怠惰の神とフィクションブック

第2話 世界はヌメリに満ちていた

エピソードの総文字数=1,007文字

で、どーするんっすか? かみさま。

どうするもこうするも、やるしかあるまい。
神としての資格を失うわけにはいかんからな。

さて肝心の世界とやらだが。
見たまえ、部屋の隅で放置され続けた挙句、この始末だ。

うわ、なんすかそれ。
ずっと体育館の天井にひっかかってたバレーボールっすか?
きたなっ! 近づけないでくださいよ、ばっちぃなあもう!

正直なところ私もあまり触りたくはないのだ。
なんかちょっとヌルヌルしてるしな……。

そりゃ都合3年は放置してましたからね。
カビも生えるってもんっすよ。
てかこの部屋もちょっとは掃除したほうがいいっすよ。

私は掃除をしない主義だ。
5年に1度ぐらい業者を呼べば済む話ではないか。
そんなものに毎週時間を割くほど暇ではないのだよ。

アニメ見て、ゲームして、プラモ作って……。
あと自家発電以外になんかしてましたっけ?

しているともさ!
世界をより良くするための浄化活動をね!

ああそうっすね。
知恵袋にググレカスって書き込む作業がありましたね。

だが今日はこの「私の世界」の世話をしてやらねばならんのだ。
これも業者に頼めればいいのだが……。

海老の殻みたいなニオイしてるっすね。
とりあえずファブっとくっす。

おおーっ! 恵みの雨じゃーっ! 神の慈悲じゃーっ!

おお、喜んでるっす。人間ってチョロいっすね。
じゃあこのヌメヌメは水洗いするっす。

ぎゃあーっ! 大洪水じゃーっ! 神の怒りじゃーっ!

おいおい乱暴に扱うなよ。
人類が滅亡したらまた猿からやり直しになってしまうではないか。

うおお、このヌメヌメ洗っても落ちないっす!

それはカビではない、「悪ぬめり」だ。
どうやら私の世界には悪意が満ちているようだな。
どれどれ……あー、魔王湧いちゃってるなあ。

魔王がいるとヌメるんすかー。世界って不思議っすねー。

魔王に限った話ではないがね。
人間同士のいさかいでもヌメることはあるさ。

そういう場合は戦争を終わらせたり、
人類を良い方向に導いてやる必要があるんだが、
これが正直ちょーめんどくさい作業なのだよ。

アニメの話をしてる時のかみさまも大概めんどくさいっすけどね。

それは私に限った話ではなさそうだがね。
自覚はしているとだけ言っておこう。

じゃあとりあえず魔王をポイしちゃえば解決っすね。
指でつまんで、そいやっ!

あっ! よせっ!

に゛ゃ゛あ゛っ!

ぬおっ!

ピピルが「世界」に直接手を触れた瞬間、
神と天使の体はみるみるうちにその世界へと飲み込まれていった……。

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