【5/13】ダンゲロスSS(15) ぽぽvs兜海老

兜海老

エピソードの総文字数=3,236文字

こちらで兜海老さんが執筆されます。他の方は書き込みをお控え下さい。

いつの世にも都市伝説というものは人々の間で語り継がれるものである。


それは、この魔人の跋扈する世界でもかわらない。
いや、常軌を逸する魔人も都市伝説の怪人も同じようなものである。

では、魔人と都市伝説の怪人との境はどこにあるのか。

それは、人知れず魔人すらをも狩る者か否か、ではないだろうか。

kbt-ebi

 

kbt-ebi

「ねえ、知ってる?モブ沢ひろしって名乗ると体を乗っ取られちゃうんだって」
いつの頃からか、若者の中でこう噂されている都市伝説がある。
無論、誰も本気にはしていない。
だって、そんなことはありえないのだから。
だが、本当にそう言い切れるだろうか。
あなたのとなりにいるその人は、本当にモブ沢ひろしではないと?
疑うのならば、こう言ってみるといい。
「どうも、モブ沢ひろしです」と。

kbt-ebi

 

kbt-ebi

・・・

多摩摘・桜良は違和感を覚えていた。

今しがた狩ったチェリーω、どうも以前味わったことがある気がしてならない。

kbt-ebi

人それぞれ、味が違うのがチェリーの醍醐味なのに・・・

そして、その違和感は今回だけではない。

今までにも何度かあったように感じる。

kbt-ebi

味は覚えてるのだけれど、顔は覚えてない・・・

双子か何かだったのかしら?

多摩摘・桜良は魔人である。

触った男のωをチェリーに変えることが出来る。

そして、それをもぎ取り、味わうことが彼女の至上の喜びなのだ。

今日も、彼女は極上のチェリーを求めてさ迷い続ける。

kbt-ebi

そして数日後。

kbt-ebi

ぎゃあああ・・・!

ふふふ・・・さぁて、あなたのチェリーは甘いかしら、酸いかしら?

またひとり、彼女の犠牲となった。

だがしかしーーー

kbt-ebi

・・・!

まただ。この味は知っている。

この前、違和感を覚えた時に相手の顔も覚えるようにしていた。


そうだ、この顔はあのときの男と同じだ。

kbt-ebi

・・・あなた、だぁれ?

チェリーを狩る能力を覚えて。

おそらくはじめて、彼女はチェリーの持ち主本体に興味を示した。


kbt-ebi

お、おれは・・・「モブ沢・・・ひろし・・・」です・・・

息も絶え絶え、死力を尽くして振り絞ったその言葉を最期に、男は息を引き取った。

kbt-ebi

(モブ沢ひろし・・・?)

彼は双子か三つ子か、はたまたそれ以上なのか。

いままで味わってきたモブ沢チェリーの数は十に近いはず。

kbt-ebi

・・・どちらにしろ、ちょっと邪魔よね。

私の「素晴らしき収穫祭」に、同じ味は要らないわ。

そしてこれ以降、彼女の「狩り」は少し変わる。

美味しそうなωの持ち主ではなく、「モブ沢ひろし」の顔をした男を探し始めた。


だが彼女も半信半疑である。

それもそのはず。同じ人間が複数存在する、そんなことが信じられようか。

しかしある日ーーー

kbt-ebi

・・・いた。

ん?

あなたの名前、教えてくれる?

え、なんだよ急に、おねえさん、ナンパ?

いいえ、いいのよ。分かっているもの。

あなた、「モブ沢ひろし」よね。

え、何でそれを・・・

やっぱりそうなのね。教えてちょうだい。あなた、何人いるの?

・・・知ってしまったのか。知らずにいれば済んだものを。

そして男の雰囲気が変わった。

ような気がしたがそんなことはなかった。今までどおり、どこにでもいる普通の男の気配だ。


だが、何か不気味な殺意のようなものを多摩摘・桜良は感じ取った。

kbt-ebi

あなたが何人かいるのなら、それはそれで良いの。

でも、仮にあなたが増えっていていて、その分ほかの人がいなくなっている。

そんなことになっているのなら、あなたには居なくなってもらいたいの。

ムダとは思いつつも、多摩摘・桜良が「モブ沢ひろし」について調べたところ、ある都市伝説が浮かび上がった。

kbt-ebi

「ねえ、知ってる?モブ沢ひろしって名乗ると体を乗っ取られちゃうんだって」

kbt-ebi

信じていたわけではないが、こうなっては信じるしかない。

そして、これ以上モブ沢ひろしを増やすわけには行かない。

何故ならばーーー

kbt-ebi

なぜだ?「モブ沢ひろし」はただ増えているだけ。この世のすべてが「モブ沢ひろし」になれば、世界からは争いすら消え去り、本当の平和な世界が得られるんだぞ?

