黄昏のクレイドリア

13-3

エピソードの総文字数=612文字

…………。
ぅ…………。
横たわり、苦しげに呼吸を繰り返す
セシルの額に触れ、伝わる肌の温度に
不安を感じながら、カノンは思考していた。
(毒は大方吸い出せたとは
 思うけど……
 それにしたって解毒剤が必要だわ)
(おそらく
 麻痺毒の類だろうけど……
 これからどうする――)
おい、無事か――
!!
イーリアス。
……無事でよかった。
…………。
セシルを見て
一瞬顔を強張らせてから
黙ったままのイーリアスへ、
カノンは言葉を続ける。
けど……
セシルが毒をもらった。

応急処置はしたけど、
地下遺跡で身体を冷やしてるし、この雨……
安静にしないと体力がもたない。
あんたも魔力酔いと
慣れない水泳で、体力も
そんなに残ってないでしょ。
だから……
あたしが
セーフティゾーンを探してくる。
あんたはセシルと一緒にここで待ってて。
セシルの傍に一人は
多少動ける人間が居ないといけないしね。
…………。
……アテはあるのか。
ある。
あたしの2年前の記憶が確かなら、
ここから東へ行った所に
フォレストキーパーの小屋があったはず。
そこなら森に自生する植物の
知識が集積されてる。

それがセシルの解毒の方法に
繋がるかもしれない。
スクオーラに呼び石で
救援を求めるのは
もう連絡は入れたけど、
間に合うかどうかは望みが薄い。

…本当はあんたもわかってるでしょ?
このままじゃ
どん詰まりってことを。
…………。
だめだ。
は?
困惑した様子のカノンとは対照的に、
イーリアスは普段と変わらない
琥珀色の瞳で、カノンを見ていた。

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