【3/25】ダンゲロスSS(8) 扶桑vsロリバス

ロリバス

エピソードの総文字数=2,970文字

こちらにてロリバスさんが執筆します。他の方は書き込みをお控え下さい。
登場人物紹介

lolybirth

・富岡 剛

魚介卸売を営む邪悪な魔人。値札を貼り付けたものを、値札の値段相応のものに変化させることができるぞ
・大森山ふとし
デブな高校生。分厚い脂肪に隠された心にはカロリーの炎が燃えている
・地の文マグロ
突然変異したマグロ。主に地の文を喋る。
過酷な環境からダンゲロスSSのレギュレーションに適応進化し、地の文をセリフ化することでポイント損失を防ぐ。養殖
○東京都 豊洲市場
地下では猛毒ベンゼン大気が渦巻くこの豊洲市場は、築地の移転先になる予定だったがなんやかんやあっていまだ移転されていない。
猛毒ベンゼンが検出されたことにより人が近づくこともなくなったここは、都心からのアクセスもいいため違法な食品取引にはうってつけの場所なのだ
今日もベンゼン立ち込める豊洲の奥で違法食品偽装をするものが一人……
ひっひっひ!俺の能力を使えば安値で買い叩いた養殖マグロも健康天然マグロに早変わり!
脂も乗りすぎておらず冷凍焼けなどもない!これでマグロ市場価格を下げ消費者に安くて美味しい安全なマグロをお届けしてやるわ~!
ああ、彼の手には初競りでしかマグロにつかないような値段の書かれた値札!そして目の前には養殖マグロが!
このまま哀れな養殖マグロは富岡の能力で健康にもよく味も抜群な天然マグロへと変えられ消費者の食卓にのってしまうのであろうか!?
待て!
だ、誰だ!?
マグロに値札が貼り付けられる直前、何者かの叫びが豊洲に響いた!
そこに立つのはイケメンフェイス!そして真円に近い丸い体躯!
話は聞かせてもらったぞ……養殖マグロを天然マグロに変換だと!そんな食品に含まれるカロリーを減らすような邪悪な所業。健康番組が許しても俺が許さないぜ!とぅ!
貴様ァ~!何者かは知らないが食品偽装を見られては生かしておけぬ!
お手頃価格で高品質な商品を消費者の皆様の食卓に届けるため、犠牲になってもらうぞ!
富岡は懐から0と書かれた値札を何枚も取り出した。一体これをなにに使うと言うのだろうか……
うち、一枚の値札が富岡の手からはらりと落ち、マグロに張り付いた。するとどうだろうか!
一瞬でマグロが白骨化!そう、これが富岡の必殺技。値札0を貼ることで対象の商品価値を0にし殺害する能力応用だ!
ま、マグロー!
ヒヒィ……!貴様もこのマグロと同じように商品価値を0にしてやる!
(この時、俺の脳裏に過るのはマグロとの思い出だった)
(子供の頃、回転寿司で始めて食べたマグロの味)
(大トロの皿を三枚とったら親父にぶん殴られたこと)
(ツナマヨのツナがマグロだって知ったときは、高嶺の花の気安い一面を見たようで嬉しかった……)
許せねえ……食べ物を!無駄にするんじゃねェー!
2017/03/25 21:52
(馬鹿め!食べ物を無駄にされたらデブが激高し立ち向かってくるのは必然!これでお前がここから逃げて消費者庁に心配する必要もなくなったということ!
 あとは俺の能力で商品価値を0にし白骨化させてやる!くくく……喜ぶがいい、この俺が効率的なダイエットに協力してやるんだからなぁ!)
そう!富岡にとって最も恐れるべきは消費者庁にかけこまれ営業停止処分を受けること!
大森山がそれに気づいて逃げ出すことを防ぐため、あえて富岡は商品であるマグロを白骨化させて挑発したのだ。驚嘆すべき知略である。
ああ、哀れ大森山……このまま商品価値を0にされ一瞬で脅威のスリムアップを果たしてしまうのだろうか……
うおおお!カロリーの裁きを受けろー!
ちなみに大山森は能力を使っていない!彼にとってカロリーは貯めるもの、そう安々と使うわけにはいかないのだ!
