭と聡太は、ニヤリと笑みを見せる。

    圭の声が響き渡る。

2017/09/22 19:24
ばーか。呼び出すのが遅いんだよ
2017/09/22 19:26
待ちくたびれてた
2017/09/22 19:26
    二人は、水道タンクの上から飛び降り、歌音と詩織の間に割って入った。詩織は驚きを隠せないでいた。何故なら、好きな人にこのような醜態を見られたことに対する恐怖を感じ取ったのかもしれない。
2017/09/22 19:26
詩織……お前、隠してただろ?
2017/09/22 19:28
何の事ですか?    私には分からないです
2017/09/22 19:28
惚けるな!!    俺は、圭からすべて聞いた!!    お前、告白したら自分が死ぬとか言っていたみたいだな……。そんなの俺が何とかしてやるよ!!    だから、早く詩織の思いを全て俺に伝えろよ!!
2017/09/22 19:29
わ……私は……
2017/09/22 19:31
    詩織の言葉に空白が出来る。木枯らしが吹き荒れる屋上で聡太は答えを待ち続けている。歌音と圭も見守る。

    なかなか勇気を出せない詩織は、下を向いて無言になってしまったのであった。

2017/09/22 19:38

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