だってあなたのチェリー、そこらの市販品程度の味なのですもの。

そう。モブ沢のωは美味くも不味くもない、モブ味なのだから。

kbt-ebi

よくわからんことを。

だが、消えてもらうのはお前のほうだ。

「モブ沢ひろし」の秘密を知った者を、全モブ沢ひろしは許しはしない。

そうなのね。

じゃあもう一度聞くから教えてちょうだい。あなたは何人いるの?

それはモブ沢ひろしでさえも把握はできない。なぜならば、こうしている今も、おれたちモブ沢ひろしは増え続けているのだから。

・・・そう。じゃあいいわ。

しゃきんーーー

kbt-ebi

銀の光が走る。

多摩摘・桜良の手には、いつ握られたのか、はさみがひとつ。


そしてはらりと落ちる、モブ沢の股間の布切れ。

モブ沢のωは丸出しとなっていた。

kbt-ebi

うぉ!?

あぶなっ! ωが切れたらどうする!

あら大丈夫よ。わたしが切るのは邪魔な布だけ。

あなたのチェリーはこれから優しく育て上げるの。

!?

モブ沢の眼前から多摩摘・桜良の姿が消える。

並みの魔人より早い程度の動きではあるが、モブ魔人であるモブ沢では追いきれないのは当然である。


多摩摘・桜良はモブ沢の背後に悠然と立っていた。

kbt-ebi

あひぃ!?

モブ沢のωを多摩摘の手が優しく揉み上げる。

その快感に、抵抗を躊躇してしまったモブ沢を誰が責められようか。

kbt-ebi

く・・・! 離せ!

数拍ののち、やっとのことで欲望に打ち勝ったモブ沢が多摩摘・桜良を跳ね除ける。

kbt-ebi

きゃ・・・

驚くほど簡単に離された多摩摘だが、その顔には笑が浮かんでいる。

kbt-ebi

ふふふ・・・

なに・・・を・・・!?

違和感。

なにかがおかしいと、モブ沢の本能が告げる。

だが理由は分からない。いや、分かることを本能が拒絶しているのかーーー

kbt-ebi

今日は楽しい収穫祭♪

今日は嬉しい収穫祭♪

な・・・?

さあ、あなたも一緒に歌いましょう?

今日は楽しい収穫祭

今日は嬉しい収穫祭

貴方のチェリーは
甘いの酸いの美味しいの?

今日は楽しい収穫祭
今日は嬉しい収穫祭

My greatful day
Your greatful day

So it's greatful harvest

kbt-ebi

いつの世にも都市伝説というものは人々の間で語り継がれるものである。

kbt-ebi

人気のない路地、公園、浜辺。今日もどこかで。

夜の世界に楽しげな歌声が響き渡る。

だがそれは、聞いてはいけない曰く付きの歌。
語られることのない都市伝説。

ーーーその名はグレイトフル・ハーヴェスト。

kbt-ebi

ひぃぃぃ!?

己の股間に、おそるおそる手を伸ばしたモブ沢が悲鳴を上げる。


彼のωは、チェリーになっていた。

kbt-ebi

あなたのチェリーは、甘いの、酸いの、美味しいの?

・・・いいえ、私はもう知っている。


あなたのチェリーはつまらない。

多摩摘・桜良がモブ沢のチェリーに手を掛ける。

kbt-ebi

ちょ・・・やめ・・・

ぶちぶちっ

kbt-ebi

微塵の躊躇いもなく、多摩摘・桜良はモブ沢のチェリーをもぎ取った。

kbt-ebi

ぎゃあああ・・・!

モブ沢は、苦悶の表情を浮かべて、果てた。

kbt-ebi

・・・ほぅらやっぱり、つまらない味。

舌でしばらく転がした後、本当につまらなそうにモブ沢のチェリーを噛み砕く。

kbt-ebi

さてどうしましょう。こんな安物に増えられては困るわね。

そして明日も。多摩摘・桜良は街を彷徨う。


良品質のチェリーを求め。

そして、粗悪品であるモブ沢チェリーを駆逐するため。

kbt-ebi

今日は楽しい収穫祭

今日は嬉しい収穫祭

貴方のチェリーは
甘いの酸いの美味しいの?

今日は楽しい収穫祭
今日は嬉しい収穫祭

My greatful day
Your greatful day

So it's greatful harvest

kbt-ebi

聞いてはいけない曰く付きの歌。

そう、この歌を聴いたものは生きてはいない。

皆、股間のチェリーを狩られるのだから。

kbt-ebi

語る者がいない都市伝説。
その名はグレイトフル・ハーヴェスト。

kbt-ebi

・・・でもそうね、狩りつくせないのならば、品種改良してみるのも良いかもね。

どう狩れば美味しくなるかしら。どうもぎ取れば美味しくなるかしら?

そして今日も、彼女はモブ沢を狩りに行く。

kbt-ebi

END

kbt-ebi

時間です。執筆はここまでとなります。

ページトップへ