どすんどすんと走る大山森と値札を持った富岡が交錯する!
フヒャヒャア!馬鹿な男めェ!俺の値札を貼り付けられた以上これで終わり!貴様に待ち受ける運命はカロリーカット死のみよォ!
フヒャヒャア!馬鹿な男めェ!俺の値札を貼り付けられた以上これで終わり!貴様に待ち受ける運命はカロリーカット死のみよォ!
富岡は大山森の攻撃を当然のように回避!デブの攻撃は遅い!
そしてすれ違いざまに大山森の胸に値札を!
(ちくしょう……俺……ここで死ぬのかよ……脂肪肝でも糖尿病でも高脂血症でもなく……やせ細って死ぬのかよ……!!)
(大丈夫よ。大山森くん……あなたは死なないわ)
(お……お前は……?)
(勝って……健康志向に負けないで……カロリーの力を……思い知らせてやって……!!)
ふらりと立ち上がる大山森!その体は相変わらずの真円、低脂肪なんて言葉を知らないようなハイパーファットだ!
馬鹿な……貴様!なぜ俺の攻撃を受けて商品価値を失わない!
こいつが守ってくれたのさ!
そういって大山森がポケットから取り出したのは……スティック状バランス栄養食の箱!
そう、たまたま値札を貼られたあたりにおやつのバランス栄養食を入れていたため、大山森の体に値札が貼られることを防ぐことが出来たのだ!
だが……代償は大きい。
元々はカロリーの友とも言うべき超有名バランス栄養食だったそれは、値札を貼られ量販店のプライベートブランドの物に変質してしまっている……見るも無残な姿だった
大山森はプライベートブランド栄養食の箱をあけ、中身をかじった。
変わり果ててしまった友は、それでも彼に、カロリーを供給してくれた。
(俺には……覚悟が足りなかったのかもしれない。
 悪を倒すっていいながら、内心自分のカロリーを消費したくない……痩せたくないって、思っちまってたんだ。
 その結果が、これだ。
 もう迷わないぜ……友(メイト)よ。お前のくれたカロリーで!俺はこいつを倒す!)
うおおおお!(全身から噴出した脂汗が煙となり、まるでオーラのようにあたりを漂う)
ええい!幸運な奴め!だがそれが何度も続くと思うなよ!
安くて美味しい食品を待つ消費者の皆様のため、俺は営業停止処分を受けるわけにはいかないのだァー!
なりふり構わず値札を投げつける富岡!だが……
ば、馬鹿な!なぜ値札が張り付かん!
友から貰ったカロリーが!そんな値札なんかに負けるはずがねぇんだよォ!
汗である!デブ特有のぬるっとした汗がバリアのように大山森の体を覆い、値札が付着することを防いでいるのだ!
これは……お前に白骨化させられたマグロの分!
これは……プライベートブランドにさせられた友の分!
これは……カロリーを使わせられた俺の分!
そしてこれは…………カロリーオフの商品がカロリーフルな商品より高いことに納得がいかない、全国のデブの分だァー!!
ギャー!
拳に熱量をこめた大山森のパンチをくらい、富岡は倒れた。
大山森は、悲しみをたぎらせた視線で富岡を見下ろした。
悲しいよ……もしもあんたとの出会いがこうじゃなかったら。俺達は友達になれたかもしれないのに
大山森は取り出したスマートフォンで消費者庁に通報すると、富岡を一瞥して去っていく
これで、魚介卸売としてのアンタはお終いかもしれない。
だけど……人として終わったわけじゃないんだ。
もしも……もしもあんたが、健康な食品じゃなくてフォアグラとか作るんなら……そのときは、改めて友達になろうぜ
そうして、腹を鳴らしながら大山森はどこかへと去っていった。

……これが、後に食肉業の王と呼ばれる富岡 剛の起源であった。

時間です!締め切りです!

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