マジカルミュージック

このモヤモヤの正体

エピソードの総文字数=2,488文字

    圭は、最近ずっと悩んでいた。

    これは、悩んだところで解決するとは思っていない。悩みってちょっとした勇気と行動で解決することもあるけどこの悩みはなかなか解決されることがないであろう。


    何せ、歌音がずっと圭の思いに気づかないふりを続ける限りは……。

2017/10/11 17:09
圭、最近浮かない表情が多いですね。何かありました?    それとも、歌音さんと喧嘩でもしたのですか?
2017/10/12 22:16
うっ……鋭い……
2017/10/12 22:17
僕は、何も言いません。しかし、歌音さんと喧嘩しているなら早めに解決した方が良いです
2017/10/12 22:17
別に喧嘩している訳ではないんだけどなぁ……
2017/10/12 22:18
じゃあ、何ですか?    もしかして、歌音さんに恋をしているとかじゃないですよね?
2017/10/12 22:18
    どうして悠はこんなにも鋭いのだろうか。圭の考えていることや思っていることに対して、何でもかんでも心を読んでいるかのように当ててくる。これが、三つ子兄妹の勘というやつだと思われる。

    しかし、圭は否定した。

2017/10/12 22:19
そんなんじゃないし!!    俺は、歌音の作る音楽が好きなんだし!!
2017/10/12 22:21
嘘をつかないでください!!    僕には、圭の事分かります。だから、これ以上の嘘は悲劇を招きます。だから、圭!!     歌音さんに思いを伝えてください。それが、僕たちの未来を紡ぎ出す唯一の方法なんですから……
2017/10/12 22:23
    悠にここまで言われると、圭も黙ることしか出来なかった。圭は黙って悠を見つめる。同じ日に同じ母親から生まれた三人の兄妹は、世界を変えるために今を必死に生きていた。この世界を変える唯一の方法は、クラスメイト誰一人死なずに卒業をする事だけだ。

    圭は、最近色々な悩みを抱えていた。恋の事を含めると多い。香苗の事は吹っ切れたが、最近はまた違う新たな悩みに直面していた。

    あの時、圭が自殺を図ろうとしたところを止めてくれた歌音に恋をしてしまった。あれは、偶然だったのであろうが、圭にとってはとても偶然には思えない出来事になっていた。

2017/10/12 22:32
ほら、圭!!    また上の空ですよ
2017/10/12 22:39
ごめん、悠。今は、一人で考えたいんだ
2017/10/12 22:40
圭、あまり単独行動はしてはダメですよ?    今回は、特別に認めますけど……。圭があの男に傷つけられるのは、僕は嫌ですから……。何かあったら絶対に僕に知らせてくださいよ?
2017/10/12 22:42
分かった。何かあったらまた悠に相談する。だから、そんなに心配しなくても良いって。ちょっくらその辺で気分転換がてらトランペットを吹きに行ってくるだけだ。だから、悠もそんなに心配するな
2017/10/12 22:44
    圭は、トランペットの入った楽器ケースを背中に担ぎ、悠と一緒に話をしていた談話室から出ていった。

    悠は、心配そうに圭の背中を見送ることしか出来なかったのであった。

2017/10/12 22:46
    屋上に上がった圭は、大きなため息をついた。心配症な悠とブラコンの結愛に挟まれて育った圭にとっては、それも大きなストレスになっていた。

    一つの問題であった香苗の事が解決してからは問題が増えている気がする。謎の悪の組織やらそんなものを相手にしている自分が凄いとさえ思ってしまう。

2017/10/13 08:58
そんな事考えてる暇なんてない!!     練習しないと……。次の本番が近いんだ!!     「 吹奏楽フェスティバル 」成功させないといけないんだ。歌音には、迷惑をかけられない!!
2017/10/13 09:02
    圭は早速、トランペットをケースから取り出し、マウスピースを口元に当て、ハジングをする。高くこもった音色が風に乗って広がっていく。
2017/10/13 09:07
はぁ……。俺の音ってこんなにも虚しいものだったかなぁ……
2017/10/13 16:35
音はとても虚しいものです、圭さん
2017/10/13 16:36
……って、里紗も練習していたのかよ?!
2017/10/13 16:39
お邪魔なら去りましょうか?
2017/10/13 16:40
別に邪魔じゃねぇよ!!
2017/10/13 16:40
    里紗は、圭の様子を見てあることに気がついた。
2017/10/13 16:41
圭さんは、もしかして歌音さんに恋をしていますね
2017/10/13 16:42
お前らエスパーかよ!!
2017/10/13 16:42
私は、結界使いですよ。このようにすると結界を貼ることが出来るのですよ
2017/10/13 16:43
    里紗が掌を揃え、前に突き出した。その時だった。圭の前に透明な薄い膜みたいな塊が目の前に広がったのである。その塊は、暫くすると何かに当たったのかバチバチと音を立て、消滅した。
2017/10/13 16:44
おい、今のはどうして消滅したんだ
2017/10/13 16:46
おそらく、私の結界に邪悪な塊がぶつかりにきたのでしょう。私の結界の力は、まだまだ弱いのです。だから、すぐに消滅してしまいますし、術者にもダメージが来ます。私のように精神的に弱い人が持つ能力ではないのですよ
2017/10/13 16:46
でも、里紗は元々プロのクラリネット奏者だよな?    どうして、精神的に弱いと言うんだ?
2017/10/13 16:48
私は、あの日のミスで落ちた人間です。だから、圭さんにそのように言ってもらえて私は嬉しいですよ。しかし、「 sing sing sing 」のソロですが、私がやっても良いのでしょうか?    悠さんにやってもらった方が的確だと私は思うのですが……
2017/10/13 16:51
それは、違うぞ!! 
2017/10/13 16:53
    圭の声が、風に乗って周囲に響き渡った。里紗は、唖然とした表情をしている。圭は、何か余計な事を言ったのかと慌てる。
2017/10/13 16:56
悪い意味で言っているのではないからな!!    俺は、一度は里紗のソロを聞いてみたいなぁ。里紗は、まだここに来てからソロをやったことないだろ?
2017/10/13 17:07
ここに来てからは、ソロはやったことありません。全て、悠さんか夕陽さんたちに譲ってましたから……。でも、「 sing sing sing」のソロは、一度やりたかったです。だから、私の事見守ってくださいね。これ以上は、寒くなってきてクラリネットにも不備が出てはいけないので、中で練習しますね。圭さんも風邪をひかない程度に練習してくださいね
2017/10/13 17:09
分かってるよ
2017/10/13 17:11
後、歌音さんとの恋も応援していますね
2017/10/13 17:12
    里紗は、笑顔でクラリネットや譜面台などを片付け、屋上を後にした。徐々に里紗はクラスメイトたちに心を開き始めているが、圭が逆に追い詰められているような気がした。

    圭はこの後、「 sing sing sing 」のトランペットソロの練習をしたが、身に入らなかった。ずっと歌音の事を考えてしまい、まともに練習が出来ない。圭は、この事に頭を抱える事しか出来なかったのであった。

2017/10/13 17:12

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