黄昏のクレイドリア

16-2

エピソードの総文字数=903文字

あっ!!
!!
予想はしてたけど……
やっぱりあんたね!
こそこそこっちを嗅ぎまわって、
あたしたちを取って食うつもり?
ち、違う!
おれは村の連中とは違うんだ!!
おれと同じくらいのガキがいたから、

何されたか心配で……。

(この子、村の人間が

 何をしてるか わかった上で……)

あ……!!
少年は何かに気づいたように声をあげると、
ぐいぐいとカノンの体を押し始めた。
え、ちょっ、何?!
いいから隠れてろって!
はやく!!
わ、わかった
少年に押されるがまま、
建物の陰に隠れ、
カノンは息を静かに整えた。
(……庇ってくれたのかしら。)
そのまま息をひそめると、
陰から少年の様子を伺う。
すると、やや痩せぎすの青年が
少年の下へ歩いてきた。
…………。
フランツにーちゃん。
……エン。
どうしたんだよ、捕まえた魔術師を
見張ってたんじゃなかったのか?
ふん、その魔術師が目を覚ましたんだ。
仲間も目を覚ます頃かと思ってな。
(……なるほど。あの男が、

 イーリアスの居場所を

 知ってるわけね。)

…………それより、エン。 


お前、さっき

だれかと話していなかったか?

き、気のせいじゃねーの?
こんな雨の中わざわざ話す物好き、
この村にはいね……
エン!!
――ッ、
なっ…
激昂したフランツが

エンを強かにぶった後も、

とどまることなく言葉を続ける。

くだらない口答えはやめろと
何度俺に言わせるつもりだ?! 


俺ならまだいい、

その口を魔術師にきいてみろ。

即座に殺されるぞ!!

…………わかってるよ。
いいやお前はわかってない。
そもそも、お前には碑石を見張る役を与えたはずだ。
どうしてこんなところに居る?
これは遊びじゃないんだ。
エルフを殺した邪悪な魔術師共を
駆逐するための、戦いなんだぞ!!
その辺にしておいたら?
!!
少年の胸倉を掴みかけていた青年は、

第3者の声に目を丸くして振り返る。

ばか、なんで出てきたんだよ…!
……貴様も、あの魔術師の仲間か


つまらない虚勢は張らなくて結構。
そんなことより、
さっさとその子から手を放しなさい。
あぁ、言われなくとも
仲間のところに連れて行ってやる。 


お前たちがエルフにしたように、 

炎に焼かれて惨たらしく死ぬためにな!!

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