いつかのLip service

幕間:うさぎちゃんは尾行がお好き

エピソードの総文字数=818文字

ふんふーん 今日もお兄ちゃんを尾行~ 

はー、テストが明けたから久しぶりにお兄ちゃんのこと監視できる……

晴天の下、怪しい動きで少年の後を追う少女の姿があった。

どこから見ても少女にしか見えないが、実は少年。只今高校2年生。

忌々しいテスト期間から解放された彼は、2週間ぶりに、日課であったとある人物の監視を再開した。半年前にゲームセンターで知り合ってからと言うもの、好きになって今に至る。

こう見えても彼は内気な性格で声をかけることも出来ない。こうして監視を続けてしまっている。


というか、自分で尾行と言ってしまってはそれはもうアウトである。

お兄ちゃんを見ることでうさぎの精神は安定するのだから、テスト期間中もこうしてればもっといい成績になってたかもなの……
お兄ちゃんというのは、実兄のことでもなく、義兄のことでもない。

そもそも彼に兄の存在はない。

勝手にそう呼んでいるだけの赤の他人。彼の本名も知っている。門脇みずき。

教えて貰ったわけではなく、勝手に調べ上げただけ。

たった一度だけ対戦ゲームで遊んで貰っただけの存在。それだけだったけれど、彼にはときめくのに充分だった。

それから、関わりもないけれど、ずっとお兄ちゃんと呼んでいる。


2週間ぶりに見るみずきの様子に変わったところはなかった。

みずきの様子には、変わりがなかった。その隣に前髪の長い、冴えない地味な眼鏡の男がいることを覗いては……。

あの冴えない地味な男は誰なのーーーーーーーー!?!?
今までなかった男の影に動揺が隠せなくなる。

もし、この男とそういう関係だったならば排除しなければならなくなる。

女より男の存在のほうが彼にとっては重要だった。女の子にはなれないけれど、男ならば自分を傍に置いてほしいと思うから。

くっ……あの男のことを探る! 敵を知るにはまず尾行からよ!
何故行きつく先が思考が尾行になるのか、それは尾行が癖だからとしか言いようがない。


彼の尾行生活は、対象を変えてまた再会した……。

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